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第3章
71話「業火の中で2」
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「俺達を知ってる?」
「ああ……ジールのお気に入りと盾の兄ちゃんの仲間だよな?あの2人は居ねえのか?」
ルガートは周囲を見渡す。
盾の兄ちゃんとはエヴィエスのことだろう。
だとするとお気に入りとはシロのことだ。
シロがなぜお気に入りと呼ばれているかは分からない。
しかし、エヴィエスが盾を使ったのは謎の攻撃からシロを守ったただ一度だけだ。
即ち、あの場を見ていたと言っているに他ならない。
街に押し寄せる魔物達はローレンとカリンを無視して横を通り抜けていく。
街の中に走り去る魔物達を止めたいが、ローレンはルガートを前に一歩も動けなかった。
「あいにく、あの2人は一緒じゃないんだ。そのうち来ると思うからもしよかったらそこの店でお茶でもどうかな?」
エヴィエスは街を襲った混乱で誰も居なくなった店に視線を向ける。
「はははっ!!俺を茶に誘うのか!?だが、生憎俺はそんなもの興味ないんでな」
「まあまあ、そう言うなよ……お前テラーのルガートだよな?なにぶんアンタみたいに会話が出来る奴に会ったことないんだ。話をしてみたいと思うのは当然だろう?」
ローレンはカリンに視線を送り、彼女は視線を逸らさず頷いた。
「私もお話聞きたいなーよく見るとカッコよくて素敵だし!!」
「ガハハハハハハハハ!!!お前達は本気に面白いな!!!」
ルガートは腹を抱えて大声で笑う。
その声の大きさは空気が震え、振動がローレンに伝わるほどだ。
「だが、お前達の時間稼ぎに付き合う気はない」
そう言った瞬間、ルガートはピタリと笑うのをやめた。
「強敵を目の前に戦えるのは2人だけ。当然お前達に勝ち目はない。だとすると時間稼ぎして仲間を待つのが最も利口な判断だ。絶望に浸ることなく頭を回転させ最善を尽くす。見事な判断だ」
(クソッ!!)
額から流れた汗が頬を伝い地面に落ちる。
ローレンの考えは見事に見透かされていた。
これだけ大規模な襲撃だ。
ミズラフから人器使いが応援に来るのは時間の問題だと考えていたのだ。
「認めてやる。お前は俺が戦うに値する強者だと……名は?」
(ローレン……腹を括るよ)
リディスの冷静な言葉が脳裏に響く。
彼女はもう覚悟を決めている。
できればもう少し時間を稼ぎたかったのだが、それは出来そうにない。
「俺はローレン。パートナーはリディスだ」
ローレンはゆっくりとリディスの人器を構え、剣先をルガート向ける。
これから先は実力で時間を稼ぐしかない。
「私はカリン……パートナーはヴァルツ」
「ローレンにカリンか……さぁ!!楽しもうぜ!!!」
「「おおおおおおぉぉぉ!!!」」
ローレンとカリンの雄叫びがこだまする。
勝ち目のない戦い。
しかし、4人に逃げるという選択肢はなかった。
◆◆◆◆◆◆
同時刻。
ギルド本部では職員が慌ただしく走り回っていた。
職員や怪我人、逃げてきた人々でギルド一階のロビーはパニックに陥っていたのだ。
ラウド自身も直接ケントルムが襲われるとは考えていなかった。
それは、魔物の行動理念に反するものだったからだ。
「被害状況は!?」
ラウドは自身の執務室に入ってきた職員に声を掛ける。
「はぁはぁはぁ……はい!炎は一直線に東の住宅地区から西の農園の一部を焼き払いました。その炎の勢いは凄まじく、未だに衰える気配がありません。現時点で街の5分の1が焼失したものと思われます!!」
「5分の1……これ以上街が燃えるのを許してはならん!皆で消火と救助活動に当たれ!!」
「はい!」
職員は慌てて執務室室から出て行く。
「父さん!!」
入れ替わるようにカーミラがやってくる。
彼女も相当焦っているのだろう、いつの間にかラウドを普段どおり父さんと呼んでいた。
「カーミラ!?ベイルは!?」
「……ダメなの!ミズラフに行けなくなってるの!!」
「……なんだと!?」
悲壮感漂うカーミラの言葉にラウドは息を飲む。
ケントルムの人器使いの大半はミズラフに派遣してしまっている。
人間の生命線である長距離間移動が不可能になったのであれば増援は呼べない。
今ケントルムに居る戦力で守り抜かなければならないのだ。
「今同調が可能な人器使いは?」
「正確には分からない……でも、ウタにローレン。それにシロ君達が居るはずよ」
「そうか……」
ウタが居るのは幸いだが、この状況で連絡を取ることは難しいだろう。
ローレン達はラウドも信頼を寄せるミズラフの人器使いだ。
彼らなら自分達で最善の行動を取ってくれる筈だろう。
しかし、それだけでは戦力が余りにも少ない。
(ラウド……不味いことになったぞ……)
突然、アーチェからの声がラウドの頭に響く。
(アーチェか!?ミズラフへの道が途絶えているぞ!!どういうことだ!?)
