14 / 26
エンドラシア 編
第14話 Generation(誘発)
しおりを挟む
ヒュポクリテ火山は北の領地と西の海のちょうど真ん中辺りに存在する。陸路では当たり前のように迂回することになるが、空路では影響が強く、かなり問題となる場所だ。
火山には、たくさんの飛龍や巨竜たちが棲息している。好奇心が強く、空を集団で飛ぶようなものに興味を示す可能性がある。空路で火山を迂回しても、わざわざ飛んで来て、機嫌次第では襲われるかも知れない。
説明を聴いていたメリアが、ダマクスを見て問う。
「だから先にアタイが説得しておけば、すんなり通してくれるかもってことか」
「そうだ。あまりお前の力にばかり頼りたくないが、魔物の説得が出来る人の子はメリアだけなんだ」
「多分言葉は通じるだろうけど、歩いて火山を登るのは大変じゃないかな? ヴィル……飛龍を呼びに行くくらいなら登った方が早いし、馬も風馬も岩場は苦手だろ」
ダマクスは申し訳なさそうに言う。
「それでな、実は一つ案があるんだ。それもお前にしかできないことだ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
マレルとヘイゲン、ベルウンフに一時の別れを告げて、メリアとダマクスは道なりに風馬を馳せる。
それぞれが風馬に跨り一夜まるごと走らせて、朝方には帝国の南の砦に着いた。
朝食を簡単に摂り、ふたりは怪狼の棲む森へと向かう。
森の手前で、メリアは大きく息を吸い込み、森全体に響き渡るほどの咆哮を上げた。
しばらくすると、三体の怪狼が深い草を分けて現れた。
『君はこの間の、お話が出来る人の子じゃないか。どうしたんだい』
小さな、それでも人の子二人分くらいの高さのある一体が、メリアを見下ろして嬉しそうに唸りながら言った。
「あんたに頼みがあって来た。もし良ければ、一緒に火山に行ってくれないかな」
ひと回り大きな、親と思われる一体が前のめりになって問う。
『火山……あそこは他の魔物の居場所だ。そんな所に私たちの子を連れて行って何をする?』
メリアは、ばつが悪そうに頬を掻きながら答える。
「実は、火山を登って欲しいだけなんだよな。巨竜たちと話がしたくてさ」
『……何の話をするんだ』
「人の子が近くの空を通る時に、穏便に通してやってくれって言うつもりだよ」
親の怪狼は天に向かって吠える。
『ハハハ! そんなつまらん用事で私たちの子を使役するつもりか。馬鹿者が、さっさと消えろ』
メリアは息を吐いて、ダマクスを見た。彼はメリアの表情で状況を察知して、踵を返す。彼女も挨拶をして森を後にしようとする。
「分かったよ。そうだよな、つまらない事で呼び出して悪かったな」
子供の怪狼が、メリアと両親を見廻して言う。
『僕は行きたいよ。他の場所がどんなだか観てみたいんだ』
『坊や。あの人の子は悪さを考えているかも知れないぞ。私たちはこの森を守らなきゃいけないんだ。他の場所なんて知らなくても良い』
『そうかな、悪い子には見えないけど。それに、この大陸はきっとすごく広いのに、この森の事しか知らないままじゃ、古い理に縛られたままつまらない生を送ることになると思うんだ』
親の怪狼が低く唸る。メリアは突然始まった親子喧嘩に、はらはらしながら様子を眺めている。
『……つまらない生、だと。その人の子に何か吹き込まれたのか』
『違うよ。ずっと考えてたんだ。僕は広い世界を見たい。それで、たくさんの事を学んで、またここに戻って来たいんだ。長老に他の場所の話を聴くたびに、外の世界に憧れてたんだ』
『坊や……。本気か?』
子供の怪狼は、メリアの傍に立ち両親に告げる。
『僕はこの子と一緒に行きたい。だけど、絶対にここに戻ってくると誓うよ』
両親はしばらく目を合わせて、言葉にならない意思のやり取りをした。
そして、諦めるように何度か首を振ると、ゆっくりと言葉を発した。
『人の子よ。私たちの子に何かあったら、お前の命を差し出せ。分かったな』
そう言い捨てるとメリアの返事を待たず、二体は静かに歩き森の奥へと去って行った。
『僕のお父さん、頭が固いんだよ。古い理に拘り過ぎなのさ』
「結構あいつら怒ってたけど、本当に良かったのかな」
『僕はここだけで終わりたくないんだ。もっとたくさんの場所を観たい。色んな所に連れて行ってよ』
メリアは笑みを浮かべ、彼の顔を見上げながら告げる。
「アタイはメリアってんだ。よろしくな」
『僕はナビ=デイル。さあ、行こうか!』
ナビは軽快に歩き出す。木々を横切り草原に出ると、ダマクスが風馬に乗っていつでも出られるように準備していた。
