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第一章 リオン幼年期
16.「法術師フランソア 」
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男は振り返ったと同時に、ミルザとサラの存在に気づいた様で、勢い良く話出した。
「おお!誰が来たのかと思えば、団長じゃないか!
いや、違った。本来は副団長か。
いや、それも今は違うか、元副団長?
いや、どっちだ。
そもそも今の名前はなんだ?役職はなさそうだか…
役職どころか、そもそも騎士団引退したから一般Peopleか?
パンピーさんとでも呼ぼうか?はははっ…」
ミルザとサラは、フランソアのあまりの勢いに圧倒されていた。
(相変わらずこのキャラは変わりないか……。帝都に勤める事になって、少しは変わってる事に期待した自分がバカバカしくるなる…)
内心そう思いつつ、ミルザはフランソアに話かけた。
「久しぶりだなフランソア。
積もる話もあると思うが、急いで調べてほしい事があって訪ねた。
珍しく今日は時間がありそうだな。
話を聞いてくれるか?」
ミルザの急な頼みに、フランソアはニッコリと不気味な微笑みを浮かべ、こう言った。
「Yes!団長様ぁ。なんなりとお申し付け下さいませぇ。………ん??」
フランソアは、ミルザの横で少し警戒しながらこっちを見ているサラに気づいた。
「おいおい、ちょっと待って下さいよ団長さん。お嬢様がご一緒なら早く言って下さいよ」
そう言うとサラにゆっくりと歩み寄った。
「紹介が遅れてすみません。
私はこの帝国図書館の館長を勤める、フランソアと言う者です。
今日はどの様なご用件で?」
いやに礼儀正しい口調で言った。
サラは警戒心が溶けずに、さらに固まって口を開くことすら出来なくなってしまった。
……………
フランソアとサラは、真顔のまま固まった状態になった。
……………
さらに数秒間沈黙が流れた後に、サラをかばう様にミルザが話出した。
「この子は訳あって、今はオレと一緒に旅をしている「サラ」と言う子だ。
人見知りがあるみたいで、そっけない態度だが許してやってくれ」
「ふ~ん、そうかそうか。一緒に旅かぁ~
まぁ今は「わかった」とだけ言っておこう。
いずれは深く関わる事になりそうだが……
お嬢さん、その指輪は絶対に手放してはだめだよ♪」
ミルザとサラはその言葉にハッとして、改めてフランソアの観察力と、目には見えない能力に驚かされた。
「紋章の事だろ?
これから、かなりの厄介な事が立て続けに起こりそうだな。
いや、すでに始まっているのかもしれないな。
そう思わないか?アント……
いや、すまん今は確かミルザと言う名だったな。
そう思わないか?ミルザ」
フランソアは今までの茶化した表情とは打って変わって、真面目な表情を見せた。
「キャラもそうだが、能力も相変わらず衰えてないようだな。ここで話しても大丈夫なのか?」
「いや、場所を移そう。
室内より外の方がかえって安全だ。
サラちゃん♪君にどうしても見てもらいたいお花があるから、外に行こうか。
君を一目見た時から、あの花をプレゼントしたいと思ってたんだ♪」
サラは急に名前を呼ばれて、少し寒気を感じつつ震えながら無理矢理ゆっくりうなずいてみせた。
フランソアは再び不気味な笑みを浮かべ、ガラス張りの透明な大きな扉へと進み出した。
扉に近づくと、サラは透明な扉越しに見える景色を見て、驚くと同時に目を輝かせた。
それはまるで、晴れ渡る広大な山脈の峠に延々と続く様な御花畑の景色だった。
「さぁどうぞこちらへ」
いやに礼儀正しく扉を開いたフランソアは、不気味な笑みをニッコリと浮かべて二人を扉の外への招いた。
「おお!誰が来たのかと思えば、団長じゃないか!
いや、違った。本来は副団長か。
いや、それも今は違うか、元副団長?
いや、どっちだ。
そもそも今の名前はなんだ?役職はなさそうだか…
役職どころか、そもそも騎士団引退したから一般Peopleか?
パンピーさんとでも呼ぼうか?はははっ…」
ミルザとサラは、フランソアのあまりの勢いに圧倒されていた。
(相変わらずこのキャラは変わりないか……。帝都に勤める事になって、少しは変わってる事に期待した自分がバカバカしくるなる…)
内心そう思いつつ、ミルザはフランソアに話かけた。
「久しぶりだなフランソア。
積もる話もあると思うが、急いで調べてほしい事があって訪ねた。
珍しく今日は時間がありそうだな。
話を聞いてくれるか?」
ミルザの急な頼みに、フランソアはニッコリと不気味な微笑みを浮かべ、こう言った。
「Yes!団長様ぁ。なんなりとお申し付け下さいませぇ。………ん??」
フランソアは、ミルザの横で少し警戒しながらこっちを見ているサラに気づいた。
「おいおい、ちょっと待って下さいよ団長さん。お嬢様がご一緒なら早く言って下さいよ」
そう言うとサラにゆっくりと歩み寄った。
「紹介が遅れてすみません。
私はこの帝国図書館の館長を勤める、フランソアと言う者です。
今日はどの様なご用件で?」
いやに礼儀正しい口調で言った。
サラは警戒心が溶けずに、さらに固まって口を開くことすら出来なくなってしまった。
……………
フランソアとサラは、真顔のまま固まった状態になった。
……………
さらに数秒間沈黙が流れた後に、サラをかばう様にミルザが話出した。
「この子は訳あって、今はオレと一緒に旅をしている「サラ」と言う子だ。
人見知りがあるみたいで、そっけない態度だが許してやってくれ」
「ふ~ん、そうかそうか。一緒に旅かぁ~
まぁ今は「わかった」とだけ言っておこう。
いずれは深く関わる事になりそうだが……
お嬢さん、その指輪は絶対に手放してはだめだよ♪」
ミルザとサラはその言葉にハッとして、改めてフランソアの観察力と、目には見えない能力に驚かされた。
「紋章の事だろ?
これから、かなりの厄介な事が立て続けに起こりそうだな。
いや、すでに始まっているのかもしれないな。
そう思わないか?アント……
いや、すまん今は確かミルザと言う名だったな。
そう思わないか?ミルザ」
フランソアは今までの茶化した表情とは打って変わって、真面目な表情を見せた。
「キャラもそうだが、能力も相変わらず衰えてないようだな。ここで話しても大丈夫なのか?」
「いや、場所を移そう。
室内より外の方がかえって安全だ。
サラちゃん♪君にどうしても見てもらいたいお花があるから、外に行こうか。
君を一目見た時から、あの花をプレゼントしたいと思ってたんだ♪」
サラは急に名前を呼ばれて、少し寒気を感じつつ震えながら無理矢理ゆっくりうなずいてみせた。
フランソアは再び不気味な笑みを浮かべ、ガラス張りの透明な大きな扉へと進み出した。
扉に近づくと、サラは透明な扉越しに見える景色を見て、驚くと同時に目を輝かせた。
それはまるで、晴れ渡る広大な山脈の峠に延々と続く様な御花畑の景色だった。
「さぁどうぞこちらへ」
いやに礼儀正しく扉を開いたフランソアは、不気味な笑みをニッコリと浮かべて二人を扉の外への招いた。
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