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異世界だって朝は来る
⑤
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「俺の仲間のとこだ。ここに置いといても仕方ねぇ。これからどうするにしろ」
「そう……ですね。では、お言葉に甘えまして」
私はぺこりとお辞儀をして、そして辰之助に続いて外へ出て……そわそわ歩くことになった。
町のど真ん中ではないので人通りはきっと、多いというほどではないだろう。
でも私にとっては、映画村にひとが行き来しているような感覚であった。
男性は辰之助のような格好か、それに袴の姿。
女性も同じような感じであった。
日本の歴史でいうところの江戸時代、のように見えた。
ただ、多分違うのだろうな、と私は慣れない草履でそろそろ歩きながら感じた。
男性はまげを結っていないし、女性も日本髪ではない。
江戸時代の日本であれば、そういう髪型であろうに。
日本に似た、別の世界。その線が濃そうであった。
でもおかげで、いつものセミロングの茶色い髪を背中に流したスタイルでも違和感がないようだ。ちらっと軽く見られるくらいで済んでいる。
「辰にいちゃん! おはよ! 早いじゃん!」
「おう、子一(ねいち)か。今日はちっと用があってな」
そこへたたっと駆けてきた子供がいた。
男の子。短めに着物を着ていて、やはり時代劇か教科書で見るような姿であった。
ねいち、と辰之助が呼んだその子は十歳前、くらいだろうか。くりっとした目がかわいらしい子であった。
「そう……ですね。では、お言葉に甘えまして」
私はぺこりとお辞儀をして、そして辰之助に続いて外へ出て……そわそわ歩くことになった。
町のど真ん中ではないので人通りはきっと、多いというほどではないだろう。
でも私にとっては、映画村にひとが行き来しているような感覚であった。
男性は辰之助のような格好か、それに袴の姿。
女性も同じような感じであった。
日本の歴史でいうところの江戸時代、のように見えた。
ただ、多分違うのだろうな、と私は慣れない草履でそろそろ歩きながら感じた。
男性はまげを結っていないし、女性も日本髪ではない。
江戸時代の日本であれば、そういう髪型であろうに。
日本に似た、別の世界。その線が濃そうであった。
でもおかげで、いつものセミロングの茶色い髪を背中に流したスタイルでも違和感がないようだ。ちらっと軽く見られるくらいで済んでいる。
「辰にいちゃん! おはよ! 早いじゃん!」
「おう、子一(ねいち)か。今日はちっと用があってな」
そこへたたっと駆けてきた子供がいた。
男の子。短めに着物を着ていて、やはり時代劇か教科書で見るような姿であった。
ねいち、と辰之助が呼んだその子は十歳前、くらいだろうか。くりっとした目がかわいらしい子であった。
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