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1章出会い
奴隷販売所1
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奴隷販売所のある区画にやってきた所、店に入る前に案内役が出てきた。
……ちょっと日本の風俗斡旋所に似てる気がしたのは気のせいだと思う事にする。
案内役には”身の回りの世話をさせたい”、”常識がある者”、”情報漏洩の心配がない者”、”上限1億G”という条件を話した。
綾人としては勿論2番目と3番目が1番重要なのだが、1番目の条件を聞いた案内役は下品な笑いをこちらに向け4番目を聞いて顔色が変わり、一言言って奥へ引っ込むと品の良さそうな別の案内役と交代になった。
品の良い案内役に変わった後、聞いた所によると、この街の奴隷は最高でも5,000万Gで王都でも1億超えの奴隷は少ないらしい。
綾人的には相場が分からない為、以前日本で1人で一生生きていくのに必要なお金は1億6千万円かかるという何かで読んだ記事を思い出し、ある程度年齢のいった人だからと1億を上限として試算してみたのだ。
この国では奴隷はもっと安い物らしい。
そして、情報漏洩防止対策については”隷属魔法契約”という魔法契約を教えてくれた。
これは、相手が一度でも合意すれば契約は成立してしまい、奴隷側からの解消は出来ない契約で主人側からの一方的な契約になる。そして、情報の場合、口にしようと思うだけで心臓に痛みが走り、とても口に出来ず、長いこと続けようとすると死んでしまうというものだった。
拷問して弱った所にこの契約を結ばせれば何でも出来るという事で、世界的にはこの隷属魔法契約は使用禁止の方向にあるが、幸か不幸かこの国ではまだ禁止ではない。
そして、契約で縛ってしまえば、主人に歯向かうことも出来ないと聞き、奴隷を選ぶ条件に”護衛もかねられる”というものも追加した。
……どんな世界かまだ分からない以上身を守る術は多いに越したことはないだろう。
綾人は一際綺麗な建物に連れて行かれた後、豪華な部屋に通され、早速従業員が1人ずつ部屋に奴隷を連れてきて面談した。
が、のし上がってやろうとでもいう目がギラギラした女性や、あきらかに性的対象として見てくるような色気のある男性や、目が死んでる者等、とても一緒に過ごせる気がしない者ばかりだった。
常識を学ぶ上で半年位は一緒に生活をしたいと思うが、身の危険を感じる相手と居る位なら、リスクを背負ってでも、職業斡旋所で普通の使用人を雇った方が良いかなと思いはじめていた。
そんな綾人の様子に気が付いたのか、ずっと側にいた案内役が声をかけてきた。
「少し、今までとは毛色が違うのを連れてきてもよろしいでしょうか?」
「はい」
暫く待っていると、長い鎖に繋がれた190センチ位はあるのではないかという、綾人の1回り以上大きい男性が部屋に入ってきた。
今迄の人員は鎖など繋がれていなかったし、豪華な服を着ていたが、入ってきた男は服もあまり良さそうではなく、本当に今までとは”毛色”が違かった。
連れてきた従業員が、綾人の前で跪かせ膝立ちにさせると、今まで伏せていた男の顔を上げさせる。
赤い短髪に前髪は左だけ頬の辺りまで伸ばされていて、顔の半分は隠れているものの、欧米人のように全体的に彫りが深く、形の良い眉に鋭い澄んだ青い目。
綾人は一瞬にして目を奪われてしまっていた。
「これは、隣国のさる貴族に仕えていた奴隷ですが、主人に歯向かって処分される所だったんです。元々どこかの貴族だったようで、左目は潰れて喉も焼かれたようで声を発せられないのですが、処分してしまうには惜しい素材でしょう。こちらの国では隷属魔法契約が使えるので、どうとでもなると2週間前に連れてきたばかりなんですよ。少々おいたが過ぎる為に枷をつけておりますがおいたが出来る位の体力と魔力も高いので、護衛にはよろしいかと。……お気に召されたようですがいかがでしょうか?」
今までと違う反応の綾人にすかさず売り込む案内役。
「うーん。でも反抗的なんだよね?」
場所柄か、何かを察したのか案内役は綾人の身分証を求めたり、探るような事はせず、綾人を何処かの子息のぼんぼんだと思っているようなので、綾人もそのように振る舞う。
「本人曰く、性奴隷でなければ従うとの事ですが、性奴隷としても使えるようにする方がよろしければ、隷属魔法契約魔法があるので暫くお時間いただければ調整致しますよ?」
要するに拷問でもして、隷属魔法契約で無理矢理契約を結ばせると言っているのだ。
……拷問とか考えるだけで背筋が寒くなる。
「この国や、隣国の話を聞きたいんだけど、喋れないのに使えるかな?」
「この者は字も綺麗で博識のようです。喋る事は出来ませんが、筆記でのやりとりは可能でしょう」
「うーん。。。ちょっと2人きりにさせて貰えるかな?」
「ええ。お客様はそのテーブルより前には行かないようにお願いしますね。お話が終わりましたらそちらのベルでお呼びください」
