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初夜は甘くて、ほろ苦く……?

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「勿論、そうですけど?」

 一瞬、空気が止まったように感じられた。

 フレイディの動きがぴたりと止まったからだ。

 どくどく速い鼓動と、熱を感じながらも、アマリアはそろっとそのフレイディのほうを見て、口に出した。

「フレイディ様の肖像画を描くのが私のお仕事ですもの。フレイディ様は契約お相手ですし、そう思っております」

 フレイディの表情も止まっていた。

 優しい表情のまま、動かない。

 アマリアは身じろぎ、そっとフレイディの腕から抜け出した。

 力が緩んでいたからか、簡単に離れることができた。

 フレイディはなにも言わなかった。

 が、そろっと腕を引き、座り直した。

 数秒、沈黙が落ちる。

 やがてフレイディが口を開いた。

「そうか……、そうなのかい」

 まるで噛み締めているような、自分に言い聞かせているような声だった。

 アマリアの胸がちょっとだけ痛む。

 言い方が冷たかっただろうか?

 本当にそう思っているから言ったのだけど、言い方が悪かっただろうか……。
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