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ばらがき辰
②
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「……」
私の口からはなにも出てこなかった。
だって、なにも言えることはないのだから。
「おーい? ショックで気でもおかしくなったか? おーい?」
そのひとは行儀悪く、足を大きく開いてしゃがんだ。その状態で、私の顔の前、ぱたぱたと手を振る。
私はそれで、はっとした。
なにか言わないと。
とりあえず……そうだ、返事だ。そしてお礼だ。
「あ、え、えっと……だ、大丈、夫、です……」
口を開いた。
言葉は出てきてくれた。
自分でほっとする。
それは向こうのイケメンも同じであったようだ。少しだけ表情が緩む。
「そりゃ良かった」
親し気な口調であったが、何故か、馴れ馴れしいとは少し違うと感じられた。不快ではない程度の距離の近さである。
「あの、ありがとう……ございました。助けて、くださった……んですよね?」
私の口からはなにも出てこなかった。
だって、なにも言えることはないのだから。
「おーい? ショックで気でもおかしくなったか? おーい?」
そのひとは行儀悪く、足を大きく開いてしゃがんだ。その状態で、私の顔の前、ぱたぱたと手を振る。
私はそれで、はっとした。
なにか言わないと。
とりあえず……そうだ、返事だ。そしてお礼だ。
「あ、え、えっと……だ、大丈、夫、です……」
口を開いた。
言葉は出てきてくれた。
自分でほっとする。
それは向こうのイケメンも同じであったようだ。少しだけ表情が緩む。
「そりゃ良かった」
親し気な口調であったが、何故か、馴れ馴れしいとは少し違うと感じられた。不快ではない程度の距離の近さである。
「あの、ありがとう……ございました。助けて、くださった……んですよね?」
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