【R18】幽閉returns

幻田恋人

文字の大きさ
上 下
6 / 15

幽閉returns ⑥アイツは死んだんだ…

しおりを挟む
またカニか…?

確かにくみの言う通り

ここら辺りにカニはいなかったはず

これだけ一度に見かけるのは

やはり変だ…

しかし、カニにおびえるというのは

くみの奴も少しおかしい…

やはり、あの事件をまだ…

あの娘は忘れられないのか

最近は明るく振舞っているから

私も女房も安心していたが

くみにとっては

忘れられない出来事だろうな

あれだけの体験をしたんだ

いや、させられたんだ

俺とくみで終わらせたが

アイツの存在が未だに

くみの心に影を落としているのか

悲しいが無理もない…

俺は刑事だったから

荒っぽい事件は慣れっこだったが

一般人のくみにとっては

一生一度でも出会いたくない

まわしい記憶になってしまった

何もかもアイツのせいだ

だが… もう終わった

アイツはくみ自身の手で

とどめを刺したんだ

そう、アイツは死んだんだ…

俺はヤツの残骸ざんがいを見た

ヤツの左腕と両脚の残骸だ

あれでは人間なら生きてはいまい

仮に生きてたとしても

半年った今でも

何も出来はしないだろう

そんな事は無いだろうがな

だからそれは心配ない

くみがカニに怯える事も

一時的なものだろう

また医者に連れて行こう

その日は店を休んだっていい

俺がついて行ってやらなければ…

あの娘は俺達の立った一人の娘なんだ

俺が一生かけてもまもってやる

現実的なものからも

くみの嫌な思い出からも

俺が命がけで護ってやるさ

そのために俺は刑事をめた

いつも、くみといるためにだ

もう、あの娘を離さない

俺達は親子だ

血のつながっただけじゃなく

命がけであの島を脱出した

同士でもある

あのサイコパス野郎を殺した事は

誰にも言ってない

これだけは女房にもだ

俺とくみだけの秘密…

正当防衛と緊急避難…

どちらも認められるだろう

だが、裁判で無罪となっても

あの娘の心の傷は

いやすことは出来ない

俺と女房との愛だけが

くみを癒してやれる

そう信じて暮らしている

三人で助け合って

そう、これからも…

だから気を付けなければ

くみの様子には…

カニなんかに怯える事のない

昔の明るかったあの娘に

俺達が戻してやらねば

全てを投げ出しても

私達のくみだけは

必ず…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...