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序章・成長編
第12話 新人と妹?
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第12話 新人と妹?
旧仙秋タワーにて。
「なぁ一緒に特命依頼屋やろうぜ!」
「断る……」
「なんでだよ!」
「俺にはお前のような群れることなど出来ないからだ!」
白虎は僕の誘いを即座に断る。……真面目に考えればそれもそうだ。かつて所属した組織を倒した組織に仲間入りするなんて普通に考えればプライドがないようなものである。
「そうだよな……ん?」
僕は隣にいる人を見る。……カリアをただただ見つめる。
「……何よ。」
「あ、いえ……なんでも。」
数時間前、特命依頼屋。
「新メンバーの報告でーす!カリアちゃんでーす!」
三ツ矢さんは僕らに秘密でカリアが仲間に入る話を二人で決めていたらしい。性格が悪い!
「カリアです。私は良い女よ。」
(な、何教えてんだあの鬼畜上司ィィィーーーーー!!!)
絶対あんな恥ずかしい台詞言わせるのあいつしかいないだろ!どう考えても自己紹介で言う台詞か!?
「……あ、あのカリアちゃん?なんだいその台詞は?」
「……長嶋が教えてくれた。」
上司の上司かい!この人がこの人なら上も上だよ!頭おかしいんじゃねえの!?あの正闘会とやら!?
「そ、そう……あの人も大概にしろよ。まぁカリアちゃんこういう感じだけど……教育担当は……女の子同士で有栖さんにしようかな。」
「あら女の子なんて総司ちゃん嬉しいこと言ってくれるわね……」
「そうそう、だから女の子同士で……」
「光がいい。」
「「え?」」
「私、光がいい。」
その場にいる全員が僕に視線を向ける。
「おいおいやべぇじゃねえの結城。意外とモテたり?」
「……そんなんじゃねえよ。」
クームにそう返すとカリアは僕に近づいた。
「私は……私が知りたい。」
僕は自分の顔が青ざめているのが……自分でも分かった。
「あ、じゃあクームは今日で彼の教育係を終わりかな?」
「となるとこれから……ヒカリアコンビ?」
「決まりだね。ヒカリアコンビ……プックク……」
そしてクームの考えたコンビ名に鬼畜がふふっと笑っているのもよく見えた。
そんなコンビに頼まれた仕事は買い出しである。
「光、顔くらい。」
「いやあ……あはは……」
「どうして……そんな暗いの?」
「だって……だって……まさかコンビとして組むなんて思う訳ないでしょーーーッッッ!!!」
僕は思わず声を荒らげた。
「妹の体に興奮でもしてるの?」
「そうじゃないやい!」
「……ふーん。」
確かに妹だが妹であって彼女は妹ではない。
「そう言えば……カリアって前は○○します!ってですますって感じで機械みたいな感じだったけど……急にどうしたの?」
「あー、ここの組織の人は敬語じゃなくてオッケーってカイスが言ってたの。三ツ矢は逆にかわ面白いからって言ってた。」
三ツ矢さん!?なんで俺とかの時だけぇ!?
