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第3章
【3-3】才媛の品格
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◇
キリエたちの茶菓子が用意される間、ジェイデンがプリシラについて詳しく紹介してくれた。
プリシラは幼い頃から頭脳明晰で、十歳目前の頃から妖精人に興味を持ち、研究会に加わっていたそうだ。しかし、世間では妖精人は伝説上の生物とされており、それを対象として熱心に研究をしている者たちは奇異の目を向けられる。プリシラも例外ではなく、変人令嬢と陰で囁かれてしまっていた。
しかし、プリシラは世論など全く気にせず研究に没頭し、結婚をする気も無いからと婚約もしていなかったらしい。八人兄弟の末っ子ということで家族もプリシラには甘く、好きなようにさせていたようだ。
「シーラは風変りではあるが、妖精人研究会において才媛と名高いのは確かだ。実際、視野も広く、妖精人研究以外の学術においても優秀な成績を修めている。実は、僕は先月末に二度ほど彼女と話をしたのだが、興味深いことを色々と教えてくれた。きっと、キリエも興味をもってくれると思う」
ジェイデンがそこまで語ったところで、皆に菓子や茶が行き渡った。ちなみに、茶話室の入口まではメイドが運んでいたが、そこからの給仕は側近騎士たちが行っている。扱っている話題が話題であるために、部外者は立ち入らせないようにしているのだとう。
「リアム、マックス、ご苦労だった。大事な、そして長丁場の話となる。君たちも着席してくれたまえ」
かしこまりました、と声を揃えた騎士たちは、マクシミリアンがジェイデンの隣へ、リアムはキリエの隣へと着席した。
緊張しているキリエの様子に気づいたリアムは、柔らかく声を掛ける。
「キリエ様、よかったですね。お好きなショコラのお菓子が色々とございますよ」
「えっ……、ぁ……」
「そうだとも! キリエはショコラのおやつになら手を伸ばしてくれる可能性が高いからな、たくさん用意したのだよ。好きなようにつまみながら、リラックスしてくれ」
リアムにもジェイデンにも気を遣ってもらっていると感じ、キリエはまだ若干固いながらも微笑を浮かべた。
「ありがとうございます、ジェイデン。いただきますね」
「どうぞ、どうぞ! リアム、必要であれば僕のほうにある菓子を持っていっても構わないから、キリエの好きなものを好きなだけ食べさせてあげてくれ」
「承知いたしました」
少食なキリエは目の前に置かれている菓子だけでも食べ残すだろうと思いつつも、若き国王の親切心に水を差すようなことはせず、リアムは穏やかに流す。プリシラは、一連のやり取りを眺めながら「ショコラがお好き……かわいい……尊い……」などと呟き、小型の手帳に何かを書きつけていた。
「──さて。そろそろ本題へ入っていこうか」
少し緩くなっていた空気が、ジェイデンの一言により、やや引き締まる。といっても、嫌な緊張感が満ちているわけではなく、適度な雰囲気だ。
キリエはリアムに視線で促され、小さなトリュフショコラを口に含む。ふんわりと柔らかな甘味が口腔内に満ちて、僅かではあるがほっとした。
「妖精人が実在すると仮定した場合、やはり我々が気になるのはキリエはどうなのだろうということだ。話をそこまで進める前に、僕たちは先代国王についてもう少し詳しく知っておく必要がある。──というわけで、コンラッド。そろそろ腹を括って話してくれるか?」
それまで神妙な面持ちで押し黙っていた宰相は、名を呼ばれて僅かに肩を震わせる。ジェイデンは、金色の眼差しで真摯にコンラッドを射抜いた。
「この席に呼ばれた時点で、こうなるだろうと予想していただろう? 父がまだ生きていたとき、そして次期国王がきまっていなかった時期に語れなかったことも、今は話せるようになったはず。現国王は、僕だ。我が国に関わるどんなことでも、僕は知る権利を持っているはずだ。……コンラッド。君は、父が正妻に迎えたかったのが誰なのか、そして、死因が何であるのかも知っているのだろう?」
重い沈黙が満ちる。皆の視線を集めている宰相は、苦しげな表情を浮かべていた。暫く逡巡していたコンラッドは、苦々しい声音で言う。
「無論、陛下に隠し立てをするつもりはございません。お望みとあらば、全てを打ち明けましょう。……しかしながら、この場にプリシラがいるというのは如何なものでしょうか」
「問題無い。彼女は機密を軽々しく口外するような人間ではない。いくら個性的でも、末っ子でも、侯爵令嬢として厳しく躾けられている。王家の秘め事を口外すればどうなるか、賢い彼女が分からないはずがない。……そうだろう、シーラ?」