(……ミズラフのウォールが破られた)
(なに!?)
「やられた!!!」
ラウドは自身の机をドンっと叩いた。
それはミズラフにウォールを破れるほどの脅威が迫っているに他ならない。
ミズラフの魔物達の量が徐々に増えていったこと。そして、今回のミズラフとケントルムの襲撃。
もし、誰かが意図的にミズラフに戦力を集めるように誘導していたのであれば……
ラウドは敵の掌の上で踊らされていたことになるのだ。
ギリっと歯を噛み締める。
(ミズラフは私と繋がってる者は居ないから状況は分からん)
(……ああ、ミズラフはベイルに任せるしかない。お前は大至急ヘリオスを呼んでくれ)
(分かった……)
「父さん……」
机を叩いたまま動かなくなったラウドにカーミラが心配そうに声を掛ける。
すると、さらに2人の職員が駆け込んでくる。
「ラウドさん!!北側で城壁が破られる魔物の群れが侵入して来ています!!」
「南のノトスも襲われています!至急救援をとのことです!!」
「えっ!?それって……」
ミズラフへの道は途絶え、ケントルムは孤立。街は魔物の侵入を許し、かつノトスも襲われている。
絶望的な状況にカーミラの顔色が青ざめていく。
「……分かった。まず街に緊急事態を発令しろ!戦える者は非同調者であっても戦ってもらう!!次に広場地下の避難所を開け!戦えない者はそこに避難させろ!」
「はい!!」
「ノトスには援軍は送れないと伝えろ!だが、部屋を開放して戦えない人達をケントルムに受け入れるんだ!!」
「はい!!」
執務室に入ってきた2人は慌てて出て行き、バタンと勢いよく扉が閉まった。
今部屋に居るのはラウドとカーミラだけ。
部屋の外からはパニックに陥っている人々の声が聞こえてくる。
「カーミラ……恐らく街の東にこの状況を描いた奴が居る。行けるか?」
「……うん」
「すまないな。もうお前を行使することはないと思っていたのだがな」
「大丈夫。私は大丈夫だから父さん……私を使って!」
僅かに戸惑いが見えたカーミラであったが、すぐに迷いを振り切りラウドを真っ直ぐに見つめる。
その瞳にはもう迷いの色はない。
カーミラの伸ばした左手を掴むと、彼女は一瞬で無骨な槌へと姿を変えていた。
「ラウドさん!!何を!?」
執務室に入ってきた黒髪でショートヘアの眼鏡を掛けた職員は巨大な槌を肩に掛けるラウドに慌てて声を掛けた。
「マライアか。ちょうどいいところに来た。後はお前に任せる」
「ええ!?ちょ!?」
マライアの返事を待たず、ラウドは執務室の窓から飛び出した。
ドンっという音を立てて着地したラウドは全力で東側に向けて地面を蹴った。
(誰だが知らねぇが、舐めた真似しやがって……)
ラウドの心は怒りに震えていた。
「ああ……ジールのお気に入りと盾の兄ちゃんの仲間だよな?あの2人は居ねえのか?」
ルガートは周囲を見渡す。
盾の兄ちゃんとはエヴィエスのことだろう。
だとするとお気に入りとはシロのことだ。
シロがなぜお気に入りと呼ばれているかは分からない。
しかし、エヴィエスが盾を使ったのは謎の攻撃からシロを守ったただ一度だけだ。
即ち、あの場を見ていたと言っているに他ならない。
街に押し寄せる魔物達はローレンとカリンを無視して横を通り抜けていく。
街の中に走り去る魔物達を止めたいが、ローレンはルガートを前に一歩も動けなかった。
「あいにく、あの2人は一緒じゃないんだ。そのうち来ると思うからもしよかったらそこの店でお茶でもどうかな?」
エヴィエスは街を襲った混乱で誰も居なくなった店に視線を向ける。
「はははっ!!俺を茶に誘うのか!?だが、生憎俺はそんなもの興味ないんでな」
