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第16話 一夫多妻?の様な感覚
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“それにしても豪華なパーティーだな……”
見渡せば見渡すほど、
どれだけ光の家の格式が高いのかが分かる。
そう言った場で言い寄られる仁の家もそれなりのものはあるのだろう。
でも彼らを見た限り、
そう言った権力を振りかざしているような行動は見られない。
だからまさかこんな家の出だとは思いもしなかった。
そして仁もきっと……
「こう言った格式の高い場で伴侶の申し込みって、
一体仁の家って何をしてるの?」
何時かはわかるだろうけど、素朴な疑問を尋ねてみた。
「あれ? 言ってなかったっけ?
俺達、従兄弟っていうか、もう遠い親戚になるんだろうけど、
俺の高祖母が仁の曾祖父と兄弟なんだよ。
で、家は事業を発展させたんだけど、
向こうはずっと続く政治家さ。
それに佐々木家は芸能プロダクションとのコネクションもあるから、
芸能界とはそっち繋がりさ」
まあ、これだけの展開を見ると、
彼らが上級社会の出というのは予想していたけど、
実際に聞くとやっぱり尻込みをしてしまう。
家もα家系でどちらかというと裕福な方だけど、
頭脳家系なので事業主とは全然畑が違う。
もう何が出て来ても驚かないかもしれないけど、
聞かぬが仏と思った。
「君の家系って凄いね。
なんでも飛び出してきそう……
もう君の事業の内容は聞かないでおくよ。
聞いたら友達でいられなくなりそう……
身分の違いって本当にあるんだね~
まあ、君が身分で周りの人を選ばないのは十分わかったけど……」
そういうと光は涼しく笑っていた。
そして仁の居る方に向かって、
「おい! 仁!」
そう言って右手を上げると、
仁も相手方に一礼し僕たちの元へと走ってきた。
でも僕たちの所へやってくるなり、
文句のオンパレードだった。
「あのたぬき親父、
自分の娘と見合いしろだの何だの抜かしやがって!
あの狸親父だけじゃなく、
ここに来ると言い寄ってくる輩ばかりだよ。
茉莉花さんには悪いけど、
だからこんなパーティーには来たくないんだよ!」
そう言って吠えていると、
「こんなパーティーで悪かったわね!」
と茉莉花さんが仁王立ちで僕たちの後ろに立っていた。
僕はアワアワとしていたけど、
この二人は何のことは無い。
直ぐに光ママに向かってあれやこれやと言い始めた。
「お袋! なんであんなヤツをここに呼んだりしたんだよ!
それにアイツや、アイツも!
人の顔見れば、家の娘、家の娘って!
日本は一夫多妻じゃないんだ!
全く、俺はハーレムに住む王様じゃないんだぞ!」
とビックリした事に、
二人に言い寄っているのは一人や二人では無いらしい。
シングルの仁ならまだ分かるけど、
もう既に番がいて結婚している光もそうだと知った時は驚きを隠せなかった。
一体日本人の感覚って……
いや、アメリカにもいるのかも知れないけど、
只単に僕が今まで会った事が無かっただけなのかも……
もしかするとαである僕の兄さんは
そう言うこともあり得るのかもしれない……
今度電話した時に聞いてみよう、
そう思わせるような出来事だった。
それよりも陽向だ。
一体どんな心細い思いをしてテラスにいるんだろう……
こんな仕打ちが頻繁にだなんて、
僕だったら心が折れてしまうかもしれない。
でも僕の心配は無用で、
光はもう既にテラスの扉の所で、
向こう側にいるであろう陽向を見つけ凄くいい笑顔で微笑んだ。
途端扉の向こうから二本の腕が伸びて来て、
光の腰に回ったかと思うと、
その腕は直ぐに光を引き寄せて
光は倒れ込む様にテラスの方へと引き寄せられて行った。
見渡せば見渡すほど、
どれだけ光の家の格式が高いのかが分かる。
そう言った場で言い寄られる仁の家もそれなりのものはあるのだろう。
でも彼らを見た限り、
そう言った権力を振りかざしているような行動は見られない。
だからまさかこんな家の出だとは思いもしなかった。
そして仁もきっと……
「こう言った格式の高い場で伴侶の申し込みって、
一体仁の家って何をしてるの?」
何時かはわかるだろうけど、素朴な疑問を尋ねてみた。
「あれ? 言ってなかったっけ?
俺達、従兄弟っていうか、もう遠い親戚になるんだろうけど、
俺の高祖母が仁の曾祖父と兄弟なんだよ。
で、家は事業を発展させたんだけど、
向こうはずっと続く政治家さ。
それに佐々木家は芸能プロダクションとのコネクションもあるから、
芸能界とはそっち繋がりさ」
まあ、これだけの展開を見ると、
彼らが上級社会の出というのは予想していたけど、
実際に聞くとやっぱり尻込みをしてしまう。
家もα家系でどちらかというと裕福な方だけど、
頭脳家系なので事業主とは全然畑が違う。
もう何が出て来ても驚かないかもしれないけど、
聞かぬが仏と思った。
「君の家系って凄いね。
なんでも飛び出してきそう……
もう君の事業の内容は聞かないでおくよ。
聞いたら友達でいられなくなりそう……
身分の違いって本当にあるんだね~
まあ、君が身分で周りの人を選ばないのは十分わかったけど……」
そういうと光は涼しく笑っていた。
そして仁の居る方に向かって、
「おい! 仁!」
そう言って右手を上げると、
仁も相手方に一礼し僕たちの元へと走ってきた。
でも僕たちの所へやってくるなり、
文句のオンパレードだった。
「あのたぬき親父、
自分の娘と見合いしろだの何だの抜かしやがって!
あの狸親父だけじゃなく、
ここに来ると言い寄ってくる輩ばかりだよ。
茉莉花さんには悪いけど、
だからこんなパーティーには来たくないんだよ!」
そう言って吠えていると、
「こんなパーティーで悪かったわね!」
と茉莉花さんが仁王立ちで僕たちの後ろに立っていた。
僕はアワアワとしていたけど、
この二人は何のことは無い。
直ぐに光ママに向かってあれやこれやと言い始めた。
「お袋! なんであんなヤツをここに呼んだりしたんだよ!
それにアイツや、アイツも!
人の顔見れば、家の娘、家の娘って!
日本は一夫多妻じゃないんだ!
全く、俺はハーレムに住む王様じゃないんだぞ!」
とビックリした事に、
二人に言い寄っているのは一人や二人では無いらしい。
シングルの仁ならまだ分かるけど、
もう既に番がいて結婚している光もそうだと知った時は驚きを隠せなかった。
一体日本人の感覚って……
いや、アメリカにもいるのかも知れないけど、
只単に僕が今まで会った事が無かっただけなのかも……
もしかするとαである僕の兄さんは
そう言うこともあり得るのかもしれない……
今度電話した時に聞いてみよう、
そう思わせるような出来事だった。
それよりも陽向だ。
一体どんな心細い思いをしてテラスにいるんだろう……
こんな仕打ちが頻繁にだなんて、
僕だったら心が折れてしまうかもしれない。
でも僕の心配は無用で、
光はもう既にテラスの扉の所で、
向こう側にいるであろう陽向を見つけ凄くいい笑顔で微笑んだ。
途端扉の向こうから二本の腕が伸びて来て、
光の腰に回ったかと思うと、
その腕は直ぐに光を引き寄せて
光は倒れ込む様にテラスの方へと引き寄せられて行った。
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