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重色高校の日々②
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そして美術部に入るのもあっさり決めた。
元々、絵を描くのが好きだったし、重色高校の美術部は、割と真面目な活動をしているようだった。
部活動としてもコンスタントにあるそうで、デッサンやクロッキーなどという基礎的な練習も多い。技術を学ぶのも大事なことなのだ。好きな絵ばかりを描いているわけにはいかない。
技術がなければ、表現したいこともうまくできない。だから、基本を学ぶのはとても大事なことなのだった。
小学校では図画工作の時間が好きだったし、その中でも工作よりは、絵のほうが好きだと思っていた。
中学校では美術部に入った。そこで浅葱の絵の基盤ができたのだと思う。
少しずつ技術を習っていくのは楽しかった。小学校で図工の時間に思うがままに描いているのも楽しかったけれど、もっとうまく表現できるようになっていくのだ。楽しいに決まっていた。
とはいえ、イラストはあまり得意ではないのだけど。マンガなども、読むのは好きなので興味はあった。けれど、ちょっと描いてみたときあまり向いていないようだと思ってしまった。
かわいい女の子を描いたりするのは楽しい。けれどマンガにするためにストーリーを考えるのは自分のやりたいこととはちょっと違うと思ってしまった。
それよりは、純粋に『モノ』や『風景』を描いてみたい。それもじっくりと。そう思って、中学校の後半あたりからは、イラストはほとんど描かなくなっていた。
やりたいのはあくまで絵画。油絵やアクリル絵の具を使うポスターや……あるいは色鉛筆など。ちょっと固いといわれてしまうこともあるようなもの。
画材に特にこだわりはなかった。どれを使ってもそれぞれに楽しい。
油絵の、上へ上へと色を重ねてこってりと塗っていくのも楽しい。
アクリル絵の具の、ぱきっと場所を分けて、マットに、平面で表現するのも楽しい。
あるいは色鉛筆。さまざまな色を少しずつ塗っていって、その重なりで微妙なニュアンスを出していくのも楽しい。
そして、そういうふうに新しい画材や描きかたを知っていって、絵画の世界が広がっていくことを浅葱はとても楽しんでいた。
重色高校に入ってからは、高校生ということで余計に専門的なことも教えてもらえるようになっていって、部活動がとても楽しくなっていた。
春に入って、現在、夏休みも明けてしばらくした秋。ここまでに先生や先輩からいろいろと教わって、世界はどんどん広がっていくところ。一枚、絵が仕上がるたびに、自分の上達を感じられて、そのたびに感動してしまうのだった。
もちろん、重色高校で楽しんでいるのは、部活動と絵だけではなかった。
学校生活は当たり前のように楽しい。
中学校から一緒だった、親友の綾とは今も同じクラスで、毎日のようにおしゃべりしたりお弁当を食べたり、休日は遊びに行ったりとしていたし、それ以外にも、高校で知り合った子たちもたくさんいた。
浅葱はクラスの中心的存在なんてものではなかったけれど、少なくともクラい性格ではない。
言ってしまえば、派手でも地味でもない、普通の女子生徒なのだった。
現在はいじめなども特にない、平和な学園生活が続いていた。絵に集中して楽しめてしまうくらいには。
元々、絵を描くのが好きだったし、重色高校の美術部は、割と真面目な活動をしているようだった。
部活動としてもコンスタントにあるそうで、デッサンやクロッキーなどという基礎的な練習も多い。技術を学ぶのも大事なことなのだ。好きな絵ばかりを描いているわけにはいかない。
技術がなければ、表現したいこともうまくできない。だから、基本を学ぶのはとても大事なことなのだった。
小学校では図画工作の時間が好きだったし、その中でも工作よりは、絵のほうが好きだと思っていた。
中学校では美術部に入った。そこで浅葱の絵の基盤ができたのだと思う。
少しずつ技術を習っていくのは楽しかった。小学校で図工の時間に思うがままに描いているのも楽しかったけれど、もっとうまく表現できるようになっていくのだ。楽しいに決まっていた。
とはいえ、イラストはあまり得意ではないのだけど。マンガなども、読むのは好きなので興味はあった。けれど、ちょっと描いてみたときあまり向いていないようだと思ってしまった。
かわいい女の子を描いたりするのは楽しい。けれどマンガにするためにストーリーを考えるのは自分のやりたいこととはちょっと違うと思ってしまった。
それよりは、純粋に『モノ』や『風景』を描いてみたい。それもじっくりと。そう思って、中学校の後半あたりからは、イラストはほとんど描かなくなっていた。
やりたいのはあくまで絵画。油絵やアクリル絵の具を使うポスターや……あるいは色鉛筆など。ちょっと固いといわれてしまうこともあるようなもの。
画材に特にこだわりはなかった。どれを使ってもそれぞれに楽しい。
油絵の、上へ上へと色を重ねてこってりと塗っていくのも楽しい。
アクリル絵の具の、ぱきっと場所を分けて、マットに、平面で表現するのも楽しい。
あるいは色鉛筆。さまざまな色を少しずつ塗っていって、その重なりで微妙なニュアンスを出していくのも楽しい。
そして、そういうふうに新しい画材や描きかたを知っていって、絵画の世界が広がっていくことを浅葱はとても楽しんでいた。
重色高校に入ってからは、高校生ということで余計に専門的なことも教えてもらえるようになっていって、部活動がとても楽しくなっていた。
春に入って、現在、夏休みも明けてしばらくした秋。ここまでに先生や先輩からいろいろと教わって、世界はどんどん広がっていくところ。一枚、絵が仕上がるたびに、自分の上達を感じられて、そのたびに感動してしまうのだった。
もちろん、重色高校で楽しんでいるのは、部活動と絵だけではなかった。
学校生活は当たり前のように楽しい。
中学校から一緒だった、親友の綾とは今も同じクラスで、毎日のようにおしゃべりしたりお弁当を食べたり、休日は遊びに行ったりとしていたし、それ以外にも、高校で知り合った子たちもたくさんいた。
浅葱はクラスの中心的存在なんてものではなかったけれど、少なくともクラい性格ではない。
言ってしまえば、派手でも地味でもない、普通の女子生徒なのだった。
現在はいじめなども特にない、平和な学園生活が続いていた。絵に集中して楽しめてしまうくらいには。
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