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第100話 お別れ会
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今日で先輩たちの部活動が終わる。
3年の先輩たちは部室の方付けに追われ、
僕達後輩はこの後のお別れ会に参加するのみ。
このお別れ会は奥野さんの叔父さんの
カフェの一部を貸し切りして行われた。
僕はバイトの初顔合わせを先月に終え、
そのあと一度バイトに入った。
それで勝手が分かっていたので、
今日のお別れ会の準備のお手伝いをするために、
早めにカフェに来た。
カフェの別の一部では、
料理部が貸し切ってお別れ会をする予定らしかった。
それで、部長同士が話し合って、
美術部と料理部のお別れ会を一緒にすることになった。
今日は数人の大学生のバイト達が
僕達のパーティーをサポートするために
入ってくれている。
「今日は僕達の為に場所を
提供して下さってありがとうございます。
騒がしいとは思いますが、
他のお客様の邪魔にならないよう気を付けますので、
今夜はよろしくお願いします。」
そう挨拶して、僕は奥野さんと一緒にカフェ入りをした。
奥野さんの叔父さんは、奥野さんのお母さんのお兄さんで、
森野矢一さんと言った。
僕はカフェなどではマスターと呼ぶと思ったけど、
至って普通で、皆彼の事を森野さんと呼んだ。
森野さんは、僕達がお客として尋ねてきてた時と同様、
優しくて、暖かい人だった。
流石は、奥野さんを引き取って育てた人だと思った。
森野さんも今では話し方も砕けて、
「今日は至らないところもあるかもしれないけど、
こちらこそよろしく」
そう言って、僕達に準備が必要なリストを渡した。
僕達は、リストに沿って、テーブルを動かして、
大人数で座れるスペースを作った。
そして、花屋さんで受け取って来た花でテーブルを飾り、
後輩同士で作ったペーパーフラワーや、
フラッグ、バルーンなどを飾り付けた。
そして、下級生から先輩達へのプレゼントなどを
準備し、持ち合わせの紙コップやお皿、
カトラリーセット等を並べた。
後は、皆が来るのを待つばかりだった。
まだ少し時間があったので、
僕達は、裏方で何か手伝えることがあるか尋ねたけど、
ゆっくりしていろと言う事だったので、
僕と奥野さんはガーデンテーブルに座り、
少し世間話をしていた。
「ねえ、ねえ柴田さんっていたじゃない?
先月、赤城君の隣に座っていた。
覚えてる?
ほら、先生に一度注意されて
赤城君と何かあるんじゃって噂になったけど、
何故か佐々木先輩と赤城君の事に
すり替わったじゃない?」
「覚えてますよ!
僕、どうしようって凄くハラハラしてましたもん」
奥野さんはニヤニヤとしながら僕を見た。
「キャハ、そうだったよね!
でもさ、次の日、彼女が言ってたんだけど、
矢野先輩って熱烈に思ってる誰かが居るんだって?
罰掃除に先輩、助っ人に来てくれて、
矢野先輩自身がそう言ってたって言ってたんだけど、
ずっと赤城君に聞こうと思ってたけど機会無くってさ、
今フッと思い出したよ!」
僕は苦笑いしながら、
「そうみたいですね~」
と答えた。
「あっ、やっぱり?
それって誰なんだろうね?
何だか、興味ない?
あんなモテ男の思い人なんて……
もう一人のモテ男の思い人は
もう分かってるんだけど……ね、赤城君!」
そう言って奥野さんは更にニヤニヤとした。
僕はドギマギとしながら、
「イヤ……あの……
あまりプライベートな事は
詮索しないでおきましょう。
先輩もそんな事言ってたし……」
と当たり障りのない回答をしておいた。
「そうか~ そうよね。
でもやっぱモテ男よね、
その姿勢に更に惚れたって
柴田さん豪語してたからね~
持てる男は惚れた人が居てもモテるんだね~
それよりもさ、
赤城君と佐々木先輩って
どうなってるの?
旨く行ってる?」
「はい!
僕達は順調ですよ!」
僕はそう言って少し顔を赤らめた。
「でも、この間、クラスでいきなり
噂が出始めた時はびっくりよね。
でも次の日に柴田さんが
佐々木先輩に聞いたら
“何でも無い”
って言われたって言ってくれたのは良かったよね。
中には今だに疑ってる人も居るみたいだけど、
結局は旨く収まったよね。
多分もう噂は大丈夫なんじゃないかな?
