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百途世学園生活
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百途世学園は、中等部と高等部がある、そこそこ偏差値の高い私立校である。中等部と高等部は校舎が違うので、あまり行き来はないのだけど。
別に公立中学校に進んでも良かったのだけど、百途世学園はこのあたりでは評判がいいのだ。
まず、校舎の設備や環境がかなり良いこと。建て替えられてまだ十年も建っていなくてぴかぴかだ。グラウンドやプールも広くて、体育の時間だけではなく、スポーツをするならもってこい。
さらに、私立校なので勉強の質もいい。優秀な先生がそろっているとアピールされているし、実際、高等部から有名大学の進学率も高い。
おまけにそれほど学費も高くない、らしい。これはお父さんやお母さんが気にすることなので、よくはわからないのだが。
そしてこれは女子生徒としてポイントが高いところなのだけど、制服がかわいいのである。
ブラウンのジャケットにブラウス。下はチェックのスカート。胸元にはリボン。
形自体は定番ながら、細部に刺繍や装飾があったり、凝った作りのものだ。
夏服はジャケットなしに、半袖ブラウス。スカートは生地が薄くなるだけで同じ色と柄のもの。
ジャケットとブラウス以外の色は、学年ごとに違う。入学した年ごとに三色に分けられている。
今年の色はというと。
一年生が赤。
二年生が緑。
三年生が青。
このようになっている。
制服のこと以外にもメリットが多い、百途世学園。つむぎが入学したのは去年のことであるけれど、確かにとても良い環境であった。
前述で挙げたあたりはすべて本当であったし、私立校だから厳しいのかと気になっていた校則や雰囲気も、そう固いというほどではなかった。むしろ、公立校より自由度が高いくらいかもしれない。
クラス内も平和である。女子と男子、合わせて三十人近くのクラス。特にいじめなどもない。A組からD組まで四クラスあるけれど、学年でそういううわさも聞かない。
そりゃあ、みんな仲良しというわけではないけれど、少なくとも表立ったいさかいはない。そこは運が良かったのかもしれない。
つむぎも特に優等生というわけではないけれど、勉強も運動もできなくはないし、いじめられているわけでもなければ、暗い性格でもない。ごく普通の女子中学生。
穏やかな日々が続いていたのだけど。
そこへこの事件である。
別に公立中学校に進んでも良かったのだけど、百途世学園はこのあたりでは評判がいいのだ。
まず、校舎の設備や環境がかなり良いこと。建て替えられてまだ十年も建っていなくてぴかぴかだ。グラウンドやプールも広くて、体育の時間だけではなく、スポーツをするならもってこい。
さらに、私立校なので勉強の質もいい。優秀な先生がそろっているとアピールされているし、実際、高等部から有名大学の進学率も高い。
おまけにそれほど学費も高くない、らしい。これはお父さんやお母さんが気にすることなので、よくはわからないのだが。
そしてこれは女子生徒としてポイントが高いところなのだけど、制服がかわいいのである。
ブラウンのジャケットにブラウス。下はチェックのスカート。胸元にはリボン。
形自体は定番ながら、細部に刺繍や装飾があったり、凝った作りのものだ。
夏服はジャケットなしに、半袖ブラウス。スカートは生地が薄くなるだけで同じ色と柄のもの。
ジャケットとブラウス以外の色は、学年ごとに違う。入学した年ごとに三色に分けられている。
今年の色はというと。
一年生が赤。
二年生が緑。
三年生が青。
このようになっている。
制服のこと以外にもメリットが多い、百途世学園。つむぎが入学したのは去年のことであるけれど、確かにとても良い環境であった。
前述で挙げたあたりはすべて本当であったし、私立校だから厳しいのかと気になっていた校則や雰囲気も、そう固いというほどではなかった。むしろ、公立校より自由度が高いくらいかもしれない。
クラス内も平和である。女子と男子、合わせて三十人近くのクラス。特にいじめなどもない。A組からD組まで四クラスあるけれど、学年でそういううわさも聞かない。
そりゃあ、みんな仲良しというわけではないけれど、少なくとも表立ったいさかいはない。そこは運が良かったのかもしれない。
つむぎも特に優等生というわけではないけれど、勉強も運動もできなくはないし、いじめられているわけでもなければ、暗い性格でもない。ごく普通の女子中学生。
穏やかな日々が続いていたのだけど。
そこへこの事件である。
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