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ご対面
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――ゆさゆさ
「ぼっちゃま」
……眠い。もうちょっと。
――ゆさゆさ
「ぼっちゃま、ぼっちゃま、手に入りましたよ」
……手に入った?
……。
……。
「シルバリウスか!!」
リューイは起きようとしたが、体はとても重くて動かない。
陽は随分高いことから、もう既にお昼近いのだろう。
「あー。スチュアート、補給頼める?」
「はい。かしこまりました」
スチュアートがリューイの手首を取り、魔力をリューイに流し込む。
こうして、リューイと適合する魔力を入れてもらえば一時は動けるようにもなるのだが、穴を塞がない状態で行うと、しばらくした後馴染まなかった他者の魔力を排出しようとしてリューイ自身の魔力の排出も促してしまう為、なるべく使用は控えていたのだ。
最近はなるべくベッドから動かないようにして、魔力を温存していたが、三日に一回は魔力補給をしてもらわなければ、動けない状態になっていた。
ここからは加速度的に増えて行くだろう。
だが、依頼してから三ヶ月とちょっと。
スチュアートは無事にシルバリウスを連れてきてくれたようだ!
体の怠さと、霞がかった思考が晴れてくると、ワクワクしだした。
「スチュアート、どこにいるの?」
「今は客室のベッドで寝ていらっしゃいます」
「寝ているの? 話せないのは残念だけど、まずは見るだけでも良いか」
「どうやら魔力吸牢に入れられていたらしく、魔力は枯渇寸前です。魔力回復より先にこちらに連れてくる事を優先したので、まだ完全には回復していないようです」
「魔力吸牢? シルバリウスって元騎士の剣士の筈だけど、そんな魔力豊富だったっけ? まぁいっか」
スチュアートからの補給が終わると、スチュアート補助のもと着替え始める。
“魔力吸牢”とはその名の通り、犯罪者から生きていく上で必要最低限の魔力以外を吸収する牢である。
この世界での魔力枯渇イコール死亡である。魔力枯渇後、20分以内に再度魔力を補填出来れば生き返るなんて言われているけど、ちょうど同じ属性の魔力持ちがいた場合の話である。
そんな命と同義な魔力を犯罪者から強制的に奪い、国の結界維持や各種魔道具等に使われる魔力石に入れるのに使われたりしており、中々合理的な運用である。
ただ、一般人位の魔力量ではすぐに枯渇する為、主に魔力が豊富な者しか入れられない筈なのだが、剣士のシルバリウスが入れられていたのは不思議だった。
ゲームの設定では、一度も魔法を使っておらず使えないと思っていたが、今思うと確かに身体能力を上げる魔法もあるから、意図してもしくは無意識に身体強化等していたのかもしれない。
若干21歳で次期騎士団長候補と言われる位の剣士なのだから、益々技術だけじゃなく魔法も使っていたのかもしれないと思った。
着替え終えたので、歩いて向かおうとしたが、スチュアートに車椅子に乗るように促された為、車椅子に乗ってスチュアートの案内に任せた。
***
車椅子を押されて、客室に入る。
……生シルバリウスかぁ。とドキドキしながらベッドサイドへ。
そこには、頬はこけてしまっているが精悍な美丈夫が寝ていた。
「ヤバっ、え? ゲームそのままってか、更に格好良い? 頬がこけているのにその格好良さってやっぱり主人公だよね? ベッドの端まで届きそうな長い足とか、枕に散らばる銀髪とか。マジヤバイんだけど」
目の前に居る待ち望んでいた美丈夫に興奮する。
あのゲーム画面のキャラクターそのままの銀髪を触りたくて、手を伸ばす。
――パシッ
リューイの伸ばした手はシルバリウスに握られ、スチュアートの短剣がシルバリウスの首元に突き付けられていた。
「あ、ごめん。急に触ったらびっくりするよね。わぁ。水色の目も素敵だね。もっと近くで見たいけど、慣れてからだよね。あ、慣れたらその銀髪も触らせて欲しい! 銀髪今迄見た事なくてさ、銀髪なんて存在するんだね。すごく似合っているよ」
前世の俺、見る目があるわー。
水色の目とか澄んでいてマジで綺麗!
鋭い睨み付ける目も色っぽい!
男とか関係なく惚れるわ!
と、シルバリウスは怪訝そうな顔をしながらも、強く握っていた手を離してくれた。
スチュアートもシルバリウスへ向けていた短剣を下げる。
「主人から説明がありますので、聞きたいことがあれば主人へどうぞ、良ければお座りください」
スチュアートがシルバリウスに近くのテーブルに座るよう促す。
出来る執事だから人前ではちゃんと主人と呼んでくれるんだよ!
