龍の寵愛を受けし者達

樹木緑

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新しい仲間

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「え~っと……

パンが3斤と……
スライスしたお肉が2袋……
果物が2袋……と……
チーズにトマトにレタスに……

他には何かあったっけ?」

そう言ってセシルが、
早朝にマーケットから買って来た荷物を僕の前にドサっと下ろした。

「あれ? 水もって言ってなかったっけ?」

水袋が見当たらなかったのでそう尋ねると、

「そうそう、お水……」

そう言って自分のストレージから水の入った袋を取り出し始めた。

「重いでしょ? そのまま入れておけば良いのに」

セシルが買って来たものを僕のストレージに投げ込みながらそう言うと、

「だって、私のストレージはもうギチギチなんですもの!」

そう言ってセシルは取り出した5つの水袋をドスンと床に下ろした。

「う~ん、これだけで足りるかな?

結構南に下ってきたから昼間は結構気温が上がり始めただろ?

これからは更に南に下るし……」

そう言いながら水袋を
ホイホイとストレージに投げ入れるとセシルは

“う~ん”

と考え込んだようにすると、

「私もそう思ったんだけど、
お店の人が半日もあれば山は越えれるし、
山を越えたら帝都まで村や町が広がってるから
5袋あれば十分だって言ってたんだけど……」

そう言ってローティの寝ているベッドの方へと歩いて行くと、

「ローティ! 早く起きて!

ギルドに行く時間よ!」

そう言ってローティを揺り起こし始めた。

ローティは寝ぼけたように目を開けると、

「もう時間か?」

そう言って

“ファ~”

っと欠伸をした。

セシルはローティの防具を持ってくると、

「ほら早く着替えて!

せっかく見つけた冒険者達を待たせたら悪いわよ!」

そう言って防具をローティの上に落とした。

「ギャッ! 全く乱暴な女だな」

そう呻き声をあげて起き出すと、

「俺、未だに思うんだけどさ、
昨日契約した冒険者達、本当に大丈夫かな?」

そう言い出しながら防具をつけ始めた。

ベッドから起き出したローティと入れ違いでベッドに腰を下ろしたセシルは、

「私もそこは同意見!

自分達の事強いって思ってるっぽいけど、
どっちかと言うと勘違い野郎って感じなのよね?

ねえ翠、貴方はどう思う?!」

そう言ってセシルが僕の意見を求めてきた。

「いや、どう思う?って言われても……

彼らしか予定の空いてる冒険者居なかったし、
護衛をつけるのは必須だったからね~

御者が認めたからいいんじゃ無いの?」

そう言って一息ついた。

確かに昨日彼等に会った時は、
森を抜けた時に雇った冒険者のような安心感は覚えなかった。

戦士と魔法使いと僧侶の3人組で、
僕達よりも戦える人が多い分有利ではあるけど、
戦士の付けている防具はハッキリ言ってローティの方がレベルが高そうだ。

“やっぱり鑑定しておくべきだったか?!”

やっと見つけた護衛冒険者だった為、
安堵の方が大きくて、その他の確認を怠っていた。

帝都でルーを拾ってサンクホルムへの道を急いだ仇が返ってきた、
というところか……

もしかしたら本当に僕の杞憂かもしれない。

そう自分に言い聞かせても、
考えれば考えるだけ、
昨夜挨拶をした冒険者達の間抜けさがクローズアップされる。

“今更ごちゃごちゃと言っても仕方がない……”

そう思うと、
グッと気合を入れて

「準備は良い?

そろそろ行こうか?」

そう言って寝室のドアを開けた。



“カラン”

とベルが鳴リ響くギルドのドアを潜ると、

“支度金のおかげで昨夜は久々に美味い肉が食えたよ”

とか、

“暫くは遊んで暮らせそうだな”

とか、

“久々に防具がアップグレード出来たよ!

これでゴブリンから逃げなくても良いぞ!”

などと話す冒険者の声が聞こえて来た。

“やっぱり思った通りか……”

そう思っても今更キャンセルなんて出来ない。

セシルとローティにはおそらく聞こえてなかったと思うけど、
僕は視聴覚を強化する事ができるせいで、
遠くの音を拾ったり、
遠くの物が近くに見えるたりする事が出来る。

“仕方ない……いざという時は……”

そう思ってギルドの中へと進んでいった。

僕は幼い頃から父さんに魔獣狩りに連れて行かれていたので、
レベルは2人に比べると雲泥の差で高い。

恐らく今まで雇った冒険者よりも高い。

まだ僕の全てを明かすのは留めておいたせいで、
その事はセシルもローティも知らない。

僕は真っ直ぐ冒険者達の所まで進んでいくと、

「おはようございます。

早朝からありがとうございます!

