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第90話 アルバイト2
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「この制服、変じゃありませんか?」
僕は奥野さんと先輩の前で一回りしてみた。
奥野さんは手を叩きながら、
「いや、赤城君、
赤城君って可愛い顔してるって思ってたんだけど、
やっぱりそういうカッコしてると男の子なんだね~
スッゴイカッコいいよ!
なんだかフランス映画のこじゃれたカフェのウェイターみたい!」
「え~
フランス映画のこじゃれたカフェってどんなの?」
奥野さんは笑いながら、
「今の赤城君みたいなのよ!
それに矢野先輩もステキ~」
と目がハートになっている。
先輩もノリノリで、
「ご注文は?」
と奥野さんの手を取り、
そこに跪いてみせた。
「イヤ~ン、先輩!
もういっそ家のバトラーになりませんか~?」
と遊んでいると、
奥野さんの叔父さんがロッカールームへやって来た。
「今日はお休みの日にわざわざありがとうございます。
凄く助かります!」
そう言って、丁寧にあいさつしてくれた。
「今日はよろしくお願いします!」
僕と先輩は奥野さんの叔父さんに、
元気よくあいさつをして、
「それでは、何から始めたら?」
と尋ねた。
「じゃあ、私が一通り説明するから、
叔父さんは今忙しいし、カウンターに戻ってていいよ」
そう奥野さんが言うと、奥野さんの叔父さんは
「では、私はちょっと失礼させていただきますが、
分からないことがありましたら、
私か瞳にお尋ねくださいね」
そう言って、カウンターの方へと引っ込んだ。
「じゃあ、このトレーを使って」
そう言って、シルバーの大きな丸いトレーが渡された。
「前に来たから分かると思うけど、
家はまだ、注文は手書きで取ってるから、
このメモを使って」
そう言って、小さなメモ帳と数本のペンが渡された。
「じゃあ、実際にダイニングに行って
一通りの流れを説明するね」
そうやって僕達はダイニングの方へと向かった。
テーブルは徐々にランチの人たちで埋まり始めていた。
僕と先輩が現れた途端、
多くの人の視線を受けた。
奥野さんが肘で僕を突きながら、
「ほら、皆見てるよ。
先輩も、赤城君もかっこ良いって言ったでしょ」
と冷やかしてきた。
「これ、皆先輩を見てませんか?」
僕がコソコソと奥野さんに耳打ちしていると、
先輩は早くもお客様に挨拶をしていた。
彼には余り人見知りとか、
恥ずかしがるとかいう機能が付いて無いらしい。
そう言うところは凄く見習わなくちゃと思うけど、
先輩を見ながらヒソヒソと内緒話をしている
女の子達にニコニコしながら
手を振っているところまでは見習おうとは思わなかった。
奥野さんもそんな先輩を見ながら、
「あ~、
先輩、受験生じゃ無かったら、
長期でバイト頼みたいところだわ~」
と悔しがっていた。
そうこうしながら、
僕達は一通りの説明を受けて、
早速実践へと入って行った。
奥野さんの叔父さんが経営するカフェには、
思ったよりも、沢山の人がやって来て、
ランチの時間はてんてこ舞いだった。
周りには沢山のビジネス街があるので、
そのせいもあると思う。
大学生らしき人達もかなり入っていた。
奥野さんの話によると、
何時もこんな感じのようだ。
余りにものお客様の多さに、
僕は注文をさばくのが一杯、一杯だったけど、
先輩はテーブルからテーブルへ、
まるで蝶が花から花へと移動するように、
スムーズに動き回っていた。
僕はヒーヒー言いながら、
「先輩って、カフェでバイトしたことあるんですか?
何故そんなスマートに動き回れるんですか?」
と尋ねてみると、
「う~ん、カフェでバイトしたことは無いけど、
絵画展で人から人へ話し掛けに行ったことは何度もあるね~」
と言われ、
「なるほど!」
と思ったけど、やっぱり先輩にとって
接客は天才肌だと思った。
それに、カフェに来た沢山の女の子達を上手に
手なずけ? ながら、先輩は何時ものように先輩節を利かせていた。
そんな先輩を感心して眺めていると、
僕は一人の男性に声を掛けられた。
彼はビジネスマンのスーツとは違い、
割とラフな格好で、
恐らく大学生かな? と言う様な感じだった。
「あの…… すみません」
そう声を掛けられ、
「はい!
