にくしょく青春!犬と狼編

赤田作

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5th-contact

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僕の交際宣言から3日経った今では、女の子達が寄り付くこともなくなって、正直楽になったなぁと思う。

「モ~テ男くん!随分と晴れやかな顔してるねぇ?」

……ただ、海堂くんの僕いじりは終わらなさそう。

「いい加減僕で遊ぶのやめてよ」

苛立たしげに僕が言っても

「おもちゃは大事にするほうなんでなぁ」

「僕はおもちゃじゃないよ!次は君のせいで疲れてきた……!」

涙目になって僕がこんなことを言ったって…!

「……まぁ、ちょっとやりすぎたか」

…いじりを続けることなくクラスの波の中へ入っていった。
どうしてあんなにすぐ離れてくれたんだろう?答えはすぐ側にあった。

「っと、ごめんなさい」

「こっちこそすいませ……小堀さん!」

後に軽い衝撃と、高い声がしたので振り返ると、今登校してきたらしい小堀さんがいた。

「あ、おはよう」

なんだかそっけない挨拶をひとつして、席へ歩いていってしまった。
僕何かしたかな……。
ふと、視線を感じてあたりを見回してみたら、教室の奥で海堂くんがニヤニヤしながらこっちを伺っていた。

「・・・今日の授業は終わりだ。解散」

『ありがとうございましたー』

1時限目が終わって、隣の席へ視線を向けた。
僕の隣には教材を整理する小堀さんがいる……綺麗だな。
僕がしばらく見つめていたら、彼女の方も気づいたようで

「どうかした?」

首をかしげながらきいてきた。
その仕草だけで、心が幸せで満たされる。

「んー……少し充電」

何気なくそう答えると、小堀さんの顔が真っ赤に染まった。

                     ✲✲✲

充電……。
その一言だけで、顔が火照るのが分かる。
甘い一言に、私まで溶かされてしまうようで、心地がいい。
声を聞くたびに、胸が暖かくなる。
笑いかけられるたびに、幸せで満たされてしまう。

「いつも反則だょ……」

うまく声が出せなくて、だんだんとしりすぼみになってしまう。

「こうやってゆっくりできるの久しぶりだから、ついね」

えへへと笑うりっくん。
なんだか、小悪魔みたい。

「りっくん、ちょっと来て」

私は手招きをして席に座るりっくんを呼ぶと、勢いよく抱きついた。

「な、なななに……!」

りっくんの胸に顔を埋めながら

「ちょっと充電」

そう、いたずらっぽく言い返した。
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