若干戸惑った様子なものの、シルバリウスはベッドから身を起こすとスリッパを履いて、少しもたつきながらも席についた。
……ヤバイ! やっぱり足長い!
しかも身長何センチよ。
俺自身の身長は最後に測った時150センチ位だったけど、パッと見る限り多分180センチ以上はありそうな気がする。
それに、銀色の綺麗な色の髪も思ったりより長かったようで、肩甲骨下位まである。
手も大きかったし、今は少し細くなっているようだけど体調が整ったら更に格好良くなるんだろうな。
スチュアートが俺の車椅子を押してテーブルに向かい合わせになるようにすると、紅茶をシルバリウスと俺の前に置き、スチュアート自身は俺の斜め後ろに立つ。
「ようこそいらっしゃいました。シルバリウス様。
ここはローワン王国隣のフォゼッタ王国のフォンデルク辺境伯領最南端の村です。
私はフォンデルク辺境伯爵家の三男リューイと申します。
あ、良かったら紅茶飲んでくださいね。スチュアートの入れた紅茶は美味しいので。
さっそくですが、何か聞きたいことはありますか?」
スチュアートにジトっと見られているのが分かる。
いやいや、説明って、ツラツラこちらが語るより最初から相手の疑問に答えた方が早いでしょう。
アンニュイな顔もマジ良いわ~。
世の中のお姉さんつい、コロッといっちゃうよ。
ハッ!
誰かお姉さんと結婚したら二分の一の確率で、この銀の髪を引き継ぐ子が生まれるのか。
シルバリウス似の子供……絶対めっちゃ可愛い!!
「……何が目的だ?」
おっとー! 妄想の世界に入っていた!
……確かに、そこの説明も省いたのは良くなかったよね。
警戒するのも当たり前だ。
ただ、説明し辛いんだよな……。
この先死ぬから死なせたくないのです! とか流石に意味わからな過ぎだよね?
スチュアートは俺の言動に慣れているから気にしないけど、流石に初対面はなぁ。
「すみません。えーと目的は……シルバリウス様を見たかったからです!」
秘技!
首を傾げてからのニコッ!
……。
……。
……。
うーん。兄上とかには効果があった気がするんだけど、流石最強剣士シルバリウス! 誤魔化されず、眉間に皺が寄っちゃった。
「ぼっちゃま」
……眠い。もうちょっと。
――ゆさゆさ
「ぼっちゃま、ぼっちゃま、手に入りましたよ」
……手に入った?
……。
……。
「シルバリウスか!!」
リューイは起きようとしたが、体はとても重くて動かない。
陽は随分高いことから、もう既にお昼近いのだろう。
「あー。スチュアート、補給頼める?」
「はい。かしこまりました」
スチュアートがリューイの手首を取り、魔力をリューイに流し込む。
こうして、リューイと適合する魔力を入れてもらえば一時は動けるようにもなるのだが、穴を塞がない状態で行うと、しばらくした後馴染まなかった他者の魔力を排出しようとしてリューイ自身の魔力の排出も促してしまう為、なるべく使用は控えていたのだ。
最近はなるべくベッドから動かないようにして、魔力を温存していたが、三日に一回は魔力補給をしてもらわなければ、動けない状態になっていた。
ここからは加速度的に増えて行くだろう。
だが、依頼してから三ヶ月とちょっと。
スチュアートは無事にシルバリウスを連れてきてくれたようだ!
