龍の寵愛を受けし者達

樹木緑

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アーウィンとの出会い

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僕は抜き足でそっと寝室のドアを開けた。

途端、

「殿下、どちらに行こうとされてるのですか?!」

そう言って護衛、いや、どちらかと言えば、
見張りの騎士が僕の前にはばかった。

「! なんで居るの?!」

普段城にある僕の寝室に護衛は付かない。

でも、叔父上が城にこられる時は例外だ。

僕がよく抜け出すから。

「マギーですね」

そう言って項垂れると、

「殿下!
また抜け出そうとしましたね!

今日は礼儀作法の練習があると言われたではありませんか!

そのあとはダンスの時間ですよ!」

と、般若の様な顔をしたマギーが騎士の後ろに立って居た。

「だって今日は叔父上が登城される日ですよ!

叔父上に剣を学ぶ、またとない日なんです!」

と言うのは本当は建前で、
叔父上に剣を学ぶと言わなければ、
騎士団の稽古場に連れて行ってもらえない。

「殿下……

殿下が剣のお稽古に行きたいのは、
アーレンハイム公に会うためだけですよね?

剣の練習なんて本当はして居ませんよね?!」

そう言ってマギーがジリジリと詰め寄ってきた。

「ひっ!」

マギーを怒らせると怖いところがある。

「ほら、剣の稽古を見るのも稽古だって言うし、
見てて学ぶことだって…… アハハ……無いですか?」

そう言って誤魔化そうとしてもマギーの目は誤魔化せない。
なんてったて、彼女は生まれた時から僕の世話をして居る。
僕の本当の母は、僕が生まれた後直ぐに亡くなられたので、
言わば、第二の母の様な人だ。

「殿下がちゃんとお勉強してくれさえすれば、
私は何も文句はないんですよ?

殿下はアーレンハイム公が絡むと
周りが見えなくなるからですね、
とても危ういんです。

もっと、自分をコントールする術を身につけてくださいね。

歴史には、女に入れ込んで身を滅ぼし、
国を滅ぼしたバカな王がたくさん居るんですから!

アーレンハイム公は女性ではありませんが、
殿下のアーレンハイム公に対する感情と行動は、
殿下が大人になった時に
そのまま女性に移行するかもしれないんですよ?!

殿下は愚かな王となって国を滅ぼしたいのですか?!」

全くマギーも容赦ない。

5歳児を捕まえていったい何のことを言っているのやら……

でも彼女は僕が絶対的な信頼を寄せる僕のメイド頭だ。

「分かったよ…… でも、お勉強とダンスの時間が終わったら、
ちゃんと訓練場に連れて行ってね!」

そう言うと、マギーは

「ハイハイ」

と言いながら身支度を手伝ってくれた。

「朝食が出来てますのでここまで運びましょうか?」

マギーのその問いに少し考えて、

「父上はもう朝食はお済みですか?」

と尋ねた。

「陛下とご一緒が宜しいですか?

でしたらお急ぎになられないと!

陛下は先ほどテラスの方にと朝食をお運びになられましたよ?」

その言葉に僕はテラスに向けて走り出した。

「あ、殿下!

今日は紹介したい人が!」

そうマギーが叫ぶのを後に、

「じゃあ、テラスまでお願いします!」

そう言い返して、僕は急いで中庭を突き抜けて
父王のテラスへと辿り着いた。

父のテラスは父の寝室から連なるサンルームの様になって居る。

決して大きくはないが、
植物が大好きだった母の為に父が作った物だ。

今では父は良くここで朝食をとって居る。

“ハアハア”

吐息を切らしてサンルームの戸を開けた。

「父上! ご一緒に朝食を頂きましょう!」

大声で父に聞こえるように駆け寄ると、

”クスクスクス”

と言う小さな込み上げた様な笑いが聞こえてきた。

途端に僕の顔が笑みを讃えた。

「叔父上!

いらっしゃってたんですか?!

叔父上もご一緒に朝食をどうですか!」

たちまち僕の憂鬱な朝が薔薇色に変わった。

「殿下は今日もお元気ですね。

お勉強の方は如何ですか?」

柔らかいその声に僕の顔が緩みそうになった。

まさか部屋を抜け出して叔父に会いに行こうとしたことを
マギーに捕まったとは言えない。

「エヘヘ~ この後行儀作法とダンスのお時間です!」

そう言うと叔父は感心した様にして、

「殿下は勉強熱心ですね!

8歳の社交会デビューも怖い物無しですね」

とは言ったが、僕にとってはグッと身が縮まった思いがした。

この国では8歳になると貴族達の社交界デビューが始まる。

言わばお家同士の結婚相手探しだ。

僕にもきっと婚約者なる人が与えられるのだろう。

僕は結婚なんてしたくない。

すっと叔父のそばにいたい。

そう思いながら叔父のところに近づいた。

叔父と話をしてる間にマギーも僕に追いついたのか、
後ろから彼女の声がしてきた。

「殿下、陛下と公爵に朝のご挨拶はすんだのですか?!」

“ヒッ”

まだ終わって居なかった。

叔父のサプライズの在籍に心躍り、朝の挨拶を忘れて居た。

「殿下、この調子では行儀作法のお時間を
延長してもらわないといけませんね」

「ちょ、ちょ、ちょっとまってよ。
今やるから!」

そう言うと、僕は中腰になって胸に右腕を置くと、

「父上、叔父上、
おはようございます。

今朝はご機嫌如何ですか?」

と朝の挨拶をした。

父上はこれまでの会話を
目を丸くした様にして見ていた様で、

「ジェイドは相変わらずだな~

言っておくが、ジュークとは結婚できないんだぞ?」

と揶揄った様にして笑った。

「ち…ち…父上!