何か追加注文でしょうか?」
そう僕が尋ねると、
「あ、すみません、
追加注文では無いいですが、
君の連絡先を聞いても……」
とその人が言いかけると、
矢野先輩がサッとどこからかやって来て、
「すみません。
家ではそのようなお誘いは禁止されていますので」
と、その人にお断りを入れた。
僕はいきなり何処からともなく
現れた先輩にびっくりしながら、
「え? そんなルールが?」
と尋ねようとしたら、
先輩が僕の腕を軽くつねったので、
あ~ここは話を合わせなくちゃと、
丁寧にお断りした。
僕にはあまり、興味が無かったので、
先輩の計らいにはどちらかと言うと、
感謝した。
そうしているうちに、
カフェでのバイトの時間が終わった。
カフェでのバイトは大変だったけど、
割と楽しかった。
「ねえ、家で夜ご飯食べてって!」
そう奥野さんが誘ってくれたので、
お言葉に甘える事にした。
「じゃあ、着替えたらカウンター席へ来てね」
そう奥野さんに言われ、
僕達は制服を着替えにロッカーまで行った。
エプロンのポッケトに手を突っ込み、
色々と押し込めていたものを取り出したら、
何と僕のボケットから、
5人のそれも全部男性から、
連絡先を書かれたメモが出てきた。
皆一体いつの間に
入れたんだろうとびっくりしていると、
それを見た先輩が、
「これは全部廃棄ね」
と言って、僕からメモを取り上げ、
全部ゴミ箱に捨ててしまった。
「先輩、それチョット失礼ですよ」
僕がそう言うと、
「駄目、駄目、こんなナンパみたいなの。
危ないでしょう?
声を掛けられても、
絶対返しちゃだめだよ!」
とお父さんみたいだ。
流石先輩と感心していると、
そう言う先輩のポケットからも、
8人の女の子の連絡先を書いたメモが
出てきた。
それを見た先輩は、
「ほ~!」
と言いながら、そのメモ達を、
自分のパンツのポケットに入れた。
僕はそれを見ながら、
先輩を指差して、
「💢💢💢」っとなっていた。
僕は奥野さんと先輩の前で一回りしてみた。
奥野さんは手を叩きながら、
「いや、赤城君、
赤城君って可愛い顔してるって思ってたんだけど、
やっぱりそういうカッコしてると男の子なんだね~
スッゴイカッコいいよ!
なんだかフランス映画のこじゃれたカフェのウェイターみたい!」
「え~
フランス映画のこじゃれたカフェってどんなの?」
奥野さんは笑いながら、
「今の赤城君みたいなのよ!
それに矢野先輩もステキ~」
と目がハートになっている。
先輩もノリノリで、
「ご注文は?」
と奥野さんの手を取り、
そこに跪いてみせた。
「イヤ~ン、先輩!
もういっそ家のバトラーになりませんか~?」
と遊んでいると、
奥野さんの叔父さんがロッカールームへやって来た。
「今日はお休みの日にわざわざありがとうございます。
凄く助かります!」
そう言って、丁寧にあいさつしてくれた。
「今日はよろしくお願いします!」
僕と先輩は奥野さんの叔父さんに、
元気よくあいさつをして、
「それでは、何から始めたら?」
と尋ねた。
「じゃあ、私が一通り説明するから、
叔父さんは今忙しいし、カウンターに戻ってていいよ」
そう奥野さんが言うと、奥野さんの叔父さんは
「では、私はちょっと失礼させていただきますが、
分からないことがありましたら、
私か瞳にお尋ねくださいね」
そう言って、カウンターの方へと引っ込んだ。
「じゃあ、このトレーを使って」
そう言って、シルバーの大きな丸いトレーが渡された。
「前に来たから分かると思うけど、
家はまだ、注文は手書きで取ってるから、
このメモを使って」
そう言って、小さなメモ帳と数本のペンが渡された。
「じゃあ、実際にダイニングに行って
一通りの流れを説明するね」
そうやって僕達はダイニングの方へと向かった。
テーブルは徐々にランチの人たちで埋まり始めていた。
僕と先輩が現れた途端、
多くの人の視線を受けた。
奥野さんが肘で僕を突きながら、
「ほら、皆見てるよ。
先輩も、赤城君もかっこ良いって言ったでしょ」
と冷やかしてきた。
「これ、皆先輩を見てませんか?」