体の怠さと、霞がかった思考が晴れてくると、ワクワクしだした。
「スチュアート、どこにいるの?」
「今は客室のベッドで寝ていらっしゃいます」
「寝ているの? 話せないのは残念だけど、まずは見るだけでも良いか」
「どうやら魔力吸牢に入れられていたらしく、魔力は枯渇寸前です。魔力回復より先にこちらに連れてくる事を優先したので、まだ完全には回復していないようです」
「魔力吸牢? シルバリウスって元騎士の剣士の筈だけど、そんな魔力豊富だったっけ? まぁいっか」
スチュアートからの補給が終わると、スチュアート補助のもと着替え始める。
“魔力吸牢”とはその名の通り、犯罪者から生きていく上で必要最低限の魔力以外を吸収する牢である。
この世界での魔力枯渇イコール死亡である。魔力枯渇後、20分以内に再度魔力を補填出来れば生き返るなんて言われているけど、ちょうど同じ属性の魔力持ちがいた場合の話である。
そんな命と同義な魔力を犯罪者から強制的に奪い、国の結界維持や各種魔道具等に使われる魔力石に入れるのに使われたりしており、中々合理的な運用である。
ただ、一般人位の魔力量ではすぐに枯渇する為、主に魔力が豊富な者しか入れられない筈なのだが、剣士のシルバリウスが入れられていたのは不思議だった。
ゲームの設定では、一度も魔法を使っておらず使えないと思っていたが、今思うと確かに身体能力を上げる魔法もあるから、意図してもしくは無意識に身体強化等していたのかもしれない。
若干21歳で次期騎士団長候補と言われる位の剣士なのだから、益々技術だけじゃなく魔法も使っていたのかもしれないと思った。
着替え終えたので、歩いて向かおうとしたが、スチュアートに車椅子に乗るように促された為、車椅子に乗ってスチュアートの案内に任せた。
***
車椅子を押されて、客室に入る。
……生シルバリウスかぁ。とドキドキしながらベッドサイドへ。
そこには、頬はこけてしまっているが精悍な美丈夫が寝ていた。
「ヤバっ、え? ゲームそのままってか、更に格好良い? 頬がこけているのにその格好良さってやっぱり主人公だよね? ベッドの端まで届きそうな長い足とか、枕に散らばる銀髪とか。マジヤバイんだけど」
目の前に居る待ち望んでいた美丈夫に興奮する。
あのゲーム画面のキャラクターそのままの銀髪を触りたくて、手を伸ばす。
――パシッ
リューイの伸ばした手はシルバリウスに握られ、スチュアートの短剣がシルバリウスの首元に突き付けられていた。
「あ、ごめん。急に触ったらびっくりするよね。わぁ。水色の目も素敵だね。もっと近くで見たいけど、慣れてからだよね。あ、慣れたらその銀髪も触らせて欲しい! 銀髪今迄見た事なくてさ、銀髪なんて存在するんだね。すごく似合っているよ」
前世の俺、見る目があるわー。
水色の目とか澄んでいてマジで綺麗!
鋭い睨み付ける目も色っぽい!
男とか関係なく惚れるわ!
と、シルバリウスは怪訝そうな顔をしながらも、強く握っていた手を離してくれた。
スチュアートもシルバリウスへ向けていた短剣を下げる。
「主人から説明がありますので、聞きたいことがあれば主人へどうぞ、良ければお座りください」
スチュアートがシルバリウスに近くのテーブルに座るよう促す。
出来る執事だから人前ではちゃんと主人と呼んでくれるんだよ!
若干戸惑った様子なものの、シルバリウスはベッドから身を起こすとスリッパを履いて、少しもたつきながらも席についた。
……ヤバイ! やっぱり足長い!
しかも身長何センチよ。
俺自身の身長は最後に測った時150センチ位だったけど、パッと見る限り多分180センチ以上はありそうな気がする。
それに、銀色の綺麗な色の髪も思ったりより長かったようで、肩甲骨下位まである。
手も大きかったし、今は少し細くなっているようだけど体調が整ったら更に格好良くなるんだろうな。
スチュアートが俺の車椅子を押してテーブルに向かい合わせになるようにすると、紅茶をシルバリウスと俺の前に置き、スチュアート自身は俺の斜め後ろに立つ。
「ようこそいらっしゃいました。シルバリウス様。
ここはローワン王国隣のフォゼッタ王国のフォンデルク辺境伯領最南端の村です。
私はフォンデルク辺境伯爵家の三男リューイと申します。
あ、良かったら紅茶飲んでくださいね。スチュアートの入れた紅茶は美味しいので。
さっそくですが、何か聞きたいことはありますか?」
スチュアートにジトっと見られているのが分かる。
いやいや、説明って、ツラツラこちらが語るより最初から相手の疑問に答えた方が早いでしょう。
アンニュイな顔もマジ良いわ~。
世の中のお姉さんつい、コロッといっちゃうよ。
ハッ!
誰かお姉さんと結婚したら二分の一の確率で、この銀の髪を引き継ぐ子が生まれるのか。
シルバリウス似の子供……絶対めっちゃ可愛い!!
「……何が目的だ?」
おっとー! 妄想の世界に入っていた!
……確かに、そこの説明も省いたのは良くなかったよね。
警戒するのも当たり前だ。
ただ、説明し辛いんだよな……。
この先死ぬから死なせたくないのです! とか流石に意味わからな過ぎだよね?
スチュアートは俺の言動に慣れているから気にしないけど、流石に初対面はなぁ。
「すみません。えーと目的は……シルバリウス様を見たかったからです!」
秘技!
首を傾げてからのニコッ!
……。
……。
……。
うーん。兄上とかには効果があった気がするんだけど、流石最強剣士シルバリウス! 誤魔化されず、眉間に皺が寄っちゃった。
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