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明るい朝に

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 肖像画は確かに大切。

 立派に完成させたい。

 けれどフレイディのことはもっと大切で、大事にしたいと思う。

 たとえそれがあと三ヵ月ほどで終わってしまう縁だとしても、大切なひとになったことに変わりはないのだから。

 契約が終わって帰るときには、もっと寂しくなるでしょう。

 アマリアは朝日の中に春の花、たんぽぽを見つけて眺めながら思った。

 明るい黄色は心が明るくなるようだったが、何故かちょっと物悲しかった。

 季節はあれから随分進んでしまったのだと思い知らされて。

 あの頃は薔薇が咲いていた。

 初夏の薔薇は活き活きしていて美しかったな、と懐かしく思う。

 しかし、そこでなにか音がした。

 わん、わんっ! と、元気のいい吠える声。

 レオンだ。

「レオンさん?」

 アマリアが振り返ると、たったっとレオンがこちらへ駆けてくるところ。

 どうやら朝の散歩から帰ったところのようだ。
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