宮廷画家令嬢は契約結婚より肖像画にご執心です!~次期伯爵公の溺愛戦略~

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!

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知らない少女の絵

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 アマリアはあまりメモを取る習慣がないのだが、画家によっては進捗や、思ったことなどを記録しておくことがある。

 過去に肖像画を描いてもらったときは、画家がノートになにか書きつけていたこともあった、とフレイディに少し前、聞いたのだ。

 それで俄然、興味が湧いてしまったというわけ。

 自分で描く参考になるだろう。

 なにしろプロの画家なのだから。

 ノートや紙をまとめたものという形状だろうから、紙ものがありそうなところを重点的に見ていく。

 あちこちものをどかしたり、引き出しを開けたりして、三十分近くが経っただろうか。

 乱暴にするとほこりが立つので、ゆっくり進めていたのもある。

 アマリアが探しに来たものは無事見つかった。

 それはやわらかな革の表紙がついたノートだった。

 表紙に年号や日付、そして大きめに『肖像画記録』と書いてあるのですぐにそれと知れた。

 アマリアは見つけられたことに胸が湧きたち、またどきどきしてきた。

 そっと表紙を開くと中の紙はやはり少々傷んで、黄ばんでいたけれど、読むのに支障はなさそうだった。

 紙をめくり、少しだけ読んでいく。
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