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朝ご飯は大爆発
⑥
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「そんなことは思っていません!」
言ったのに、焦ってしまったからか、辰之助に、更にお流にもくすくす笑われてしまった。
「いやぁ、俺も罪な男だね。知り合って間もないおなごを惚れさせちまうんだから。お流に妬かれちまうかもなぁ」
最後はお流をからかうようなものであったので、お流のほうが今度、辰之助を小突いた。
「やぁね、こんなばらがき、私が独り身でも旦那にはしないさ」
「はっ、俺からお断りだ」
そのやりとりはかなり親しいものだと感じさせられて、私はからかわれたというのに、くすっと笑ってしまった。
そして今度は別のところが気になる。
『ばらがき』とはなんだろう?
聞いたことがあるような、ないような……。
それに、辰之助はどうやらこの道場に通っているとか、働いているとか、そういう雰囲気である。
聞いてみようかと思ったけれど、その前に辰之助が私を振り向いてくれた。
「夜留子は詳しそうだからな、メシの支度を手伝ってもらいたいとこだが。一応、主人やほかのやつらに紹介もしといたほうがいいから、先に道場に行くか」
「は、はい!」
私はほっとするやら、更に大勢に紹介されるようなので緊張するやらで、硬い返事をしてしまった。
それは辰之助に笑われる。
「んな緊張せんでも。俺が食客(しょっかく)だから獲って食われたりはしねぇよ」
私の知らない言葉ばかり出てくる。
また内心、首をひねってしまったのだけど、辰之助に「ほら、行くぞ」と促されてしまった。
お鍋を鍋つかみで掴んで、一回洗うのだろう。水場へ持っていくお流に「お邪魔しました」と声をかけて、「ああ、またね」と笑顔で返してもらって、私は辰之助を再び追いかけた。
言ったのに、焦ってしまったからか、辰之助に、更にお流にもくすくす笑われてしまった。
「いやぁ、俺も罪な男だね。知り合って間もないおなごを惚れさせちまうんだから。お流に妬かれちまうかもなぁ」
最後はお流をからかうようなものであったので、お流のほうが今度、辰之助を小突いた。
「やぁね、こんなばらがき、私が独り身でも旦那にはしないさ」
「はっ、俺からお断りだ」
そのやりとりはかなり親しいものだと感じさせられて、私はからかわれたというのに、くすっと笑ってしまった。
そして今度は別のところが気になる。
『ばらがき』とはなんだろう?
聞いたことがあるような、ないような……。
それに、辰之助はどうやらこの道場に通っているとか、働いているとか、そういう雰囲気である。
聞いてみようかと思ったけれど、その前に辰之助が私を振り向いてくれた。
「夜留子は詳しそうだからな、メシの支度を手伝ってもらいたいとこだが。一応、主人やほかのやつらに紹介もしといたほうがいいから、先に道場に行くか」
「は、はい!」
私はほっとするやら、更に大勢に紹介されるようなので緊張するやらで、硬い返事をしてしまった。
それは辰之助に笑われる。
「んな緊張せんでも。俺が食客(しょっかく)だから獲って食われたりはしねぇよ」
私の知らない言葉ばかり出てくる。
また内心、首をひねってしまったのだけど、辰之助に「ほら、行くぞ」と促されてしまった。
お鍋を鍋つかみで掴んで、一回洗うのだろう。水場へ持っていくお流に「お邪魔しました」と声をかけて、「ああ、またね」と笑顔で返してもらって、私は辰之助を再び追いかけた。
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