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小さな反省

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 どうしましょう……一応、直ることは直ると思うけど……。

 心の中で考えながら、丁寧にブラシを動かす。

 今日も綺麗に洗ってもらったので、するすると引っかかることなく髪はとかされていった。

 直る、とは今日、散々な状態にされた絵のことだ。

 アマリアは絵が好きで、幼い頃から油絵だの、水彩画だの、様々な絵を描いてきた。

 父にも使用人にも「上手い」とか「とても美しい」とか褒めてもらえるような出来栄えで、多分、身内贔屓はあるにしても、少しばかりは上手といえる部類なのだろう。

 ちょうど十歳の誕生日には父からあのアトリエをプレゼントされて、今では時間さえあればこもって好きな絵を描いているというわけ。

 今日のあの絵は油絵だった。

 塗りかけだったので絵の具は乾いておらず、それでレオンは絵の具まみれになったのであるが、絵のほうはまた絵の具を塗り直せば良い。

 一回乾けば削り落とせるので、飛び散ったところはそうして修復すればいい。

 しかし気に入るように塗れていたのに、という気持ちはある。

 同じようにと思って塗っても、まったく同じには絶対できないのだから。

 それを思うと、絵を駄目にしてきたレオン、ひいては管理不行き届きであったフレイディへの怒りが復活しそうになる。
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