「そ、そうなんだ……」
「ん?頼まれたのと道違うよ。」
「あぁ、ちょっと個人的に行きたいところがあってね……きっとアイツならここにいるって思うから。」
「そう……」
……というわけで今に至る。
「とにかく今日だけでも見てかない?ねぇ!頼むよぉ!」
「随分と馴れ馴れしいな……この間のシリアス的なのはどこに行ったのだ貴様。」
「いいから頼むよぉ!」
「Qに対してBで返すな!質問の意図分からないのか貴様は!Aで返せ!」
「はぁ……そっかぁ。」
僕は落ち込んだふりをしながら買い出しをすることにした。
一方、八幸の残党。
「さゆきは死んで、カリアは裏切った……女の子いないねぇ。」
「それどころじゃねえだろ第2位……第1位がいないかと思えばボスもいないんだぞ。」
「お二人共……我々だけで話しても解決はしないのでは?六位と七位の二人にも声をかけなければ。」
山川と赤座に対し、慎重な黒口。
「へぇ……料理人さん、あの二人に考えでもあるというの?」
「まあ……力に固執した我々よりは知恵があるのかも……しれないですよ。」
「なんだと貴様。」
赤座は殴りかかろうとするも黒口の一瞬の攻撃により、赤座は骨を折られる。
「いってぇ!」
「……第六位はともかく……第七位であればあそこの組織に隠れているかもしれないですよ。」
「はぁ?何言って……」
「あなたの骨も折りますか?」
「きゃー!やめてくださーい!」
一瞬にして煽り散らかすように山川は黙った。
「お前ら3人で何してんの?」
「噂をすればなんとやら……来ましたよ。彼女です。」
「俺は女じゃねえよ。」
見た目は女だが……彼女は自分を何故かそう言った。
「あんたが第6位?」
「鈴虫 カメリ……以後お見知りおきを。」
……あれからしばらくして僕達は買い出しを再開することにした。
「あと足りないものは?」
「うーん……」
買い出しリストには仕事で使う備品があるものの……中にはどう考えてもおかしいものがあったりする。
「これはおかしいよね?」
「どういうの?」
「エナジードリンク……」
「あそこの人達はみんな飲むよね。」
「そうか……じゃあこれ、メイド服。」
「あー……鎌子さんとかエヌルさんが着たりする。」
「……一体どんな趣味で」
この職場はやはり、問題だらけである。とりあえず僕達はなんでも売ってるであろう某店へと向かった。
「〇ンキだ……〇ンキしかない!」
「君だけだよ……私のところにやってくるのは。」
「少し変な狼に絡まれましたけど結局自分は……あなたの部下でしたから。」
白夜は長嶋のとこにここ数日、毎日来ていた。
「これから君はどうするつもりなんだ?」
「……まだ特には」
「本当は私のところに行くより……彼らの元に行きたいんじゃないか?」
「それは……ないですよ。」
「どうだかねぇ……」
少しばかり、あの狼と共闘する、同じ職場で働く……何故かそれも良いかもしれないと白夜は長嶋と会話して思った。
僕達は買い物を終えて、事務所に向かった。
「ただいま戻りまし――」
僕が扉を開けた瞬間、クラッカーの音が鳴り響く!
「「「「「新人歓迎会開始!」」」」」
事務所には多くの人がおり、下の階の受付担当などの多くの人もそこにはいた。
「ほら社長……あんたも参加するんだよ。」
「俺はこういう場は苦手だからモリさん、いつもの!」
「なんだよいつものって……」
「裸ネクタイ!」
つい最近、白夜が似たようなことを言っていた気がする。なんなら三ツ矢さんってやっぱ長嶋さんの部下だな。不可思議と類似する発言から僕はそう思った。
「絶対に見えねショー!やろうと思います!」
なんやかんやでモリさんは大道芸のように服を脱ぎ捨て、気づけばネクタイ一丁。三ツ矢さんは鬼畜だ。
「……鬼畜なんて思うでしょ?」
「貴方は?」
スーツを着た爽やかな男が現れる。
「俺、営業の梅森善蜂っす!どもども!」
「は、はぁ……」
「総司ちゃんって鬼畜に見えるけど……俺にはちょっと大人びた子供にしか見えねぇっすよ。」
「はぁ……」
「総司ちゃんって言われるくらいだもん。ちゃん付けは可愛がられてる証拠っすよ。」
「た、確かに……」
この人、一見……チャラそうに見えて意外と的を得た発言をしてくる。
「だって好きな寿司ネタで玉子頼むんですよ……ぷくく」
「玉子がなんだって?言ってみろよ、おい。」
三ツ矢さんは一瞬にして現れて梅森さんに近づいた。
「子供っぽいんだよ総司ちゃんは」
「てめぇもういっぺん言ってみろ!」
楽しそうな二人を見て不思議とほっこりしてしまった。
「お疲れ、もう教育しなくていいな。」
「いつでも先生だよ、クームは。」
「そうか……」
クームは酒を持って僕に目で提案をする。
「「……乾杯。」」
to be continued
旧仙秋タワーにて。
「なぁ一緒に特命依頼屋やろうぜ!」
「断る……」
「なんでだよ!」
「俺にはお前のような群れることなど出来ないからだ!」
白虎は僕の誘いを即座に断る。……真面目に考えればそれもそうだ。かつて所属した組織を倒した組織に仲間入りするなんて普通に考えればプライドがないようなものである。
「そうだよな……ん?」
僕は隣にいる人を見る。……カリアをただただ見つめる。
「……何よ。」
「あ、いえ……なんでも。」
数時間前、特命依頼屋。
「新メンバーの報告でーす!カリアちゃんでーす!」
三ツ矢さんは僕らに秘密でカリアが仲間に入る話を二人で決めていたらしい。性格が悪い!
