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第78話 目の前の矢野先輩
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携帯のバイブレーションが鳴って僕は、
どうしよう?
ここで開くわけにはいかないよね?
急に立ち上がったら皆変に思わないかな?
と思いながらも、
メッセージが見たくて、見たくて、
それが本当に佐々木先輩からだったのかも
確信は無かったけど、
「あ、ごめんなさい、
僕、ちょっとお手洗いに……」
そう言って席を立ち、
トイレへと急いだ。
チョットあからさまだったかな?
皆バイブレーションに気付いたよね?
今頃何か思ってるかな?
そう思いながらも、トイレへ駆け込み、
すぐさま携帯を開いた。
そこには、佐々木先輩からの
メッセージが入っていた。
僕は携帯を胸に抱きしめて、
宙を見上げ一つ深呼吸した。
そして携帯のメッセージを開いて、
ゆっくりと読み始めた。
「俺も会いたい。
凄く、凄く会いたくてたまらない。
本当は体育祭後のグラウンドから
お前を攫って行きたかった……
でも今夜は無理っぽい。
浩二と会う約束がある
浩二とは早くけじめをつけたいから……」
という返答に少しドキッとした。
先輩が僕を何時も優先してくれることが嬉しかった。
それに先輩は僕の欲しい言葉を何時も言ってくれる。
まるで僕の事が100%分かっているように。
でも……
矢野先輩はそのことについては
何も言ってくれなかった。
もう既に佐々木先輩と
会う約束をしているなんて知らなかった。
一体二人はどんな話をするのだろう?
佐々木先輩がこの後
時間が無いと言うのは分かったけど、
でも僕は凄く、凄く、
何故だか無性に先輩に会いたかった。
「少しでも顔を見ることは
出来ませんか?」
僕は精一杯のお願いをしてみた。
暫くの沈黙があった後、
先輩が尋ねた。
「浩二……
そこに居るんだろう?」
僕は更にドキンとした。
何と答えればいいんだろう?
「あの……
確かに先輩は来てますけど、
僕、今おトイレに隠れていて……」
そう言った途端、
先輩は爆笑マークを僕に送った。
それが何だか微笑ましくて、
見た途端何だか安心した。
「先輩も絵文字使うんですね」
と返すと、
「お前とのやり取り始めて覚えた」
と返って来たので、
何だかくすぐったかった。
「あの……
矢野先輩と会った後、
ラインで顔を見て話せますか?」
思い切って聞いてみたけど、
先輩の答えは
「何時になるかわからないぞ?」
だった。
今夜はもう無理かな?
と思い始めて居た時、
「お前、ちょっと出て来れるか?
コンビニに行くとか何とか云って」
と先輩が聞いてきたので、
「出来ます!」
と僕は直ぐに答えた。
「お前の家、公園の近くだよな?」
「そうです。
公園の南口です」
「じゃあ、南口に行く。
付いたらメッセージ送るから、
そうしたら出て来い!」
「メッセージ待ってます!」
そう言って僕はドキドキとしながら
会話を終えた。
シンクの鏡をみて、
少し火照った顔に水を掛けて
顔の熱を覚ました。
そしてトイレから出ると、
ドアの前に矢野先輩が立っていた。
僕は先輩のそこに立つ姿を見て、
また違った意味でドキッとした。
どうしよう?
ここで開くわけにはいかないよね?
急に立ち上がったら皆変に思わないかな?
と思いながらも、
メッセージが見たくて、見たくて、
それが本当に佐々木先輩からだったのかも
確信は無かったけど、
「あ、ごめんなさい、
僕、ちょっとお手洗いに……」
そう言って席を立ち、
トイレへと急いだ。
チョットあからさまだったかな?
皆バイブレーションに気付いたよね?
今頃何か思ってるかな?
そう思いながらも、トイレへ駆け込み、
すぐさま携帯を開いた。
そこには、佐々木先輩からの
メッセージが入っていた。
僕は携帯を胸に抱きしめて、
宙を見上げ一つ深呼吸した。
そして携帯のメッセージを開いて、
ゆっくりと読み始めた。
「俺も会いたい。
凄く、凄く会いたくてたまらない。
本当は体育祭後のグラウンドから
お前を攫って行きたかった……
でも今夜は無理っぽい。
浩二と会う約束がある
浩二とは早くけじめをつけたいから……」
という返答に少しドキッとした。
先輩が僕を何時も優先してくれることが嬉しかった。
それに先輩は僕の欲しい言葉を何時も言ってくれる。
まるで僕の事が100%分かっているように。
でも……
矢野先輩はそのことについては
何も言ってくれなかった。
もう既に佐々木先輩と
会う約束をしているなんて知らなかった。
一体二人はどんな話をするのだろう?
佐々木先輩がこの後
時間が無いと言うのは分かったけど、
でも僕は凄く、凄く、
何故だか無性に先輩に会いたかった。
「少しでも顔を見ることは
出来ませんか?」
僕は精一杯のお願いをしてみた。
暫くの沈黙があった後、
先輩が尋ねた。
「浩二……
そこに居るんだろう?」
僕は更にドキンとした。
何と答えればいいんだろう?
「あの……
確かに先輩は来てますけど、
僕、今おトイレに隠れていて……」
そう言った途端、
先輩は爆笑マークを僕に送った。
それが何だか微笑ましくて、
見た途端何だか安心した。
「先輩も絵文字使うんですね」
と返すと、
「お前とのやり取り始めて覚えた」
と返って来たので、
何だかくすぐったかった。
「あの……
矢野先輩と会った後、
ラインで顔を見て話せますか?」
思い切って聞いてみたけど、
先輩の答えは
「何時になるかわからないぞ?」
だった。
今夜はもう無理かな?
と思い始めて居た時、
「お前、ちょっと出て来れるか?
コンビニに行くとか何とか云って」
と先輩が聞いてきたので、
「出来ます!」
と僕は直ぐに答えた。
「お前の家、公園の近くだよな?」
「そうです。
公園の南口です」
「じゃあ、南口に行く。
付いたらメッセージ送るから、
そうしたら出て来い!」
「メッセージ待ってます!」
そう言って僕はドキドキとしながら
会話を終えた。
シンクの鏡をみて、
少し火照った顔に水を掛けて
顔の熱を覚ました。
そしてトイレから出ると、
ドアの前に矢野先輩が立っていた。
僕は先輩のそこに立つ姿を見て、
また違った意味でドキッとした。
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