僕がコソコソと奥野さんに耳打ちしていると、
先輩は早くもお客様に挨拶をしていた。
彼には余り人見知りとか、
恥ずかしがるとかいう機能が付いて無いらしい。
そう言うところは凄く見習わなくちゃと思うけど、
先輩を見ながらヒソヒソと内緒話をしている
女の子達にニコニコしながら
手を振っているところまでは見習おうとは思わなかった。
奥野さんもそんな先輩を見ながら、
「あ~、
先輩、受験生じゃ無かったら、
長期でバイト頼みたいところだわ~」
と悔しがっていた。
そうこうしながら、
僕達は一通りの説明を受けて、
早速実践へと入って行った。
奥野さんの叔父さんが経営するカフェには、
思ったよりも、沢山の人がやって来て、
ランチの時間はてんてこ舞いだった。
周りには沢山のビジネス街があるので、
そのせいもあると思う。
大学生らしき人達もかなり入っていた。
奥野さんの話によると、
何時もこんな感じのようだ。
余りにものお客様の多さに、
僕は注文をさばくのが一杯、一杯だったけど、
先輩はテーブルからテーブルへ、
まるで蝶が花から花へと移動するように、
スムーズに動き回っていた。
僕はヒーヒー言いながら、
「先輩って、カフェでバイトしたことあるんですか?
何故そんなスマートに動き回れるんですか?」
と尋ねてみると、
「う~ん、カフェでバイトしたことは無いけど、
絵画展で人から人へ話し掛けに行ったことは何度もあるね~」
と言われ、
「なるほど!」
と思ったけど、やっぱり先輩にとって
接客は天才肌だと思った。
それに、カフェに来た沢山の女の子達を上手に
手なずけ? ながら、先輩は何時ものように先輩節を利かせていた。
そんな先輩を感心して眺めていると、
僕は一人の男性に声を掛けられた。
彼はビジネスマンのスーツとは違い、
割とラフな格好で、
恐らく大学生かな? と言う様な感じだった。
「あの…… すみません」
そう声を掛けられ、
「はい!
何か追加注文でしょうか?」
そう僕が尋ねると、
「あ、すみません、
追加注文では無いいですが、
君の連絡先を聞いても……」
とその人が言いかけると、
矢野先輩がサッとどこからかやって来て、
「すみません。
家ではそのようなお誘いは禁止されていますので」
と、その人にお断りを入れた。
僕はいきなり何処からともなく
現れた先輩にびっくりしながら、
「え? そんなルールが?」
と尋ねようとしたら、
先輩が僕の腕を軽くつねったので、
あ~ここは話を合わせなくちゃと、
丁寧にお断りした。
僕にはあまり、興味が無かったので、
先輩の計らいにはどちらかと言うと、
感謝した。
そうしているうちに、
カフェでのバイトの時間が終わった。
カフェでのバイトは大変だったけど、
割と楽しかった。
「ねえ、家で夜ご飯食べてって!」
そう奥野さんが誘ってくれたので、
お言葉に甘える事にした。
「じゃあ、着替えたらカウンター席へ来てね」
そう奥野さんに言われ、
僕達は制服を着替えにロッカーまで行った。
エプロンのポッケトに手を突っ込み、
色々と押し込めていたものを取り出したら、
何と僕のボケットから、
5人のそれも全部男性から、
連絡先を書かれたメモが出てきた。
皆一体いつの間に
入れたんだろうとびっくりしていると、
それを見た先輩が、
「これは全部廃棄ね」
と言って、僕からメモを取り上げ、
全部ゴミ箱に捨ててしまった。
「先輩、それチョット失礼ですよ」
僕がそう言うと、
「駄目、駄目、こんなナンパみたいなの。
危ないでしょう?
声を掛けられても、
絶対返しちゃだめだよ!」
とお父さんみたいだ。
流石先輩と感心していると、
そう言う先輩のポケットからも、
8人の女の子の連絡先を書いたメモが
出てきた。
それを見た先輩は、
「ほ~!」
と言いながら、そのメモ達を、
自分のパンツのポケットに入れた。
僕はそれを見ながら、
先輩を指差して、
「💢💢💢」っとなっていた。
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