トウシューズにはキャラメルひとつぶ

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!

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Bクラスはちょっとやっかい

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 Bクラスの練習は、これまでとは比べ物にならなかった。

 発表会の練習は、普段のレッスンと、並行して行われる。

 その『普段のレッスン』の部分が、これまでよりだいぶ難しくなってしまったのだ。

 はじめはついていくので精一杯。

 元々Bクラスにいた子たちを見て動いても、体が追いつかないのだ。

 発表会の振りつけを覚えたり練習をしたりするのだっていっぱいいっぱいなのに、莉瀬はこのタイミングで上のクラスにあがってしまったことを後悔した。


 けれどずっと後悔していたわけではない。

 だって乙津先生が『莉瀬ならできる』と思ってクラスをあげてくれたのだろうから。

 それならやってみせる。


 自分で言ったのだ。

『でも、私、がんばります! たくさん練習しないといけないっていうなら、みんなよりいっぱい練習します!』

 乙津バレエ教室に入った小学四年生のときの決意。

 あのときの自分を裏切りたくないから。
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