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発表会・配役発表
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申し訳ないが、もう『ナポリターナ』どころではなかった。
みんなで踊る、つまり『コールド』とはわけが違う。
こっちのほうが莉瀬のメインであり、見せ場になるだろうことは明らかだった。
白鳥の一羽になれるよりも、ある意味、すごいことなのだから。
まだどこか信じられない気持ちでいるうちに、ぱん、と先生が手を叩いた。
紙に見入っていたみんなが視線をあげて乙津先生を見る。
いつのまにか乙津先生の横に愛美お姉さんがきていた。
一人ずつに紙を配っていく。
どうやら一人ずつ違う紙のようだ。
愛美お姉さんは紙に書いてある名前だろう、なにかを確認しながら一人ずつに渡していってくれたから。
「役の発表は以上です。今日はこの用紙に、曲や役について簡単な解説が書いてあるので、それを読んでどんな役かを知ってください。もっと知りたいひとは、帰ってからおうちで調べてみてくださいね」
つまり、今日のレッスンは踊りではないということだ。
ちょっと残念ではあるけれど、莉瀬のもらった役は知らない作品と曲だったので、確かに詳しく知りたい。
それにそわそわしてしまっていつものレッスンは手につかないかもしれない、と思った。
紙を見ると、確かにそれぞれで違うようだ。
莉瀬のもらったものには『白鳥の湖』のおおまかなストーリーのほかには、『ナポリターナ』と、そして肝心の『リゼット』について書いてあったのだから。
「次のレッスンから練習に入りますが……役などの都合でBクラスに何人かあがることになります」
でも乙津先生のお話はそれで終わらなかった。
えっ、今、クラスがえ?
莉瀬の心臓がどきりと高鳴った。
まさか今、そんなタイミングがくるとは思わなかった。
みんなで踊る、つまり『コールド』とはわけが違う。
こっちのほうが莉瀬のメインであり、見せ場になるだろうことは明らかだった。
白鳥の一羽になれるよりも、ある意味、すごいことなのだから。
まだどこか信じられない気持ちでいるうちに、ぱん、と先生が手を叩いた。
紙に見入っていたみんなが視線をあげて乙津先生を見る。
いつのまにか乙津先生の横に愛美お姉さんがきていた。
一人ずつに紙を配っていく。
どうやら一人ずつ違う紙のようだ。
愛美お姉さんは紙に書いてある名前だろう、なにかを確認しながら一人ずつに渡していってくれたから。
「役の発表は以上です。今日はこの用紙に、曲や役について簡単な解説が書いてあるので、それを読んでどんな役かを知ってください。もっと知りたいひとは、帰ってからおうちで調べてみてくださいね」
つまり、今日のレッスンは踊りではないということだ。
ちょっと残念ではあるけれど、莉瀬のもらった役は知らない作品と曲だったので、確かに詳しく知りたい。
それにそわそわしてしまっていつものレッスンは手につかないかもしれない、と思った。
紙を見ると、確かにそれぞれで違うようだ。
莉瀬のもらったものには『白鳥の湖』のおおまかなストーリーのほかには、『ナポリターナ』と、そして肝心の『リゼット』について書いてあったのだから。
「次のレッスンから練習に入りますが……役などの都合でBクラスに何人かあがることになります」
でも乙津先生のお話はそれで終わらなかった。
えっ、今、クラスがえ?
莉瀬の心臓がどきりと高鳴った。
まさか今、そんなタイミングがくるとは思わなかった。
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