人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい

変わった依頼

5

「ミヤくんがオッケーなら、紹介しとくよ。それで、秋木サンが気に入ったなら、ミヤくんにまた連絡するから」

「了解です」

　それで話はついた。

　今度こそお暇する。

「じゃ、またよろしくお願いします」

「はーい。気をつけてねー」

　芹澤が適当な返事をするのを背後にドアを閉め、俺は階段を降りて、帰路に就いた。

　新しい仕事か。

　自宅派遣か。

　面白いかな。

　ま、『ネコの子』指定なあたり、やることは変わらないんだろうけど。

　でも変わり者なのには間違いないだろうから、ちょっとわくわくするな。

　そんなことを考えながら、電車に乗って帰る。

　その不思議な自宅派遣予約が入ったのは、六月も終わる頃だった。