ま~ 二人がイチャイチャしてところ
見られなければだけどね!」
そう言って奥野さんは舌を出した。
そして急に立ち上がって手を振りながら、
「あ、先輩!」
と叫んだ。
彼女は道路の方を向いて座っていたので、
先輩たちが到着し始めたことに気付いた。
僕も振り向いてみると、向こうの方から歩いて来る
矢野先輩たちが目に入った。
「噂をすると何とやらね」
そう奥野さんが言って、
僕達はカフェの入口に回った。
先輩達に続き、後輩たちも続々と到着し始めた。
それぞれをテーブルに誘導し、
僕達は時間の6時になったので、
早速お別れパーティーを始める事にした。
司会は新部長になる美術部の2年生が行った。
「いや~ ちょっとハーレムの様な、
合コンの様なお別れ会になってしまいましたが~」
と言ったところで、皆が一斉に笑い出した。
確かにそんな感じだ。
料理部と美術部ではお互いに、殆ど面識のない人ばかりだ。
それに、圧倒的に男子よりも女子が多い。
先輩が挨拶を終えたところで、料理部の2年生の新部長が
「それでは、私達後輩の未来の活躍を願って、
乾杯!」
と、乾杯の音頭を取った。
そして、今日バイトに入っていた
大学生のウェイターと、ウェイトレスが料理を
運び込んでき始めた。
カフェの料理は何時ものように美味しく、
皆大満足で、カフェに行く時は
ここに来ようと言う人も出てきてくれた。
僕達は食べて、飲んで、食べて、飲んで、
楽しい時間を過ごした。
そして最後に先輩への
感謝の気持ちとして、
後輩からプレゼントが渡された。
男子の先輩達は凄く喜んでくれたけど、
女子の先輩達は泣いていた。
明日からは、先輩たちに、
何時ものように部室で会えないと思うと
凄く悲しかったけど、
パーティーで嬉しそうに笑う矢野先輩が見れて、
凄く嬉しかった。
僕は、高校に入って、美術部員になれて良かったと心から思った。
それを実現させてくれた矢野先輩に凄く感謝した。
そして僕達のお別れ会は大成功に終わり、
明日からはいよいよ
夏休みが始まろうとしていた。
3年の先輩たちは部室の方付けに追われ、
僕達後輩はこの後のお別れ会に参加するのみ。
このお別れ会は奥野さんの叔父さんの
カフェの一部を貸し切りして行われた。
僕はバイトの初顔合わせを先月に終え、
そのあと一度バイトに入った。
それで勝手が分かっていたので、
今日のお別れ会の準備のお手伝いをするために、
早めにカフェに来た。
カフェの別の一部では、
料理部が貸し切ってお別れ会をする予定らしかった。
それで、部長同士が話し合って、
美術部と料理部のお別れ会を一緒にすることになった。
今日は数人の大学生のバイト達が
僕達のパーティーをサポートするために
入ってくれている。
「今日は僕達の為に場所を
提供して下さってありがとうございます。
騒がしいとは思いますが、
他のお客様の邪魔にならないよう気を付けますので、
今夜はよろしくお願いします。」
そう挨拶して、僕は奥野さんと一緒にカフェ入りをした。
奥野さんの叔父さんは、奥野さんのお母さんのお兄さんで、
森野矢一さんと言った。
僕はカフェなどではマスターと呼ぶと思ったけど、
至って普通で、皆彼の事を森野さんと呼んだ。
森野さんは、僕達がお客として尋ねてきてた時と同様、
優しくて、暖かい人だった。
流石は、奥野さんを引き取って育てた人だと思った。
森野さんも今では話し方も砕けて、
「今日は至らないところもあるかもしれないけど、
こちらこそよろしく」
そう言って、僕達に準備が必要なリストを渡した。
僕達は、リストに沿って、テーブルを動かして、
大人数で座れるスペースを作った。
そして、花屋さんで受け取って来た花でテーブルを飾り、
後輩同士で作ったペーパーフラワーや、
フラッグ、バルーンなどを飾り付けた。
そして、下級生から先輩達へのプレゼントなどを
準備し、持ち合わせの紙コップやお皿、
カトラリーセット等を並べた。
後は、皆が来るのを待つばかりだった。
まだ少し時間があったので、
僕達は、裏方で何か手伝えることがあるか尋ねたけど、
ゆっくりしていろと言う事だったので、
僕と奥野さんはガーデンテーブルに座り、
少し世間話をしていた。
「ねえ、ねえ柴田さんっていたじゃない?