「まあまあ、そう言うなよ……お前テラーのルガートだよな?なにぶんアンタみたいに会話が出来る奴に会ったことないんだ。話をしてみたいと思うのは当然だろう?」
ローレンはカリンに視線を送り、彼女は視線を逸らさず頷いた。
「私もお話聞きたいなーよく見るとカッコよくて素敵だし!!」
「ガハハハハハハハハ!!!お前達は本気に面白いな!!!」
ルガートは腹を抱えて大声で笑う。
その声の大きさは空気が震え、振動がローレンに伝わるほどだ。
「だが、お前達の時間稼ぎに付き合う気はない」
そう言った瞬間、ルガートはピタリと笑うのをやめた。
「強敵を目の前に戦えるのは2人だけ。当然お前達に勝ち目はない。だとすると時間稼ぎして仲間を待つのが最も利口な判断だ。絶望に浸ることなく頭を回転させ最善を尽くす。見事な判断だ」
(クソッ!!)
額から流れた汗が頬を伝い地面に落ちる。
ローレンの考えは見事に見透かされていた。
これだけ大規模な襲撃だ。
ミズラフから人器使いが応援に来るのは時間の問題だと考えていたのだ。
「認めてやる。お前は俺が戦うに値する強者だと……名は?」
(ローレン……腹を括るよ)
リディスの冷静な言葉が脳裏に響く。
彼女はもう覚悟を決めている。
できればもう少し時間を稼ぎたかったのだが、それは出来そうにない。
「俺はローレン。パートナーはリディスだ」
ローレンはゆっくりとリディスの人器を構え、剣先をルガート向ける。
これから先は実力で時間を稼ぐしかない。
「私はカリン……パートナーはヴァルツ」
「ローレンにカリンか……さぁ!!楽しもうぜ!!!」
「「おおおおおおぉぉぉ!!!」」
ローレンとカリンの雄叫びがこだまする。
勝ち目のない戦い。
しかし、4人に逃げるという選択肢はなかった。
◆◆◆◆◆◆
同時刻。
ギルド本部では職員が慌ただしく走り回っていた。
職員や怪我人、逃げてきた人々でギルド一階のロビーはパニックに陥っていたのだ。
ラウド自身も直接ケントルムが襲われるとは考えていなかった。
それは、魔物の行動理念に反するものだったからだ。
「被害状況は!?」
ラウドは自身の執務室に入ってきた職員に声を掛ける。
「はぁはぁはぁ……はい!炎は一直線に東の住宅地区から西の農園の一部を焼き払いました。その炎の勢いは凄まじく、未だに衰える気配がありません。現時点で街の5分の1が焼失したものと思われます!!」
「5分の1……これ以上街が燃えるのを許してはならん!皆で消火と救助活動に当たれ!!」
「はい!」
職員は慌てて執務室室から出て行く。
「父さん!!」
入れ替わるようにカーミラがやってくる。
彼女も相当焦っているのだろう、いつの間にかラウドを普段どおり父さんと呼んでいた。
「カーミラ!?ベイルは!?」
「……ダメなの!ミズラフに行けなくなってるの!!」
「……なんだと!?」
悲壮感漂うカーミラの言葉にラウドは息を飲む。
ケントルムの人器使いの大半はミズラフに派遣してしまっている。
人間の生命線である長距離間移動が不可能になったのであれば増援は呼べない。
今ケントルムに居る戦力で守り抜かなければならないのだ。
「今同調が可能な人器使いは?」
「正確には分からない……でも、ウタにローレン。それにシロ君達が居るはずよ」
「そうか……」
ウタが居るのは幸いだが、この状況で連絡を取ることは難しいだろう。
ローレン達はラウドも信頼を寄せるミズラフの人器使いだ。
彼らなら自分達で最善の行動を取ってくれる筈だろう。
しかし、それだけでは戦力が余りにも少ない。
(ラウド……不味いことになったぞ……)
突然、アーチェからの声がラウドの頭に響く。
(アーチェか!?ミズラフへの道が途絶えているぞ!!どういうことだ!?)
