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第5話「最終話・大どんでん返し」
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ダメだ…
もう… 走れない
私は電柱に寄り掛かった
「おーい、こっちだ!」
ついに捕まるのか…
なんにもしてないのに
「やっと、追いついた…」
風呂を覗かれてた家のオヤジだ
殴られるのか…?
「あんた…ありがとな」
「へ…?」
「うちのカミさんが見てたんだよ」
「…?」
「あんたが痴漢を追っ払うのをさ」
「礼を言いたくて追っかけてたんだ…」
何だかよく分からないが
どうやら殴られるわけではなさそうだ
痴漢の疑いも晴れたみたい
警官達がやってきた
私は身構えた…
「あんた… その手錠…」
警官が手錠を指さして言った
「返して下さいよ」
「?」
「いやあ… 申し訳ない」
「あの後、真犯人を逮捕しまして…」
「あなたには申し訳ない事を…」
「どうか… この事は穏便に…」
偉そうな立場の警官が頭をペコペコ下げてる
「じゃ…じゃあ…」
警官が手錠を外した
「私は無罪…なの?」
「はっ、申し訳ありませんでした!」
私を囲んだ警官達が敬礼をした
「お巡りさん… コンビニ強盗は…?」
「はっ! 逮捕しました!」
私は身体の力が抜けてしまった
「そう…ですか」
「なにとぞ、穏便に…」
警官達が頭を下げて引き上げていく
誰もいなくなった
私は道路にへたりこんだ
「あっ、仕事…」
とっくに遅刻だった
会社に電話を入れた
「はあ… 申し訳ありませんでした」
謝ったが上司はカンカンだった
無断欠勤でクビだと言われた
どうしたらいいんだ…
冤罪の疑いは晴れたけど…
明日からどうすりゃいい…?
トボトボと歩いた
公園前に来たのでベンチに座ろうとした
「ん…?」
大きなバッグがベンチの後ろに置いてある
置いてあるというか隠してあるみたいだ…
開けてみた
「!」
札束だ…
ごっそり入っていた…
一億くらいあるんじゃないか…?
私は周りを見回した
誰もいなかった…
でもここ…
見覚えがあるぞ…
私が手錠をかけられた公園…
そうか…
あの時走ってたのが…
私が間違われた銀行強盗…?
こんなに金を盗ってたのか…
もう一度周囲を見回した
やっぱり誰もいない…
私はバッグの口を締めた
そしてバッグを持って立ち上がった
私は重いバッグを持って歩き始める
歩きながら私はニヤリと笑った
いいだろ… もらったって…
冤罪の慰謝料と退職金だ…
そう思う事にする
口笛を吹きたい気分だった
「違う…私じゃない… か」
「違わないな… やっぱり最後の犯罪者は俺だった…」
私は口笛を吹きながら歩いた
大犯罪者の足取りは軽かった
もう… 走れない
私は電柱に寄り掛かった
「おーい、こっちだ!」
ついに捕まるのか…
なんにもしてないのに
「やっと、追いついた…」
風呂を覗かれてた家のオヤジだ
殴られるのか…?
「あんた…ありがとな」
「へ…?」
「うちのカミさんが見てたんだよ」
「…?」
「あんたが痴漢を追っ払うのをさ」
「礼を言いたくて追っかけてたんだ…」
何だかよく分からないが
どうやら殴られるわけではなさそうだ
痴漢の疑いも晴れたみたい
警官達がやってきた
私は身構えた…
「あんた… その手錠…」
警官が手錠を指さして言った
「返して下さいよ」
「?」
「いやあ… 申し訳ない」
「あの後、真犯人を逮捕しまして…」
「あなたには申し訳ない事を…」
「どうか… この事は穏便に…」
偉そうな立場の警官が頭をペコペコ下げてる
「じゃ…じゃあ…」
警官が手錠を外した
「私は無罪…なの?」
「はっ、申し訳ありませんでした!」
私を囲んだ警官達が敬礼をした
「お巡りさん… コンビニ強盗は…?」
「はっ! 逮捕しました!」
私は身体の力が抜けてしまった
「そう…ですか」
「なにとぞ、穏便に…」
警官達が頭を下げて引き上げていく
誰もいなくなった
私は道路にへたりこんだ
「あっ、仕事…」
とっくに遅刻だった
会社に電話を入れた
「はあ… 申し訳ありませんでした」
謝ったが上司はカンカンだった
無断欠勤でクビだと言われた
どうしたらいいんだ…
冤罪の疑いは晴れたけど…
明日からどうすりゃいい…?
トボトボと歩いた
公園前に来たのでベンチに座ろうとした
「ん…?」
大きなバッグがベンチの後ろに置いてある
置いてあるというか隠してあるみたいだ…
開けてみた
「!」
札束だ…
ごっそり入っていた…
一億くらいあるんじゃないか…?
私は周りを見回した
誰もいなかった…
でもここ…
見覚えがあるぞ…
私が手錠をかけられた公園…
そうか…
あの時走ってたのが…
私が間違われた銀行強盗…?
こんなに金を盗ってたのか…
もう一度周囲を見回した
やっぱり誰もいない…
私はバッグの口を締めた
そしてバッグを持って立ち上がった
私は重いバッグを持って歩き始める
歩きながら私はニヤリと笑った
いいだろ… もらったって…
冤罪の慰謝料と退職金だ…
そう思う事にする
口笛を吹きたい気分だった
「違う…私じゃない… か」
「違わないな… やっぱり最後の犯罪者は俺だった…」
私は口笛を吹きながら歩いた
大犯罪者の足取りは軽かった
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