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鍛錬

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 地下30階ボス戦お疲れ様&ゴールドランクへのランクアップお祝いを兼ねて、次の日はスチュアートとシルバリウスとご飯を食べに行ったよ!
 因みにデザートのフルーツタルトはめちゃくちゃ美味しかった。
 ハルさんに教えてもらったゴーレムのお店にも行ってみた。
 ゴーレムの値段も大きさもまちまちで、やれる事を増やそうとすると段々大きくなってしまうみたい。
 幸い”魔石を探して拾ってしまう”という内容は一番小さな30センチ位のゴーレムで対応可能という事。
 ダンジョンでの使用予定なので、魔法収納鞄(中)に入れる事を考えると小さい方が良いから助かる。
 簡単な命令であればすぐに設定可能という事で試しにその場で動かして貰ったけど何というか……。
 一言で言うとトロイ。
 小さい分足も短いししょうがないかもしれないが、普通に俺が拾った方が早い。
 まぁ、手間を減らす為と考えれば良いかもしれないが。
 うんうん唸っていたら、使う魔石を増やせば速度を上げられるとの事でカスタム依頼を出した。
 その際、魔石も大か中か好きな方を選択できるオプションもあったので追加したよ。
 恐らく、地下30階では換金しない魔石が大量に取得出来そうだし。
 簡単な設定で在庫もある為、翌日には出来るとの事で3体発注して帰った。

 ゴーレムを無事受け取り、翌日からレッツ鍛錬!
 ゴーレム達は……
 まぁ、1人分は仕事をしているかな。
 そして、10時位からボス戦開始、12時頃終了して換金して、家でご飯を食べて午後は自由時間というルーティンができた。
 無駄な魔力を使う事も減ったし、出来れば1日2回位挑みたいところだが、シルバリウスとスチュアートからの許可が出なかった。
 ただ、魔力枯渇状態にしていないのに、魔力を使う機会が増えたからか、また魔力総量がぐんぐん上がっているので1日2回挑戦出来る日も近いかもしれない。
 シルバリウスの「時」属性魔法が使えるようになれば、俺が倒す魔物も減るので、シルバリウスの「時」属性魔法が使えるようになるのが先か、俺の魔力総量が上がるのが先かちょっと楽しみである。
 
 後は、補助媒体の機能だが、やはり一回体験してみてボス部屋地下30階の場合、同じ魔物を判定しての連射機能はそのまま使えるには使えるが、雑多バラバラに出てくるのだ。
 基本は魔物が攻撃してくる前に屠るのだが、数が多い為他の魔物を相手にしている時に他の魔物から攻撃されることがある。
 攻撃に照準を合わせるとその攻撃を破壊(迎撃)する氷魔法が放出されるが、次に魔物や攻撃などに照準をあてるまでのタイムラグが発生する。
 で、補助媒体のカスタム機能とダイアルをフル活用すれば、属性魔力も1つではなく2つ登録出来るのでは? と思い設定をいじったら出来ました!
 黒い方は既にダイアルをフル活用しているので増やせないが、白い方はダイアルで「光」属性の魔法を放つか「氷」属性の魔法を放つかの切り分けで使用。
 後は「氷」属性のダイアルの時は、黒い方の”連射”と同じ機能をつけた。
 左手でも照準を合わせて引き金を引くだけなので、違和感があるものの、まぁ魔物の何処を照準にあてても良いので多少狂った所で問題ない。
 その為、最近は照準を目でみて合わせなくても、銃口の向きだけで照準を魔物に合わせられるので、一々正しい姿勢で構えなくても出来るようになった。まぁ、俺は体を動かしての回避はせず突っ立っていることが殆どで、自分の体を動かすことに頭の処理を割かなくて良いからっていうのはあるかな。
 ……それに2人しかいないボス戦だからこそ出来る技ではあるけども。人間が多いと誤射が怖い。やったことはないけど、人に照準当てちゃったら、仲間全員やっちゃいましたとかさ……。
 勿論回避するためのカスタム設定をいじってはいるけど、検証はしてないしする気もないのでそこ辺りは気をつけている。
 というわけで、ダンジョン限定だけど二丁拳銃使いになりましたとさ。
 
 そしておなじみダンジョン(鍛錬)日誌。
-------------
・2/10~11お休み
・2/12ボス部屋地下30階
 金貨86枚(小さな魔物が多かった。魔石は約半分の102個持ち帰った)
・2/13ボス部屋地下30階
 白金貨1枚、金貨6枚(大きな魔物ばかりだった。魔石は約半分の53個持ち帰った)
・2/14ボス部屋地下30階
 金貨54枚(魔石は130個持ち帰った)
・2/15ボス部屋地下30階
 金貨60枚(魔石は132個持ち帰った)
・2/16ボス部屋地下30階
 金貨52枚、銀貨6枚(魔石は140個持ち帰った)
・2/17~2/18お休み
-------------
 1回のボス戦の魔石回収に、ゴーレム1体につき魔石(中)が1個なので計3個毎回消費しているが、魔石が増える一方である。
 あって困るものではないけど、魔石保管用の魔法収納鞄を用意しないといけないかもしれない……。
 それも近日中に。
 それから、魔石の換金については制限しているからか、取り敢えず今のところ受付に何も言われていない。
 ただ、適度に休んでおこうと思う。
 なので、前世の懐かしい週休2日制を意識してみている所だ。

***

〈???視点〉
 久しぶりにくる地下29階をパーティメンバー5人で進むこと約1週間。
 結局地下29階では”ローブの悪魔”に会わなかった。
 念の為ボス部屋の前で2日間待っても誰も現れず、緑髪の眼鏡の腹心に一度地上へ戻り状況を確認しましょうと言われ、ボス戦をする事なく地下31階の転移陣を使用して地上へ戻った。

「じ、実は、同じ日の早朝既に地下29階に入っていたようで、例の如くその日のうちにクリアして帰られました」
「はっ?」
 ここはダンジョン協会の貴賓室。
 ダンジョンの進捗度は個人情報の為、普通は職員が無闇矢鱈と教えてはいけない。
 その為、今回調査として来ている俺達に連絡がうまく行かなかったようだ。
 そして意味の分からない爆速攻略記録。
「俺らがゆっくり進んだ意味ねぇじゃねか」
「も、申し訳ございません」
 茶髪の青年はイライラと髪をかきあげるが、緑髪の眼鏡の青年に窘められて話を続ける。
「じゃ、その後の足取りは?」
「は、はい。その後はまた毎日地下30階のボス部屋に通われております」
「あぁ? 俺たちも昨日と今日ボス部屋の前にいたが?」
「そ、それが昨日と今日はお休みを取られているようです」
「……」
 ……見事なすれ違いである。
「ただ、担当者によると明日からまた午前中に入られるようです。恐らく午前中に行けばボス戦を実際に見られるかと」
「そうか……」
 ここまで付き合ってくれたパーティメンバーにお礼を告げ、明日は1日休み、ボス部屋の見学だけであれば腹心と2人で大丈夫だからと、パーティを解散した。



===補足================
<時系列>
・2/9にリューイ達と調査隊がダンジョンに入る。(リューイ達が珍しく早朝から入り、調査隊はリューイ達の後から入った。調査隊は後から来ると思っている為、通るだろう道を探索者としては普通のペースで進む。)
・2/17、18リューイ達はお休み。調査隊がボス部屋待機→2日間遭遇しないためダンジョン出る。
→見事なすれ違い\(^o^)/
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