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発表会間近
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言われたことにはおどろいてしまったけれど。
でも実のところそうだったらいいなぁ、とは思っていた。
それで、今日思い切って「見に来てくれないかな」と言おうかと思っていたのだ。
あちらから言われたということにおどろいたのだけど、すごく嬉しい。
「うん! ぜひ来てほしいな」
明るく言った莉瀬に、隼斗くんも嬉しそうに、にこっとしてくれる。
「莉瀬さん、すごくがんばってたじゃん。その成果、見てみたいよ」
「そ、そんなに期待されるとプレッシャーなんだけど……」
普段の自信がうそのように、なんだかすくんでしまった。
隼斗くんは莉瀬のその様子を見てか、ふっと笑った。
「大丈夫だって。莉瀬さんならきっとうまくいく。信じてるよ」
そう言われればもっとくすぐったいではないか。
でも、もっとがんばらないと、と思えるようになった。
「じゃあ、今度チケット渡すね」
その日の夜、莉瀬は自分のぶんとしてもらっていたチケットを取り出した。
これは友だちや親せきのひとなんかに配って、ご招待するのだ。
その一枚が隼斗くんのところへ行くこと。
緊張するけど、自分なら絶対うまくやれる。
隼斗くんに最高のバレエを見せられる。
がんばれ、私。
自分に言い聞かせて莉瀬は、ピンク色のとっておきの封筒にチケットを入れて、封をした。
でも実のところそうだったらいいなぁ、とは思っていた。
それで、今日思い切って「見に来てくれないかな」と言おうかと思っていたのだ。
あちらから言われたということにおどろいたのだけど、すごく嬉しい。
「うん! ぜひ来てほしいな」
明るく言った莉瀬に、隼斗くんも嬉しそうに、にこっとしてくれる。
「莉瀬さん、すごくがんばってたじゃん。その成果、見てみたいよ」
「そ、そんなに期待されるとプレッシャーなんだけど……」
普段の自信がうそのように、なんだかすくんでしまった。
隼斗くんは莉瀬のその様子を見てか、ふっと笑った。
「大丈夫だって。莉瀬さんならきっとうまくいく。信じてるよ」
そう言われればもっとくすぐったいではないか。
でも、もっとがんばらないと、と思えるようになった。
「じゃあ、今度チケット渡すね」
その日の夜、莉瀬は自分のぶんとしてもらっていたチケットを取り出した。
これは友だちや親せきのひとなんかに配って、ご招待するのだ。
その一枚が隼斗くんのところへ行くこと。
緊張するけど、自分なら絶対うまくやれる。
隼斗くんに最高のバレエを見せられる。
がんばれ、私。
自分に言い聞かせて莉瀬は、ピンク色のとっておきの封筒にチケットを入れて、封をした。
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