龍の寵愛を受けし者達

樹木緑

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デューデューの誤算

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何とか兵達に気付かれずに
港街まで戻って来たアーウィンとマグノリアは、
人の多さに気取られながらも、
解決策を考えていた。

フッと先を見ると、
馬車が列をなして留まって居る光景が目に留まった。

「ほら、あそこに馬車を預ける所があるわ」

マグノリアが指を刺した先には馬車の停留所があった。

「取り敢えず馬車を預けて人混みに紛れましょう。

アーウィンはフードを深くかぶって。

此処でも赤毛はあなた以外見かけないわ」

マグノリアが転機をきかせてアーウィンにそう言うと、
アーウィンは翠の頭を優しく撫でながら、

「銀髪も此処では無い色だから、
翠もしっかりと頭までブランケットを被せて髪の色が見えない様に!」

アーウィンはマグノリアにそう言うと、
自分のフードを深く被った。

「どう? ちゃんと隠されてる?」

アーウィンはマグノリアにそう尋ねると、
マグノリアはアーウィンの頬を優しく撫でて、

「大丈夫よ。 髪は見えないわ。

できるだけ人と接する時はうつむき加減にはならないで。

きっと赤い髪が見えるのよりも怪しく感じるから。

人ってそこまで他人の顔はじっと見ないものよ。

それだけ隠せてれば少しチラッと見えても、
きっと誰も気にしないし、覚えてないわ。

ただ一つだけ、私達の事は偽名を使いましょう。

そうね……私の事はマギーで!

貴方の事はラルフと呼ぶわ」

とアーウィンにアドバイスをすると、
翠の顔を覗き込んだ。

翠は未だスヤスヤと眠っている。

「ホントこの子ってこう言う所はジェイドよね。

物怖じしないわね」

マグノリアはクスッと笑ってそう言うと、
翠をブランケットで頭深く包み直した。

二人は馬車を停留所へ預けると、
港町の人混みの中へと紛れ込んでいった。

「ほらね、誰も気にして無いでしょ。

じゃあ、お腹も空いたし、何処かの屋台でお昼ご飯でも頂きましょう!」

マグノリアはそう言うと、先立って良い匂いのする方へ
フラフラと歩み寄っていった。





その頃デューデューは街の中を飛び回りながら
地理的な事を学んでいた。

“………… う~む…………“

デューデューは少し唸ると、

”もしかして完全には逃げきれなかったか?!

宿という宿に兵達が配置されているな……

もしかして島から逃げるには、
この街に立ち寄るということがアーレンハイムには分かっていたのか?“

デューデューは街中を一通り見回ると、
郊外へと移動した。

”郊外へ来ると流石に宿の数もぐんと減るな“

デューデューは街の外堀を回る様に郊外をぐるぐると回ってみた。

“やはり此処にも兵達がいるか……”

街中と同じ様に郊外の宿にも兵たちは詰め合わせていた。

“この調子だと恐らく国中の宿という宿に兵が張り込んで居るな。

これは国境を越えたほうがいいかもしれないが……

もしかして国境付近にも兵が……

確か検問所は港を除くと南と東に一箇所ずつあったはずだな……

どれ……少しそこも調べてみよう”

デューデューはそう決めると、
速攻で南へ向けて飛んでいった。

この国は面積が小さいので南の検問所には直ぐに着いた。

“やはり此処も見張られているか……

帝国へ行かせないつもりだな…………」

帝国はこの南の検問所を出て南に下った所にある。

ただその間にもう二つばかりの大国とまではいかないが、
かなりの大きな国が構えている。

その二つの国を通ると、
その南に大きな森があり、
その南側が帝国になっている。

ただこの森は余り安全とは言わないが、
デューデューと一緒だとそこまで危険はないだろう。

だがアーレンハイムはアーウィンとマグノリアが
デューデューと一緒だと知っている。

この森を通って帝国に入ることも視野に入れているはずだ。

ただ、どうやってデューデューと共に
行動をしているかは知られていない。

今の所デューデューが姿を消すことまでは気付いていない様だ。

だが先のマーケットでの忽然と姿を消した事に、
アーレンハイムは疑問を抱いている。

デューデューにはそれら全てが分かっていた。

“う~む……

南回りは森があるおかげで逃げやすいが、
アーレンハイムの感の良さを思うと得策とは行かないかもしれない……

どれ、東の検問所も訪れてみよう”