ジェイデンから話を振られたプリシラは、堂々と頷いた。
「無論でございます。此度の茶話会で得た情報は、国王陛下ならびに王兄殿下の御役に立つためのものだと心得ておりますわ。私が今までに得てきた妖精人研究の知識は惜しみなく献上いたしますが、殿下方のおはなしを研究会に落とし込むことなど断じていたしません。私が個人的に陛下や殿下へ御力添えできるということがあれば、何なりと尽力いたしますけれども、それを外部へ漏らすこと即ちヘイソーンスウェイト家の終焉であると重々理解しております」
キリエを初めて目の当たりにした際の奇怪な言動が嘘のように、プリシラは落ち着き払って語っている。物怖じせず気品のある姿は、なるほど侯爵令嬢であると納得せざるをえない品格を持っていた。
ジェイデンが満足そうに頷いたのに微笑み返したプリシラは、その優しく知的な笑みをキリエへも向ける。
「キリエ様。皆で寄ってたかって妖精人の話をしている中へ放り込まれてしまったような心地でいらっしゃるかもしれません。しかし、陛下は本当にキリエ様を御心配なさっておいでです。私も、決して己の知的好奇心を満たすためにこの場にいるわけではなく、少しでも御役に立てればという思いでおります。キリエ様について知ったことを悪用したりなど、決していたしません。……信じていただけますか?」
「──はい、信じます。ジェイデンも、プリシラも、ありがとうございます」
一人でびくびくと怯えているのは恥ずかしい、自分も彼女のように堂々としていたい。そんな思いから、キリエは頷きながら、ようやく自然な笑みを浮かべることができた。
「ありがとうございます、キリエ様。あぁ、なんて尊い笑顔でございましょうか。どうぞ、気安くシーラとお呼びくださいませ」
「はい、シーラ」
「あぁぁぁ……、推しに名前を呼んでいただける幸せを噛みしめたいところですが、それは後でゆっくり反芻いたします。──というわけで、御祖父様」
キリエと目を合わせて身悶えかけたプリシラは自制し、隣に座る祖父──コンラッドをまっすぐに見つめる。
「あとはもう、御祖父様が腹を括るだけでございます」
「……そのようだな。きっと、オズワルド様にもお許しいただけるだろう」
孫娘に発破を掛けられて意を決したのか、コンラッドは真剣な眼差しで一同を見渡した。
キリエたちの茶菓子が用意される間、ジェイデンがプリシラについて詳しく紹介してくれた。
プリシラは幼い頃から頭脳明晰で、十歳目前の頃から妖精人に興味を持ち、研究会に加わっていたそうだ。しかし、世間では妖精人は伝説上の生物とされており、それを対象として熱心に研究をしている者たちは奇異の目を向けられる。プリシラも例外ではなく、変人令嬢と陰で囁かれてしまっていた。
しかし、プリシラは世論など全く気にせず研究に没頭し、結婚をする気も無いからと婚約もしていなかったらしい。八人兄弟の末っ子ということで家族もプリシラには甘く、好きなようにさせていたようだ。
「シーラは風変りではあるが、妖精人研究会において才媛と名高いのは確かだ。実際、視野も広く、妖精人研究以外の学術においても優秀な成績を修めている。実は、僕は先月末に二度ほど彼女と話をしたのだが、興味深いことを色々と教えてくれた。きっと、キリエも興味をもってくれると思う」
ジェイデンがそこまで語ったところで、皆に菓子や茶が行き渡った。ちなみに、茶話室の入口まではメイドが運んでいたが、そこからの給仕は側近騎士たちが行っている。扱っている話題が話題であるために、部外者は立ち入らせないようにしているのだとう。
「リアム、マックス、ご苦労だった。大事な、そして長丁場の話となる。君たちも着席してくれたまえ」
かしこまりました、と声を揃えた騎士たちは、マクシミリアンがジェイデンの隣へ、リアムはキリエの隣へと着席した。
緊張しているキリエの様子に気づいたリアムは、柔らかく声を掛ける。
「キリエ様、よかったですね。お好きなショコラのお菓子が色々とございますよ」
「えっ……、ぁ……」
「そうだとも! キリエはショコラのおやつになら手を伸ばしてくれる可能性が高いからな、たくさん用意したのだよ。好きなようにつまみながら、リラックスしてくれ」
リアムにもジェイデンにも気を遣ってもらっていると感じ、キリエはまだ若干固いながらも微笑を浮かべた。
「ありがとうございます、ジェイデン。いただきますね」
「どうぞ、どうぞ! リアム、必要であれば僕のほうにある菓子を持っていっても構わないから、キリエの好きなものを好きなだけ食べさせてあげてくれ」