先月、赤城君の隣に座っていた。
覚えてる?
ほら、先生に一度注意されて
赤城君と何かあるんじゃって噂になったけど、
何故か佐々木先輩と赤城君の事に
すり替わったじゃない?」
「覚えてますよ!
僕、どうしようって凄くハラハラしてましたもん」
奥野さんはニヤニヤとしながら僕を見た。
「キャハ、そうだったよね!
でもさ、次の日、彼女が言ってたんだけど、
矢野先輩って熱烈に思ってる誰かが居るんだって?
罰掃除に先輩、助っ人に来てくれて、
矢野先輩自身がそう言ってたって言ってたんだけど、
ずっと赤城君に聞こうと思ってたけど機会無くってさ、
今フッと思い出したよ!」
僕は苦笑いしながら、
「そうみたいですね~」
と答えた。
「あっ、やっぱり?
それって誰なんだろうね?
何だか、興味ない?
あんなモテ男の思い人なんて……
もう一人のモテ男の思い人は
もう分かってるんだけど……ね、赤城君!」
そう言って奥野さんは更にニヤニヤとした。
僕はドギマギとしながら、
「イヤ……あの……
あまりプライベートな事は
詮索しないでおきましょう。
先輩もそんな事言ってたし……」
と当たり障りのない回答をしておいた。
「そうか~ そうよね。
でもやっぱモテ男よね、
その姿勢に更に惚れたって
柴田さん豪語してたからね~
持てる男は惚れた人が居てもモテるんだね~
それよりもさ、
赤城君と佐々木先輩って
どうなってるの?
旨く行ってる?」
「はい!
僕達は順調ですよ!」
僕はそう言って少し顔を赤らめた。
「でも、この間、クラスでいきなり
噂が出始めた時はびっくりよね。
でも次の日に柴田さんが
佐々木先輩に聞いたら
“何でも無い”
って言われたって言ってくれたのは良かったよね。
中には今だに疑ってる人も居るみたいだけど、
結局は旨く収まったよね。
多分もう噂は大丈夫なんじゃないかな?
ま~ 二人がイチャイチャしてところ
見られなければだけどね!」
そう言って奥野さんは舌を出した。
そして急に立ち上がって手を振りながら、
「あ、先輩!」
と叫んだ。
彼女は道路の方を向いて座っていたので、
先輩たちが到着し始めたことに気付いた。
僕も振り向いてみると、向こうの方から歩いて来る
矢野先輩たちが目に入った。
「噂をすると何とやらね」
そう奥野さんが言って、
僕達はカフェの入口に回った。
先輩達に続き、後輩たちも続々と到着し始めた。
それぞれをテーブルに誘導し、
僕達は時間の6時になったので、
早速お別れパーティーを始める事にした。
司会は新部長になる美術部の2年生が行った。
「いや~ ちょっとハーレムの様な、
合コンの様なお別れ会になってしまいましたが~」
と言ったところで、皆が一斉に笑い出した。
確かにそんな感じだ。
料理部と美術部ではお互いに、殆ど面識のない人ばかりだ。
それに、圧倒的に男子よりも女子が多い。
先輩が挨拶を終えたところで、料理部の2年生の新部長が
「それでは、私達後輩の未来の活躍を願って、
乾杯!」
と、乾杯の音頭を取った。
そして、今日バイトに入っていた
大学生のウェイターと、ウェイトレスが料理を
運び込んでき始めた。
カフェの料理は何時ものように美味しく、
皆大満足で、カフェに行く時は
ここに来ようと言う人も出てきてくれた。
僕達は食べて、飲んで、食べて、飲んで、
楽しい時間を過ごした。
そして最後に先輩への
感謝の気持ちとして、
後輩からプレゼントが渡された。
男子の先輩達は凄く喜んでくれたけど、
女子の先輩達は泣いていた。
明日からは、先輩たちに、
何時ものように部室で会えないと思うと
凄く悲しかったけど、
パーティーで嬉しそうに笑う矢野先輩が見れて、
凄く嬉しかった。
僕は、高校に入って、美術部員になれて良かったと心から思った。
それを実現させてくれた矢野先輩に凄く感謝した。
そして僕達のお別れ会は大成功に終わり、
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