「カリアです。私は良い女よ。」
(な、何教えてんだあの鬼畜上司ィィィーーーーー!!!)
絶対あんな恥ずかしい台詞言わせるのあいつしかいないだろ!どう考えても自己紹介で言う台詞か!?
「……あ、あのカリアちゃん?なんだいその台詞は?」
「……長嶋が教えてくれた。」
上司の上司かい!この人がこの人なら上も上だよ!頭おかしいんじゃねえの!?あの正闘会とやら!?
「そ、そう……あの人も大概にしろよ。まぁカリアちゃんこういう感じだけど……教育担当は……女の子同士で有栖さんにしようかな。」
「あら女の子なんて総司ちゃん嬉しいこと言ってくれるわね……」
「そうそう、だから女の子同士で……」
「光がいい。」
「「え?」」
「私、光がいい。」
その場にいる全員が僕に視線を向ける。
「おいおいやべぇじゃねえの結城。意外とモテたり?」
「……そんなんじゃねえよ。」
クームにそう返すとカリアは僕に近づいた。
「私は……私が知りたい。」
僕は自分の顔が青ざめているのが……自分でも分かった。
「あ、じゃあクームは今日で彼の教育係を終わりかな?」
「となるとこれから……ヒカリアコンビ?」
「決まりだね。ヒカリアコンビ……プックク……」
そしてクームの考えたコンビ名に鬼畜がふふっと笑っているのもよく見えた。
そんなコンビに頼まれた仕事は買い出しである。
「光、顔くらい。」
「いやあ……あはは……」
「どうして……そんな暗いの?」
「だって……だって……まさかコンビとして組むなんて思う訳ないでしょーーーッッッ!!!」
僕は思わず声を荒らげた。
「妹の体に興奮でもしてるの?」
「そうじゃないやい!」
「……ふーん。」
確かに妹だが妹であって彼女は妹ではない。
「そう言えば……カリアって前は○○します!ってですますって感じで機械みたいな感じだったけど……急にどうしたの?」
「あー、ここの組織の人は敬語じゃなくてオッケーってカイスが言ってたの。三ツ矢は逆にかわ面白いからって言ってた。」
三ツ矢さん!?なんで俺とかの時だけぇ!?