綾人のテーブルを挟んだ向かい側に椅子を用意すると、奴隷の男に首の枷が追加され、椅子と床に繋げられ、あまり身動き出来ないようにされてから、従業員と案内役は退出して行った。
……ちょっと日本の風俗斡旋所に似てる気がしたのは気のせいだと思う事にする。
案内役には”身の回りの世話をさせたい”、”常識がある者”、”情報漏洩の心配がない者”、”上限1億G”という条件を話した。
綾人としては勿論2番目と3番目が1番重要なのだが、1番目の条件を聞いた案内役は下品な笑いをこちらに向け4番目を聞いて顔色が変わり、一言言って奥へ引っ込むと品の良さそうな別の案内役と交代になった。
品の良い案内役に変わった後、聞いた所によると、この街の奴隷は最高でも5,000万Gで王都でも1億超えの奴隷は少ないらしい。
綾人的には相場が分からない為、以前日本で1人で一生生きていくのに必要なお金は1億6千万円かかるという何かで読んだ記事を思い出し、ある程度年齢のいった人だからと1億を上限として試算してみたのだ。
この国では奴隷はもっと安い物らしい。
そして、情報漏洩防止対策については”隷属魔法契約”という魔法契約を教えてくれた。
これは、相手が一度でも合意すれば契約は成立してしまい、奴隷側からの解消は出来ない契約で主人側からの一方的な契約になる。そして、情報の場合、口にしようと思うだけで心臓に痛みが走り、とても口に出来ず、長いこと続けようとすると死んでしまうというものだった。
拷問して弱った所にこの契約を結ばせれば何でも出来るという事で、世界的にはこの隷属魔法契約は使用禁止の方向にあるが、幸か不幸かこの国ではまだ禁止ではない。
そして、契約で縛ってしまえば、主人に歯向かうことも出来ないと聞き、奴隷を選ぶ条件に”護衛もかねられる”というものも追加した。
……どんな世界かまだ分からない以上身を守る術は多いに越したことはないだろう。
綾人は一際綺麗な建物に連れて行かれた後、豪華な部屋に通され、早速従業員が1人ずつ部屋に奴隷を連れてきて面談した。
が、のし上がってやろうとでもいう目がギラギラした女性や、あきらかに性的対象として見てくるような色気のある男性や、目が死んでる者等、とても一緒に過ごせる気がしない者ばかりだった。
常識を学ぶ上で半年位は一緒に生活をしたいと思うが、身の危険を感じる相手と居る位なら、リスクを背負ってでも、職業斡旋所で普通の使用人を雇った方が良いかなと思いはじめていた。
そんな綾人の様子に気が付いたのか、ずっと側にいた案内役が声をかけてきた。
「少し、今までとは毛色が違うのを連れてきてもよろしいでしょうか?」
「はい」
暫く待っていると、長い鎖に繋がれた190センチ位はあるのではないかという、綾人の1回り以上大きい男性が部屋に入ってきた。
今迄の人員は鎖など繋がれていなかったし、豪華な服を着ていたが、入ってきた男は服もあまり良さそうではなく、本当に今までとは”毛色”が違かった。
連れてきた従業員が、綾人の前で跪かせ膝立ちにさせると、今まで伏せていた男の顔を上げさせる。
赤い短髪に前髪は左だけ頬の辺りまで伸ばされていて、顔の半分は隠れているものの、欧米人のように全体的に彫りが深く、形の良い眉に鋭い澄んだ青い目。
綾人は一瞬にして目を奪われてしまっていた。
「これは、隣国のさる貴族に仕えていた奴隷ですが、主人に歯向かって処分される所だったんです。元々どこかの貴族だったようで、左目は潰れて喉も焼かれたようで声を発せられないのですが、処分してしまうには惜しい素材でしょう。こちらの国では隷属魔法契約が使えるので、どうとでもなると2週間前に連れてきたばかりなんですよ。少々おいたが過ぎる為に枷をつけておりますがおいたが出来る位の体力と魔力も高いので、護衛にはよろしいかと。……お気に召されたようですがいかがでしょうか?」
今までと違う反応の綾人にすかさず売り込む案内役。
「うーん。でも反抗的なんだよね?」
場所柄か、何かを察したのか案内役は綾人の身分証を求めたり、探るような事はせず、綾人を何処かの子息のぼんぼんだと思っているようなので、綾人もそのように振る舞う。
「本人曰く、性奴隷でなければ従うとの事ですが、性奴隷としても使えるようにする方がよろしければ、隷属魔法契約魔法があるので暫くお時間いただければ調整致しますよ?」
要するに拷問でもして、隷属魔法契約で無理矢理契約を結ばせると言っているのだ。
……拷問とか考えるだけで背筋が寒くなる。
「この国や、隣国の話を聞きたいんだけど、喋れないのに使えるかな?」
「この者は字も綺麗で博識のようです。喋る事は出来ませんが、筆記でのやりとりは可能でしょう」
「うーん。。。ちょっと2人きりにさせて貰えるかな?」
「ええ。お客様はそのテーブルより前には行かないようにお願いしますね。お話が終わりましたらそちらのベルでお呼びください」
綾人のテーブルを挟んだ向かい側に椅子を用意すると、奴隷の男に首の枷が追加され、椅子と床に繋げられ、あまり身動き出来ないようにされてから、従業員と案内役は退出して行った。
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