今日はよろしくお願いします」

そう言って挨拶した。

セシルとローティも僕に続けて、

「今日は宜しく」

と挨拶をしていた。

冒険者達は自分の胸を自信満々にドーンと叩くと、

「危険な事は俺たちに任せてくれ!

なんと言っても俺たちは強いからな!

山賊なんてすぐに蹴散らしてやるさ!」

そう言って僕達を安心んさせるように言い切った。

でもその後お互いにボソボソと、

“まあ、山賊なんて此処数年一度も出たという話は聞いた事がないから
今回も出ないだろう。

もしかしたら人知れず討伐されているのかもな!

俺たちもついてたよな!

こんな楽な仕事に5万セロンも貰えるなんて、
俺たち冒険者やめて用心棒になるか?!“

そんな事をお互いにニヤニヤと話していた。

“あ~コイツらの言うようにどうか山賊が出ませんように~”

そう頭の中で繰り返していると、

「あ、馬車が来たようね。

さあ、行くわよ!

今夜は帝都ね!」

そう言ってセシルが我先にとギルドのドアを開けた。

僕達もセシルに続いてギルドを出ると、
ギルドの前に着けた馬車に乗り込んだ。

すると横から、

「あ……あの……すみません!」

そう言って声をかけて来た人が居た。

“接客係”

のセシルがすぐに、

「はい? 何でしょうか?」

と応対した。

「あの……あなた方はもしかして帝都に行かれるのでしょうか?」

声をかけた人がそう尋ねると、

「ええ、そうだけど?」

そう言ってセシルが答えた。

するとその人は袋を差し出して、

「すみません! 

僕達、今はこれだけしか持ち合わせがないんですが、
僕とパーティーメンバーである彼女を
山を越えた麓の村まで同車させて頂けませんか?!」

そう言って同車を願い出て来た。

セシルが僕達の方を見ると、

“どうする?”

と目で尋ねて来た。

僕とローティが

“セシルが決めて”

と言うように目で合図すると、
セシルは差し出された袋を押し戻して、

「それは取っておきなさい。

貴方達に取っては必要な物でしょう?

さあ、遠慮しないでいらっしゃい」

そう言ってその人達を馬車に誘った。

「ありがとうございます、ありがとうございます!」

ペコペコとこれでもかと言う程頭を下げながら
2人が馬車に乗り込むと、馬車はゆっくりと走り出した。

途端、セシルはいつものように世間話に花を咲かせていた。

「ねえ、ねえ、貴方達、帝都には何をしに行くの?」

セシルが同乗して来た2人に尋ねると、

「あ、自己紹介が遅れて申し訳ありません。

僕はジュジュと言います。

彼女は僕の妹でリアと言います」

そうジュジュが言うと、

「まあ、貴方達兄妹なのね。

私はセシル。

こっちが翠に向こうがローティよ。

冒険者で私達はパーティーを組んでるの!」

セシルもそうやって自分達の事を紹介した。

ジュジュは僕達が冒険者だと言うと、

「冒険者ですか……

良いですね……」

そう言ってホ~っとしたようにため息をついた。

「なあに? 貴方も冒険者になりたいの?」

セシルがそう尋ねると、

「実は僕達、冒険者になりたくて家を出たんです……

ですが……」

そこまで言って黙りこくった。

「どうしたの?

冒険者にはなれなかったの?」

セシルが心配したようにそう尋ねると、

「いえ、冒険者にはなったんですが……

実はこの町で冒険者になろうと生まれ育った村を出て来たんですが、
ここまで来て問題が……

そう言って又黙り込んだ。

「え? 貴方達、この町の出身じゃ無いの?」

セシルがそう尋ねると、

「いいえ、実はこの山を超えた麓にある村が出身で……」

そう答えたので、

「え?! 貴方達、わざわざ山を超えてこの街に来たの?!

何故帝都では冒険者にならずに山を超えて?!」

とセシルがビックリして尋ねた。

「実を言うと、村に滞在していた冒険者パーティーが、
仲間にしてやるからって一緒にこの町に来たんですが、
僕達を残してダンジョンに潜ったまま帰ってこなくて……

ストレージ持ちがいたから、
僕達の荷物もお金も全部預けていたから身動きが取れなくて……

妹とは何とかギルドで冒険者登録して
簡単なクエストでその日その日を凌いできたのですが、
待てど暮らせど冒険者達は帰ってこなくて……」

そう返すと護衛冒険者がケッとしたように笑って、

「お前達騙されたんだよ。

その冒険者はダンジョンになんて潜ってないさ。

今頃はとんずらしてお前らの荷物を売った金で遊び呆けてるよ」

そう言うと、セシルはキッとしたように護衛冒険者を睨んで、

「ねえ、ジュジュ達は他の人とパーティーを組もうとは思わなかったの?」

そう尋ねた。

「いえ、それも考えたのですが、
最初の経験がトラウマになっていたせか、中々良い出会いがなくて……

それで悪いとは思ったのですが、
あなた方が帝都に行くと話していたのが聞こえてこれはチャンスだと思い、
もしかしたら村に帰れるかもとこんな無理なお願いを……」

ジュジュはそう言ってシュンとした。

セシルはいつもの悪い癖が出たのか、
ジュジュの手を取ると、

「貴方達、冒険者にはなったんでしょう?!