「そ、そうなんだ……」
「ん?頼まれたのと道違うよ。」
「あぁ、ちょっと個人的に行きたいところがあってね……きっとアイツならここにいるって思うから。」
「そう……」
……というわけで今に至る。
「とにかく今日だけでも見てかない?ねぇ!頼むよぉ!」
「随分と馴れ馴れしいな……この間のシリアス的なのはどこに行ったのだ貴様。」
「いいから頼むよぉ!」
「Qに対してBで返すな!質問の意図分からないのか貴様は!Aで返せ!」
「はぁ……そっかぁ。」
僕は落ち込んだふりをしながら買い出しをすることにした。
一方、八幸の残党。
「さゆきは死んで、カリアは裏切った……女の子いないねぇ。」
「それどころじゃねえだろ第2位……第1位がいないかと思えばボスもいないんだぞ。」
「お二人共……我々だけで話しても解決はしないのでは?六位と七位の二人にも声をかけなければ。」
山川と赤座に対し、慎重な黒口。
「へぇ……料理人さん、あの二人に考えでもあるというの?」
「まあ……力に固執した我々よりは知恵があるのかも……しれないですよ。」
「なんだと貴様。」
赤座は殴りかかろうとするも黒口の一瞬の攻撃により、赤座は骨を折られる。
「いってぇ!」
「……第六位はともかく……第七位であればあそこの組織に隠れているかもしれないですよ。」
「はぁ?何言って……」
「あなたの骨も折りますか?」
「きゃー!やめてくださーい!」
一瞬にして煽り散らかすように山川は黙った。
「お前ら3人で何してんの?」
「噂をすればなんとやら……来ましたよ。彼女です。」
「俺は女じゃねえよ。」
見た目は女だが……彼女は自分を何故かそう言った。
「あんたが第6位?」
「鈴虫 カメリ……以後お見知りおきを。」
……あれからしばらくして僕達は買い出しを再開することにした。
「あと足りないものは?」
「うーん……」
買い出しリストには仕事で使う備品があるものの……中にはどう考えてもおかしいものがあったりする。
「これはおかしいよね?」
「どういうの?」
「エナジードリンク……」
「あそこの人達はみんな飲むよね。」
「そうか……じゃあこれ、メイド服。」
「あー……鎌子さんとかエヌルさんが着たりする。」
「……一体どんな趣味で」
この職場はやはり、問題だらけである。とりあえず僕達はなんでも売ってるであろう某店へと向かった。
「〇ンキだ……〇ンキしかない!」
「君だけだよ……私のところにやってくるのは。」
「少し変な狼に絡まれましたけど結局自分は……あなたの部下でしたから。」
白夜は長嶋のとこにここ数日、毎日来ていた。
「これから君はどうするつもりなんだ?」
「……まだ特には」
「本当は私のところに行くより……彼らの元に行きたいんじゃないか?」
「それは……ないですよ。」
「どうだかねぇ……」
少しばかり、あの狼と共闘する、同じ職場で働く……何故かそれも良いかもしれないと白夜は長嶋と会話して思った。
僕達は買い物を終えて、事務所に向かった。
「ただいま戻りまし――」
僕が扉を開けた瞬間、クラッカーの音が鳴り響く!
「「「「「新人歓迎会開始!」」」」」
事務所には多くの人がおり、下の階の受付担当などの多くの人もそこにはいた。
「ほら社長……あんたも参加するんだよ。」
「俺はこういう場は苦手だからモリさん、いつもの!」
「なんだよいつものって……」
「裸ネクタイ!」
つい最近、白夜が似たようなことを言っていた気がする。なんなら三ツ矢さんってやっぱ長嶋さんの部下だな。不可思議と類似する発言から僕はそう思った。
「絶対に見えねショー!やろうと思います!」
なんやかんやでモリさんは大道芸のように服を脱ぎ捨て、気づけばネクタイ一丁。三ツ矢さんは鬼畜だ。
「……鬼畜なんて思うでしょ?」
「貴方は?」
スーツを着た爽やかな男が現れる。
「俺、営業の梅森善蜂っす!どもども!」
「は、はぁ……」
「総司ちゃんって鬼畜に見えるけど……俺にはちょっと大人びた子供にしか見えねぇっすよ。」
「はぁ……」
「総司ちゃんって言われるくらいだもん。ちゃん付けは可愛がられてる証拠っすよ。」
「た、確かに……」
この人、一見……チャラそうに見えて意外と的を得た発言をしてくる。
「だって好きな寿司ネタで玉子頼むんですよ……ぷくく」
「玉子がなんだって?言ってみろよ、おい。」
三ツ矢さんは一瞬にして現れて梅森さんに近づいた。
「子供っぽいんだよ総司ちゃんは」
「てめぇもういっぺん言ってみろ!」
楽しそうな二人を見て不思議とほっこりしてしまった。
「お疲れ、もう教育しなくていいな。」
「いつでも先生だよ、クームは。」
「そうか……」
クームは酒を持って僕に目で提案をする。
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