「承知いたしました」
少食なキリエは目の前に置かれている菓子だけでも食べ残すだろうと思いつつも、若き国王の親切心に水を差すようなことはせず、リアムは穏やかに流す。プリシラは、一連のやり取りを眺めながら「ショコラがお好き……かわいい……尊い……」などと呟き、小型の手帳に何かを書きつけていた。
「──さて。そろそろ本題へ入っていこうか」
少し緩くなっていた空気が、ジェイデンの一言により、やや引き締まる。といっても、嫌な緊張感が満ちているわけではなく、適度な雰囲気だ。
キリエはリアムに視線で促され、小さなトリュフショコラを口に含む。ふんわりと柔らかな甘味が口腔内に満ちて、僅かではあるがほっとした。
「妖精人が実在すると仮定した場合、やはり我々が気になるのはキリエはどうなのだろうということだ。話をそこまで進める前に、僕たちは先代国王についてもう少し詳しく知っておく必要がある。──というわけで、コンラッド。そろそろ腹を括って話してくれるか?」
それまで神妙な面持ちで押し黙っていた宰相は、名を呼ばれて僅かに肩を震わせる。ジェイデンは、金色の眼差しで真摯にコンラッドを射抜いた。
「この席に呼ばれた時点で、こうなるだろうと予想していただろう? 父がまだ生きていたとき、そして次期国王がきまっていなかった時期に語れなかったことも、今は話せるようになったはず。現国王は、僕だ。我が国に関わるどんなことでも、僕は知る権利を持っているはずだ。……コンラッド。君は、父が正妻に迎えたかったのが誰なのか、そして、死因が何であるのかも知っているのだろう?」
重い沈黙が満ちる。皆の視線を集めている宰相は、苦しげな表情を浮かべていた。暫く逡巡していたコンラッドは、苦々しい声音で言う。
「無論、陛下に隠し立てをするつもりはございません。お望みとあらば、全てを打ち明けましょう。……しかしながら、この場にプリシラがいるというのは如何なものでしょうか」
「問題無い。彼女は機密を軽々しく口外するような人間ではない。いくら個性的でも、末っ子でも、侯爵令嬢として厳しく躾けられている。王家の秘め事を口外すればどうなるか、賢い彼女が分からないはずがない。……そうだろう、シーラ?」
ジェイデンから話を振られたプリシラは、堂々と頷いた。
「無論でございます。此度の茶話会で得た情報は、国王陛下ならびに王兄殿下の御役に立つためのものだと心得ておりますわ。私が今までに得てきた妖精人研究の知識は惜しみなく献上いたしますが、殿下方のおはなしを研究会に落とし込むことなど断じていたしません。私が個人的に陛下や殿下へ御力添えできるということがあれば、何なりと尽力いたしますけれども、それを外部へ漏らすこと即ちヘイソーンスウェイト家の終焉であると重々理解しております」
キリエを初めて目の当たりにした際の奇怪な言動が嘘のように、プリシラは落ち着き払って語っている。物怖じせず気品のある姿は、なるほど侯爵令嬢であると納得せざるをえない品格を持っていた。
ジェイデンが満足そうに頷いたのに微笑み返したプリシラは、その優しく知的な笑みをキリエへも向ける。
「キリエ様。皆で寄ってたかって妖精人の話をしている中へ放り込まれてしまったような心地でいらっしゃるかもしれません。しかし、陛下は本当にキリエ様を御心配なさっておいでです。私も、決して己の知的好奇心を満たすためにこの場にいるわけではなく、少しでも御役に立てればという思いでおります。キリエ様について知ったことを悪用したりなど、決していたしません。……信じていただけますか?」
「──はい、信じます。ジェイデンも、プリシラも、ありがとうございます」
一人でびくびくと怯えているのは恥ずかしい、自分も彼女のように堂々としていたい。そんな思いから、キリエは頷きながら、ようやく自然な笑みを浮かべることができた。
「ありがとうございます、キリエ様。あぁ、なんて尊い笑顔でございましょうか。どうぞ、気安くシーラとお呼びくださいませ」
「はい、シーラ」
「あぁぁぁ……、推しに名前を呼んでいただける幸せを噛みしめたいところですが、それは後でゆっくり反芻いたします。──というわけで、御祖父様」
キリエと目を合わせて身悶えかけたプリシラは自制し、隣に座る祖父──コンラッドをまっすぐに見つめる。
「あとはもう、御祖父様が腹を括るだけでございます」
「……そのようだな。きっと、オズワルド様にもお許しいただけるだろう」
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