デューデューはそう思うと、
直ぐに東へ向けて飛び立った。

“矢張り此方も手は打ってあるか……

用意周到な奴め……

だがこれだけの短時間で
此処までやって退ける能力と権力が奴にはあるという事か……

そうだな、奴は王宮騎士団で団長を務めていた奴だったな……

それに国一番の騎士とも謳われていたし……

まあこれが妥当な策だな……

では私達はその裏の裏をかいて進まなければ……

よし、隣の国々も見て回ろう…………
兵達が騒いでないところを見ると、
アーウィン達は無事だろう。

恐らくもう兵達に気付いて何か策を取っているはずだ。

遅くならないうちに調べて戻って来よう”

デューデューはそう思い立つと、隣国へ向けて飛び立った。

“そうだな……

先ずは帝国への中間を調べてみよう”

そう思い、また南へ向けて旋回した。

“流石に小さな国だな……

もう国境を越えたか……

この壁が無ければ密出国出来るのだが……”

この国の周りは高い壁に覆われ、
簡単には密入出国できない様になっていた。

“馬車を捨て置き密かに夜中に壁を越えるか?

隣の国にさえ行ければ何とかなるかもしれない。

馬車は後で回収するとして……”

デューデューはそんな事を考えていた。

だが街が見え始めた時、その考えは打ち砕かれた。

“此処にも兵はいるのか……

馬車を捨てて夜中に抜け出しても此処には留まれないな。

だとすると、馬車を捨て置くのは、ちと考えものだな……

これでは八方塞がりだな……

と言うことは……

恐らく次の国にも兵は居るだろう……”

そうは思ったけど、
隣の国へもいってみる事にした。

でも、隣の国に着くなり、

“あ……この国はヤバいな…………

入ることが出来ない……”

デューデューはその国が他の国とは違う事に直ぐに気付いた。

その国の周りは森の魔獣が度々襲うせいか、
前の港町がある国よりも
頑丈で高い壁に囲まれていた。

そして国自体は魔物の侵入を防ぐ結界がはられていて、
空からの攻撃が有ると、
結界に触れただけで大きな音を出す仕組みになっていた。

“真夜中の侵入防止だな……

うーん壁にも防御か……

検問所は…………矢張り結界が張られているな……

人は問題なく通れる様になっているのか?

ん? あれは……“

丁度その時、検問に差し掛かった若者が居た。

そしてその若者が引き連れていたのは魔獣だった。

“冒険者風の者だな。

ハンターのテイマー職か?

そう言えばこの国には大きなギルドがあったな……

さて? あの魔獣はどうやってこの検問を抜けるのだ?”

デューデューは注意深くその者が検問を抜けるのを眺めていた。

するとその者は、スクっと魔獣を抱き抱え上げると、
門番が立ち上げたスクリーンに向かってピッと身分証明を翳すと、
スタスタと向こう側へ歩いて行った。

”成程……

あそこを通る人間に触れていればいいのか……“

デューデューが検問を見渡すと、
数人の冒険者風の者達が順番を待って並んでいた。

”どれ……これまで試したことはないが、
何処まで小さくなれるのか挑戦してみよう……“

デューデューはそう思うと、
思考を小さくなる事に集中させた。

『シュルシュルシュル』

と縮んだ体は、
蝶々くらいの大きさになると、
その進行を止めた。

”なんだ、私もやればできるではないか!

新しい発見が沢山だな。

だが、これでうまく飛べるか……”

そう思うと、ヒラヒラと蝶々の様には行かないが、
パサパサと普通に飛ぶことが出来た。

“矢張り体が小さいから早くは飛べないな……

これで人の肩に乗れば気付かれるだろうか……?”

デューデューが検問を待つ人々のラインを見ると、
丁度三番目の順あたりに重騎士らしき者が見えた。

“おお、これは都合が良い!