叔父上は僕の尊敬する人であって!」

と顔を真っ赤にして言い訳をすると

「まあ、座りなさい」

と言った後で、

「その子がジェイドの?」

とマギーに向かって父が話しかけた。

後ろを振り向くと、マギーの隣に
僕とそんなに歳の変わらない男の子が立って居た。

マギーはその子に後ろをポンポンと叩くと、
その子は跪いて、

「アーウィンと申します。
神官見習いです。
この度、ジェイド殿下のお付きとなりました。
良きに計らいを」

そう言って挨拶をした。

僕にお付き、それも神官見習いの
お付きができるなんて聞いてなかったので、
びっくりした。

「お付き…ですか?

神官見習いの?」

「殿下、私から説明致しましょう」

そう言ってマギーが乗り出してきた。

「殿下、周りにはあまり知らされて居ないのですが、
陛下にも神官の御付きがいます」

そう言われて、

「え?」

と周りを見渡した。

その時父の専属騎士のダリルが
父のそばに立って居るのに気付いてギクっとした。

“そうか……父のご護衛騎士だったらいるよな。

まだ慣れないから気付かなかった“

でも今回は彼の視線にはこの間父の書斎で
感じた様な恐ろしさはなかった。

ただ、今日は僕の事を無視した様にして、
僕達の会話には関心をした様な素振りはなかった。

これまでの父の護衛騎士は歳は取って居たけど、
猛者として何度もこの国を危険から救った英雄だ。

彼は父が小さい時からの護衛だったので、
父は彼の事をとても慕って居た。

そして彼は僕の事をお爺ちゃんみたいな感じで、
すごく仲良くしてくれた。

そんな彼も今では引退し、
代わりにやってきたダリルは
僕の事を目の敵にして居る様なそぶりだった。

なぜか分からない。

なぜ彼が僕に敵対して居るのか……

そう感じるだけで本当は違うのか……

僕がダリルから目が離せないでいると、

「殿下? 聞こえてますか? どこを見てるんですか?

もしかして…… ダリル?

うーん、ダリルも公爵に見舞わずいい男ですが、

あ~ 私が今話している方はこの……ラルフで御座います」

ずっとマギーが声をかけていたのに、
僕はダリルの方をチラチラと見ていたのだろう。

「あー殿下?

私が紹介したいのはラルフとアーウィンであって……」

の言葉にハッとして、

「あ、済みません。
はい、ラルフは存じ上げて居ます。

良く父上の所でお会いしましたよね!

僕にも良くお菓子を下さったし!」

慌ててそう言うと、ラルフはニコリと微笑んで、

「はい殿下。

そう言う私も、神官で御座います」

との初めて聞く情報にびっくりしてしまった。

「あの…神官って神殿に居るものでは無いのですか?

なぜ僕たちのお付きとしてここに居られるのでしょうか?

僕はてっきりラルフは父上の政務のお手伝いをしている物だとばかり…」

「そいですね、殿下ももう5歳になられたので
知って居ても宜しいでしょうという事でアーウィンをおつれしました」

マギーにそう言われて、
ラルフとアーウィンの顔を交互に見た。

「まず殿下は神官とはどう言うものかご存知ですか?」

マギーのその問いに、

「僕が聞いているのは神殿を治める方々で、
中には癒しの力を持っている神官がいらっしゃると……

そう言う方々は神殿で癒しの術を行っているって……

知っているのはそのくらいなのですが……

済みません!

神殿に関しては無知同然んですね」

そう頭を下げると、向こうでダリルがクスッと笑った様な気がした。

チラッとダリルの方を見たけど、
彼は相変わらず澄まし顔で僕には関心が無い様にして居た。

少しダリルに対して苦手意識が出はじめた。

でもそんなことは横に置いといて、
マギーの言葉に耳を傾けた。

「そうですね、神官の中には、
稀に癒しの術を使える者がいますね。

彼らの力は聖龍に与えられたものとして、
国より重宝されて居ます。

それと稀に、ほんのごく稀に、
癒しと、毒や呪いを解呪する術を持つものも居るのです。

それが彼らです」

そう言われて、

「毒や呪いの解呪……」

そう呟き彼らの方を見た。

「これから殿下の食事前には必ずアーウィンが
解毒の術を行います」

そうマギーに言われ、

「えっ! 解毒?!」

とびっくりした。

「殿下、念には念をですよ。

怖がらせる訳ではありませんが、
殿下は陛下の後を継ぐただお一人の方。

何かあっては遅いのでですね」

毒とか呪いとか急に言われてもピンとこない。

”でもこれってきっと大切なことなんだ”

僕はアーウィンの方を向くと、

「分かりました。

アーウィン、よろしくお願いします」

そう言って僕はアーウィンに挨拶をした。

「じゃあ、アーウィンに最初の仕事をしてもらおうか」

父がそう言うと、
僕の目の前に朝食が運び込まれて来た。

するとアーウィンが僕の隣にきて、

「殿下、失礼致します」

そう言うと、僕の食事に向かって手をかざしたかと思うと、
手に先からキラキラと光る緑色の粉の様な光が僕の朝食を包んだ。

僕はその光景をただ目をパチパチとさせて見ていた。

「ホー、詠唱無しで……

将来が楽しみですな」

そう言った叔父の顔を見た。

「僕、魔法は初めて見たのですが、
無詠唱って珍しいのですか?」

そう尋ねると、

「うーむ、私も今まで無詠唱の魔法は見たことがありませんね」

そうラルフが答えた。

僕はアーウィンの手を取って、

「君、凄いんだね!

これから宜しくね!」

そう言うと、彼は照れた様にして、

「殿下に於いても、宜しくお願い致します!」

と返した。

その時僕は今まで感じたことのなかったような感情が湧き始めて居た。
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