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番外編「がんばれ、せーぎのみたかのおねえちゃん」
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女の子は必死で手を伸ばしていた。
3~4歳といったところか
彼女が手を伸ばす先には
子猫が下の階の窓に引っ掛かっていた。
「うーん… だめ、届かない…」
もがきながら必死で登ろうとする子猫
爪でかろうじて引っ掛かっているだけだ
もがくと余計に落ちそうになる
「ダメ、猫ちゃん!」
女の子の見ている真下で子猫は力尽きて落ちた
「あーん! 猫ちゃーん!」
窓の前にへたり込んで泣きじゃくる女の子
するとどうだろう
子猫が窓の下から浮かんで来た
「はい、子猫ちゃんの落とし物」
窓から子猫を差し出して顔をのぞかせたのは
銀の仮面をかぶった中学生くらい(?)の少女だった
どうなっているのだ…?
この階は高層マンションの15階にある部屋なのだ
銀の仮面の目の部分から覗いた美しく青い瞳が
優しそうに笑っていた。
「泣かないでね、子猫ちゃんは無事よ」
そう言って仮面の少女は子猫を
窓の落下防止の柵から室内にそっと入れた
泣いていた女の子は
泣くのをやめて子猫を受け取った
「おねえちゃん、だあれ?」
「私はニケよ、よろしくね」
「にけちゃん… ありがとう」
女の子は子猫を抱きしめた
「じゃあね、お嬢ちゃん」
ニケは女の子に手を振った
「にけちゃんは、おそらをとんでなにしてるの?」
ニケは仮面の下で少し困ったような顔をした
「私は正義の味方なの…」
「ふうん…」
女の子は子猫に頬ずりをしている
「ニケちゃんは、他の子猫ちゃんを助けに行くわね」
ニケはゆっくりと羽ばたいて部屋から遠ざかる
女の子は立ち上がりニケに手を振った
「がんばれえ、せーぎのみたかのおねえちゃあん!」
ニケは女の子の声を背に受けて
微笑みながら飛んだ
3~4歳といったところか
彼女が手を伸ばす先には
子猫が下の階の窓に引っ掛かっていた。
「うーん… だめ、届かない…」
もがきながら必死で登ろうとする子猫
爪でかろうじて引っ掛かっているだけだ
もがくと余計に落ちそうになる
「ダメ、猫ちゃん!」
女の子の見ている真下で子猫は力尽きて落ちた
「あーん! 猫ちゃーん!」
窓の前にへたり込んで泣きじゃくる女の子
するとどうだろう
子猫が窓の下から浮かんで来た
「はい、子猫ちゃんの落とし物」
窓から子猫を差し出して顔をのぞかせたのは
銀の仮面をかぶった中学生くらい(?)の少女だった
どうなっているのだ…?
この階は高層マンションの15階にある部屋なのだ
銀の仮面の目の部分から覗いた美しく青い瞳が
優しそうに笑っていた。
「泣かないでね、子猫ちゃんは無事よ」
そう言って仮面の少女は子猫を
窓の落下防止の柵から室内にそっと入れた
泣いていた女の子は
泣くのをやめて子猫を受け取った
「おねえちゃん、だあれ?」
「私はニケよ、よろしくね」
「にけちゃん… ありがとう」
女の子は子猫を抱きしめた
「じゃあね、お嬢ちゃん」
ニケは女の子に手を振った
「にけちゃんは、おそらをとんでなにしてるの?」
ニケは仮面の下で少し困ったような顔をした
「私は正義の味方なの…」
「ふうん…」
女の子は子猫に頬ずりをしている
「ニケちゃんは、他の子猫ちゃんを助けに行くわね」
ニケはゆっくりと羽ばたいて部屋から遠ざかる
女の子は立ち上がりニケに手を振った
「がんばれえ、せーぎのみたかのおねえちゃあん!」
ニケは女の子の声を背に受けて
微笑みながら飛んだ
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