アイツの肩に乗れば上手く行くと気付かれないかもしれない”

デューデューはそう思うと、その重騎士目指してパサパサと飛んでいった。

重騎士には仲間がいた様で、
何やらワイワイと仲間と楽しそうに話をしていた。

“よし、此奴が話に気を取られている間に!”

デューデューはそう思うと、
注意深くそっと、そして優しくその肩に舞い降りた。

楽しく話をしていた重騎士が一瞬、

『ん?』

とした様にしてデューデューが留まった方を見下ろした。

そして手で肩を払うと、

“気のせいか?”

と言う様にまた仲間と話をし始めた。

その時デューデューは、
いきなり肩に置かれた手に慄いて一歩下がったが、
すんでの所で重騎士はデューデューのいた場所をミスした。

“今のは危なかったな……

しかしこんなにドキドキとする事を体験する日がやってくるとはな”

デューデューははそう思うと、
気を引き締め直して、

“さて今度はちゃんとこの者の肩に乗ったまま検問を無事通過できるかだな”

そう思うと、又ドキドキとして来た。

“私も人間臭くなったものだな”

そう思っていると、彼らの順番がやって来た。

冒険者達は一人一人検問所役員の質問に答えていくと、
身分証明証をスクリーンに掲げる様に求められた。

一人一人がスクリーンに証明証を掲げていくと、
次々に

『ピッピッ』

と証明証が認められて行った。

“いよいよか……

もしもと言う時は逃げるだけだ……

だがこの体で上手くいくか……”

気を引き締めて重騎士が結界を抜けるのをじっと息を呑んで忍んでいると、

「は~やっと入国出来たな。

それにしても長く待っていたから疲れたな。

早速宿へ行って飯にでも行こうぜ」

仲間の掛け声に、

「そうだな。

明日は早速魔獣討伐となるから、
飯の後はギルドによって冒険者登録をしよう。

そして今のうちにゆっくりと休んでいよう」

そう重騎士が答えた。

デューデューは周りを見回すと、
既に検問所から通り抜け、
飯屋の近くまで来ている事に気付いた。

デューデューはそっと重騎士の方から離れると、
空中高く向かってパサパサと飛び立った。

“よし、サイレンは鳴って無いな。

誰にも気づかれていないし、
私はついにやったのだ!”

そう思いながらガッツポーズをした様に辺りをパサパサと飛んで居ると急に、

『ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ』

と、けたたましくブザーが鳴り響いた。

その音にビックリしたデューデューは周りを見回し、

“私か?! 矢張り潜入は失敗だったのか?!”

そう思いながら、そばにあった木の枝に降り立つと、
街中がざわめき始めた。

“大丈夫だ。

私はお前達を襲ったりしない。

暫く此処で静かにしていよう。

きっと誤作動で事は静まるはずだ”

デューデューが余裕でそんな事を思って居ると、
先ほど肩に乗って来た重騎士パーティーの一行が飯屋から飛び出して来た。

“お前達も心配して飛び出て来たのか。

だが心配するで無いぞ。

きっと私に反応したのだ。

私は此処に居るから心配するで無い”

呟いて一行を見つめて居ると、
段々と冒険者らしき者達が集まり始めた。

よく見ると、騎士達も集まり始めて居る。

“なんと大袈裟な奴らだ……

良い良い、納得するまで調べるんだ。

そのうち誤作動だったと分かる。

とんだ無駄骨だったな”

デューデューが

『うん、うん』

と頷いて居ると、何処かから、

「南の森から魔獣達が押し寄せて来た!

戦える冒険者達は直ぐに南の検問所へと急ぐんだ!

既に北と東の検問所は封鎖された!」

と叫ぶ声がして来た。

その情報にデューデューは

“なぬ?! あのブザーはもしかして私では無かったのか?!

それでは私の侵入は成功していたと言う事だな!“

そう思って喜んだのも束の間、デューデューは大変な問題に気付いた。

”待てよ……検問所が封鎖されたと言う事は……

もしかして私はこの国に閉じ込められたのか?!”

急いでアーウィンとマグノリアの所へ帰られなければいけなかったのに、
何とデューデューはこの国に閉じ込められてしまった。

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