違う… 私じゃない…

幻田恋人

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第4話「冤罪だ…」

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私は走っていた…

どこまで逃げればいいんだ

冤罪えんざいだ…

私は何もしていない

でも証明できるだろうか…?

このままいろんな冤罪えんざいで刑務所行き

仕事はクビになるだろう

恋人だって逃げていく…よな

やっぱり逃げなきゃ

顔ははっきり見られていないぞ

まだサイレンが鳴ってる…

そんな大事件か…?

少し休もう…

立ち止まった先に…

いつも取引してる銀行だ…

どうしたんだろう…?

すごく人が集まってる

警察もいるぞ…まずい

隠れて様子を見よう…

野次馬の声が聞こえてきた

「銀行強盗だってさ…」

「人質取って逃げたんだって…」

「怖いねえ… で、いくら盗られたの?」

「一億円だって言ってたぜ…」

私も驚いた… 一億だって…?

ショボい私の冤罪えんざいとはスケールが違うな…

「おいっ! そこのあんたっ! ちょっと聞きたい事がある!」

やばい、警官だ…

私は逃げ出した

冗談じゃない… 銀行強盗の冤罪えんざいなんて…

「待てえっ! あっ、あいつ手錠をしてるぞ、追えっ!」

また私は走ってる…

「ちっ、違う… 私じゃない!」

神さま助けて下さい…

祈りながら私は走った…
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