(……ミズラフのウォールが破られた)
(なに!?)
「やられた!!!」
ラウドは自身の机をドンっと叩いた。
それはミズラフにウォールを破れるほどの脅威が迫っているに他ならない。
ミズラフの魔物達の量が徐々に増えていったこと。そして、今回のミズラフとケントルムの襲撃。
もし、誰かが意図的にミズラフに戦力を集めるように誘導していたのであれば……
ラウドは敵の掌の上で踊らされていたことになるのだ。
ギリっと歯を噛み締める。
(ミズラフは私と繋がってる者は居ないから状況は分からん)
(……ああ、ミズラフはベイルに任せるしかない。お前は大至急ヘリオスを呼んでくれ)
(分かった……)
「父さん……」
机を叩いたまま動かなくなったラウドにカーミラが心配そうに声を掛ける。
すると、さらに2人の職員が駆け込んでくる。
「ラウドさん!!北側で城壁が破られる魔物の群れが侵入して来ています!!」
「南のノトスも襲われています!至急救援をとのことです!!」
「えっ!?それって……」
ミズラフへの道は途絶え、ケントルムは孤立。街は魔物の侵入を許し、かつノトスも襲われている。
絶望的な状況にカーミラの顔色が青ざめていく。
「……分かった。まず街に緊急事態を発令しろ!戦える者は非同調者であっても戦ってもらう!!次に広場地下の避難所を開け!戦えない者はそこに避難させろ!」
「はい!!」
「ノトスには援軍は送れないと伝えろ!だが、部屋を開放して戦えない人達をケントルムに受け入れるんだ!!」
「はい!!」
執務室に入ってきた2人は慌てて出て行き、バタンと勢いよく扉が閉まった。
今部屋に居るのはラウドとカーミラだけ。
部屋の外からはパニックに陥っている人々の声が聞こえてくる。
「カーミラ……恐らく街の東にこの状況を描いた奴が居る。行けるか?」
「……うん」
「すまないな。もうお前を行使することはないと思っていたのだがな」
「大丈夫。私は大丈夫だから父さん……私を使って!」
僅かに戸惑いが見えたカーミラであったが、すぐに迷いを振り切りラウドを真っ直ぐに見つめる。
その瞳にはもう迷いの色はない。
カーミラの伸ばした左手を掴むと、彼女は一瞬で無骨な槌へと姿を変えていた。
「ラウドさん!!何を!?」
執務室に入ってきた黒髪でショートヘアの眼鏡を掛けた職員は巨大な槌を肩に掛けるラウドに慌てて声を掛けた。
「マライアか。ちょうどいいところに来た。後はお前に任せる」
「ええ!?ちょ!?」
マライアの返事を待たず、ラウドは執務室の窓から飛び出した。
ドンっという音を立てて着地したラウドは全力で東側に向けて地面を蹴った。
(誰だが知らねぇが、舐めた真似しやがって……)
ラウドの心は怒りに震えていた。
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