ニケ… 翼ある少女

幻田恋人

文字の大きさ
上 下
32 / 41

番外編「せーぎのみたかのにけちゃん④ レッドとブルー」

しおりを挟む
今日はレッドとブルーをれてお散歩なの

えっ、何それって?

レッドとブルーは私のお気に入りのペット

祖父じいちゃんの打った式神しきがみ狛犬こまいぬなのよ

ブルーは青い狛犬こまいぬ

レッドは赤い狛犬こまいぬ

大きいけど人懐っこくて可愛いの

優しくって大人しいんだけど

力が強くて番犬にもピッタリ

このあいだBERSバーズをやっつけたわ

私の言う事なら何でも聞くのよ

ブルーは攻撃型でレッドは防御が得意

HybridハイブリッドBERSバーズだって怖くないのよ

二頭がいれば怖い物なんてないわ

「にーけちゃーん!」

ギクッ! あの声は…

そうっと振り返って見る

はあぁ… やっぱり… チビくみ…

「にけちゃん、そのいぬなあに?」

「これはね、狛犬こまいぬって言うのよ」

「ふうん、こまいぬ… なまえは?」

「レッドとブルーって言うのよ」

チビくみはレッドとブルーの前に立った

「レッド、おすわり!」

お…おすわりって…

あっ、レッドがすわった…

「ブルー、ちんちん!」

もう、ブルーったらやらないでいいの…

「レッド、おて!」

「ブルー、おまわり!」

うわ… 二頭とも全部やってる…

「も、もういいわ… くみちゃん…」

あんた達もやらないの!

「おねえちゃん達、急いでるの。じゃあね…」

私はチビくみに手を振って

「レッドにブルー、行くわよ!」

キコキコキコ…

チビくみがついて来る

「にけちゃん、レッドとブルーわたちにちょうだい!」

また始まった…

「くみちゃん… 無理!」

私と狛犬こまいぬ達は走って道の角を曲がった

「まってー、にけちゃーん!」

キコキコキコキコ!

「にけちゃん、みつけた。あれ、レッドとブルーは…?」

私は手に持っていた折り紙をくみちゃんに見せた

「はい、これ。レッドとブルーよ。」

赤と青の犬の形をした折り紙…

「なによ、これ。バカにちないで!」

くみちゃんは折り紙を手ではたき落した

「にけちゃん、きらーい!」

キコキコキコ

くみちゃんは三輪車で去って行った。

ホントにあなた達なのにねえ

レッドにブルー…

私は折り紙に戻った式神しきがみ達を拾い上げた。

くみちゃんはHybridハイブリッドBERSバーズより苦手だわ…

気を付けて散歩しようね

私の大切なレッドとブルー。

またお祖父じいちゃんにお願いして式を打ってもらうから

一緒に散歩しようね♡
しおりを挟む

処理中です...