それで? 貴方の職種は?!」

と尋ね始めた。

一瞬ジュジュはビックリしていたけど、

「私は魔法使いですが……未だ何に特化した魔法使いなのかは分からなく、
現在は小さな火の玉のみが使えるくらいで……

それに妹は召喚士です……がこれも何を召喚できるのか未だ分からなくて……

だから2人で攻略することも出来ずに
未だレベルは8なんです」

そう言うや否や、

「貴方達! 諦めて村に帰るのは辞めましょう!

ご両親には冒険者になるって言って出て来たんでしょう?!

だったら立派な冒険者になりましょう!

そうよ、そうよ! 

私達達と一緒に帝都に行って、
帝都のギルドでパーティー登録しましょう!」

目をキラキラさせてそう言うと、
今度は僕とローティを見て、

「ねえ、貴方達も賛成でしょう?!」

そう言って同意を求めて来た。

僕とローティは互いに見合うと、
ローティは、

「俺も無理言って仲間に入れてもらった口だし、
セシルの決めた事には何も言わないよ」

そう言って僕の方を見た。

僕も肩を窄めると、

「どうせセシルは僕がダメだと言っても強行しちゃでしょ。

だったら良いんじゃ無いの?

でもさ、僕達帝都に寄った後はサンクホルムに行くんだけど、
それでも良いの?」

そう言ってセシルの方を見た。

セシルも

“忘れてた!”

と言うような顔をすると、

「そうそう、私達、訳あって帝都に寄ったら、
友達を拾ってその足でサンクホルムへ向かうんだけど、
それでも良いかしら?」

そう尋ねると、ジュジュもリアも、

「勿論です! 勿論です!

でも本当にいいのですか?!」

そう言ってウルウルとした目をして僕達を見た。

「良いのよ!

一緒に旅をしてレベル上げをしてダンジョン攻略しましょうね!」

そう言って盛り上がっていると、

「おい、おい、ダンジョン攻略なんてそう簡単には行かないぞ?

それに今レベル8か?

遠い道のりだな~

ま、夢は大きく、今が一番楽しい時期だな」

そう言って雇った冒険者の1人がニヤニヤとして僕達を見た。

僕は呆れたようにして彼を見たけど、
もう1人の冒険者が、

「そろそろ山道に入るから気を引き締めてな」

そう言って僕達に注意を促した。

でもジュジュが、

「あ、もしかして山賊の類ですか?

でもここ何年も山賊なんて出てませんよね?

魔獣もここには居ないし、
実際、僕達が町に来た時も何もありませんでしたよ?

逆に獣1匹見ませんでしたけど」

そう言って護衛の冒険者達がヒソヒソと話していた事と同じ事を言った。

僕は逆に

“獣1匹見ませんでした”

のセリフが気になった。

“山の中だと言うのに獣1匹居ないなんてそんなのおかしい……

僕は山の中で育ったけど、
あんなところに居たって獣はいた。

獣がいないとすればそれは誰かが日常的に狩っていると言う事で、
それも数人が食べる1匹、2匹では無く……

そう、もっと大勢の集団で生活する何かが……

いや、ここで言うと、誰かが……?”

そう思い、

「ねえ、この山って普段から獣は居ないの?」

そう尋ねると、

「いえ、獣は居るはずなのですが、
実を言うと周期的に獣達が居なくなるのです……

僕達はこの山の麓で育ったからその実態を知ってるけど、
恐らく旅人はそんな周期がある事なんて知らないんじゃ無いかと……」

ジュジュがそう言うと、

「それって……」

と、事の状況をいち早捉えた僕がすかさず尋ねた。

「実を言うと、家の村では、共同狩と言って、
村の食肉用に山へ獣を狩に行くんだ。

でも獣が出なくなる年が数年に一度は必ずあって、
そんな年は山賊が……
って確か大人達が言ってたような……って……あれ? え? え?」

ジュジュがそう言うと、

「そうだよね? これってその獣が居なくなる年なんだよね?」

と僕は確認を取った。

ジュジュも首を捻りながら、

「そう言われてみればそうですね……」

と言い始めたので冒険者達が、

「おい、おい、そんな冗談はやめてくれよ」

などと言い始めた。

僕は馬車からすでに山の中に入った景色を見ながら、

「今は未だ静かなものですが、
今回はどうやら気を引き締めたようがいいようですね」

そう言って皆んなの顔を見渡した。


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