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きらりと光る金の星③
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今日、つけてきたのだから、普段からヘアピンというものを使うのだということはわかったに決まっている。
そのうえで、つむぎが持てあましてしまわないだろうということで選んでくれたのかもしれなかった。おまけにあの数分間で。
胸がほわっと熱くなった。顔も熱くなってくる。でもこれはいい意味で、に決まっていて。
「嬉しいです!」
言った言葉は素直になった。笑みも浮かんだ。
それにつられるように、いばら先輩も笑顔になってくれる。
「そりゃ良かった。ちょっと貸してみな。つけてやるから」
言われたことには恥ずかしくなってしまったけれど。ヘアピンをつけてもらうなんて。
でも、嬉しくて。つむぎはそろそろといばら先輩の手にヘアピンを渡した。
いばら先輩は一歩つむぎに近づいて、髪に触れる。ふわっと、優しく手が触れた。
髪を引っ張ったり、みつあみがほどけてしまったりしないようにだろう、手つきはとても優しく慎重だった。
ヘアピンを付け替えてもらっている間。どきどきしつつも心地良く感じてしまっていた。
目の前にいるいばら先輩の体温がうっすら伝わってくる気がするのだ。それはとても安心するような感覚で。
今日はいばら先輩とたくさん触れた。手をずっと繋いでいてくれたし、頬やくちもとにも触れてくれて。
どれも嫌な感覚どころか、どきどきしてしまうけれど、とても嬉しいものだった。
つむぎが今日のことを思い返しているうちに、ヘアピンはつけてもらえたらしい。いばら先輩が一歩引いた。
「できたぞ。……おお、やっぱ似合うな」
引いたところからつむぎの髪を見て、そしてほめてくれた。つむぎはくすぐったくなってしまう。
自分では今、見えないけれど、いばら先輩がそう言ってくれるならきっとそうなのだろう。そのくらいの信頼と自信を感じてしまったのだ。
そのうえで、つむぎが持てあましてしまわないだろうということで選んでくれたのかもしれなかった。おまけにあの数分間で。
胸がほわっと熱くなった。顔も熱くなってくる。でもこれはいい意味で、に決まっていて。
「嬉しいです!」
言った言葉は素直になった。笑みも浮かんだ。
それにつられるように、いばら先輩も笑顔になってくれる。
「そりゃ良かった。ちょっと貸してみな。つけてやるから」
言われたことには恥ずかしくなってしまったけれど。ヘアピンをつけてもらうなんて。
でも、嬉しくて。つむぎはそろそろといばら先輩の手にヘアピンを渡した。
いばら先輩は一歩つむぎに近づいて、髪に触れる。ふわっと、優しく手が触れた。
髪を引っ張ったり、みつあみがほどけてしまったりしないようにだろう、手つきはとても優しく慎重だった。
ヘアピンを付け替えてもらっている間。どきどきしつつも心地良く感じてしまっていた。
目の前にいるいばら先輩の体温がうっすら伝わってくる気がするのだ。それはとても安心するような感覚で。
今日はいばら先輩とたくさん触れた。手をずっと繋いでいてくれたし、頬やくちもとにも触れてくれて。
どれも嫌な感覚どころか、どきどきしてしまうけれど、とても嬉しいものだった。
つむぎが今日のことを思い返しているうちに、ヘアピンはつけてもらえたらしい。いばら先輩が一歩引いた。
「できたぞ。……おお、やっぱ似合うな」
引いたところからつむぎの髪を見て、そしてほめてくれた。つむぎはくすぐったくなってしまう。
自分では今、見えないけれど、いばら先輩がそう言ってくれるならきっとそうなのだろう。そのくらいの信頼と自信を感じてしまったのだ。
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