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調査会議

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 結局あの夜は、シルバリウスにとても優しく? 抱かれた。
 シルバリウスは、俺の体や性格など色々な所を褒め、どんなにシルバリウスにとって必要か精神的にも物理的にも分からされた。
 確かに、明け方にはシルバリウスには俺が必要である事を理解し、必要とされる事で自信がついた気がする。
 ……洗脳ではないと思っているよ。
 
 翌日? (朝方まで起きていたから翌日ではなく当日か? )は、長くはあってもそんなに激しく抱かれて居なかった筈なのだが、足腰が立たずベッドの住人となり、スチュアートもこめかみをピクピクさせていたので、ちょっと怒っていたような気がする。
 やりすぎのシルバリウスに対してか、お客様を招いているこの時期にやった事に対してのどちらか又は両方かは分からなかったが。
 その日1日は使い物にならず、その次の日からお客様への対応等を行っていたのだが、シルバリウスの過保護さに磨きがかかった気がする。
 まぁ、俺としても一緒にいられる時間が増えるのは嬉しいから良いんだけども。

 そんな訳で、訪れていた客達もある程度落ち着いた今、情報交換の場としてそれぞれの代表者が集まっての会議が行われる事になった。
 因みに、リューイとシルバリウスがその場に居ることに不思議そうな顔をする者も居たが、この地の責任者枠として堂々といた。
 エドガーも一瞥しただけで何も咎めなかったので問題ないだろう。
 俺としても、ゲームの知識で知り得なかった事を知るチャンスなのだ。
 万が一ゲームの強制力などが発生しても困るし、不安条件はなくしていきたい。

 そんな話し合いの中でも興味深かったのは、ダンジョンの発生とダンジョン活動期とスタンピードとの関係だった。
 ダンジョンは最初に出現する発生期、ダンジョンが大きくなる成長期、ダンジョンの成長が一時的に止まる停滞期がある。

 ダンジョン停滞期は、現在国で管理しているようなダンジョンの事で、ダンジョン内の魔力が一定を超えさせずスタンピートを起こさなければ、ダンジョンは大きくならずにそのままキープ状態になるらしい。
 その前段階がダンジョン成長期。ダンジョンの成長方法は人間の魔力枯渇を経験する事で魔力総量を伸ばす方法にとても似ている。
 つまり、ダンジョンの魔力で小規模なスタンピードを起こす事によって成長していくのだ。
 そして、ダンジョン発生期は、その名の通りダンジョンが発生し、だんだんとダンジョンが大きくなる時期で、この時期に人間がダンジョンを見つけた例は殆どない。
 スタンピードまではいかないが、各地で魔物が増加するのは、このダンジョン発生期ではないかと考えられており、まさに今この時期なのではないかという推測だった。
 そして、問題なのがこの魔物の増加とスタンピード。
 魔物の増加率と最初に起こるスタンピードでダンジョンの大きさが推測出来るそうなのだが、国で集めた資料とこの屋敷でも貯めてきたここ半年の魔物増加率から見て、歴代最大のダンジョンの発生期なのではないかと推測された。
 なんでも、100年前に起こった初級ダンジョンのスタンピードでの魔物出現数は約300体。
 その後、すぐにダンジョンを発見できた為、ダンジョンの成長も止める事が出来て今に至る。
 そして、記録が残っている最大規模のダンジョンであるフォンデルク上級ダンジョンの時は確かに、国中で魔物の増加が確認され、最初のスタンピートでは1,000体、2回目のスタンピートで2,000体の魔物が出現したそう。
 奇しくも、2回目のスタンピード直前にダンジョンを発見したものの、間に合わず1つの街が滅んでしまったらしい。
 このやっかいな所は、ダンジョンの規模が大きいほど、発生期の魔物の増加範囲と期間が長く、ダンジョンの場所を絞りにくい所なのだ。
 1度でもスタンピートが起こると少なくても方角が分かる為、ダンジョン探索は少しは早まるが、あくまで方角が絞れるだけなので、フォンデルク上級ダンジョンの時のように見つけるのに時間がかかり2回目のスタンピートを迎えざるをえない可能性もある。

 ……お気付きだろうか。
 始まりのスタンピードでの魔物発生数は約5,000体だから、別になんとかなるだろと思っていた俺。
 完全にゲーム脳だったみたいだ。
 そして、全て繋がった気がした。
 そもそも、あのゲーム内でダンジョンは出てこないのに、”スタンピード”と言うダンジョンと関係する用語が出てくる時点で少し不思議だったのだ。
 今回領地で発生する”始まりのスタンピード”がダンジョン発生後の1回目のスタンピードだとすると、勇者召喚後の最終局面である大規模な魔物の発生もまた、スタンピードだったのではないだろうか。
 という事は、ダンジョンが発生したという事で、恐らく発生場所は”漆黒の森”の中なのだろう。
 この漆黒の森はこのフォンデルク辺境伯領とローワン王国にまたがっている。何なら、漆黒の森の四分の三はフォンデルク領に接している。
 ゲームはローワン王国の描写しかないが、それでも最後は相当な魔物が襲って来ていた。それがスタンピードだとすると、この国にもスタンピードが来ないわけがないのではないだろうか。
 ゲームの描写では、最後は2万の魔物と記載があったが、これは全体なのか、ローワン王国だけの話なのか全くの不明だ。
 フォンデルク上級ダンジョンの1回目のスタンピードと、今回の”始まりのスタンピード”で発生する魔物数を考えても約5倍の差。
 ダンジョンの大きさとまたそれに伴うスタンピードの規模も規格外だろう。
 ……せっかく生還したし、何ならシルバリウスとも結ばれましたけど、死亡フラグでしょうか。
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