「まさか、逃げるつもりだった、とかじゃないよな」
「あ、当たり前だろう。私はメリアを信じてたよ」
メリアは横目で彼を見ながら悪戯に笑う。
「どうだかなー」
ダマクスは咳払いを一つして、メリアに向き直る。
「とにかく、食糧を持ってこのまま火山へ向かおう。風馬と怪狼なら幾夜かで着くだろう」
「そういえば、ナビ。今更だけど、あんたの背中に乗っても良いのか?」
『僕の毛をしっかり掴んでおけば落ちないんじゃないかな、多分。乗り心地はすこぶる悪いだろうけど』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ホントに最悪の乗り心地だな!」
獣道を突っ走る怪狼の背中にしがみついて、メリアが叫ぶ。
ナビが前脚で地を蹴るたびに、突き上げるような衝撃が彼女を襲う。
『僕らは人の子を乗せるために生まれたわけじゃないからね! それは諦めて!』
空を飛ぶ鳥たちを置き去りにするような速さで、道なき道を疾走する。後ろの風馬は、なんとか離されないように全力で駆けて来る。
「も、もう駄目だ。ちょっと休憩しよ!」
メリアの悲鳴で、ナビは速度を落とす。
彼女はナビの背中を降り、剣を置いて木にもたれ、座り込んだ。
『よく我慢したね。……あの大きな山が、君の言ってた火山だろ』
言われて顔を上げると、揺れる木々の葉の間に、煙を噴き出す山の頂がちらちらと見えた。
「おー。もう着いたのか。完全に腕の力がなくなっちまったけどな」
遅れてダマクスがやって来た。
「やはり風馬は山が苦手なようだ。ここから先は歩いて行こうか」
「それじゃナビを連れて来た意味がない。アタイたちだけでも一気に山を登って、巨竜と話をつけるさ。むしろアタイたちだけの方が良い気がするよ」
「そうか、まあ私は役に立たんだろうな。なら、合図にはこれを使ってくれ」
ダマクスは二つの巻物を入れた小さな鞄を、メリアの肩にかけた。
「青い方が成功のしるし、赤い方が失敗のしるしだ。どちらも広げて空に向かって放り投げれば、色付きの強い光を放つ。私が間に合わなかったら、それで状況を知らせてくれ」
「分かった。じゃあナビ、そろそろ行こうか」
『もう大丈夫なの? 腕の力は戻った?』
「ここから先は、力を使うさ。剣は使わないつもりだけど、いきなり攻撃されたらひとたまりもないからな」
メリアの両眼が紅く輝き出す。
ナビの背中に飛び移ると、しっかりと毛を掴み、気持ちに勢いをつける。
「さあ、巨竜と話し合いに行こうじゃないか!」
火山には、たくさんの飛龍や巨竜たちが棲息している。好奇心が強く、空を集団で飛ぶようなものに興味を示す可能性がある。空路で火山を迂回しても、わざわざ飛んで来て、機嫌次第では襲われるかも知れない。
説明を聴いていたメリアが、ダマクスを見て問う。
「だから先にアタイが説得しておけば、すんなり通してくれるかもってことか」
「そうだ。あまりお前の力にばかり頼りたくないが、魔物の説得が出来る人の子はメリアだけなんだ」
「多分言葉は通じるだろうけど、歩いて火山を登るのは大変じゃないかな? ヴィル……飛龍を呼びに行くくらいなら登った方が早いし、馬も風馬も岩場は苦手だろ」
ダマクスは申し訳なさそうに言う。
「それでな、実は一つ案があるんだ。それもお前にしかできないことだ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
マレルとヘイゲン、ベルウンフに一時の別れを告げて、メリアとダマクスは道なりに風馬を馳せる。
それぞれが風馬に跨り一夜まるごと走らせて、朝方には帝国の南の砦に着いた。
朝食を簡単に摂り、ふたりは怪狼の棲む森へと向かう。
森の手前で、メリアは大きく息を吸い込み、森全体に響き渡るほどの咆哮を上げた。
しばらくすると、三体の怪狼が深い草を分けて現れた。
『君はこの間の、お話が出来る人の子じゃないか。どうしたんだい』
小さな、それでも人の子二人分くらいの高さのある一体が、メリアを見下ろして嬉しそうに唸りながら言った。
「あんたに頼みがあって来た。もし良ければ、一緒に火山に行ってくれないかな」
ひと回り大きな、親と思われる一体が前のめりになって問う。
『火山……あそこは他の魔物の居場所だ。そんな所に私たちの子を連れて行って何をする?』
メリアは、ばつが悪そうに頬を掻きながら答える。
「実は、火山を登って欲しいだけなんだよな。巨竜たちと話がしたくてさ」
『……何の話をするんだ』
「人の子が近くの空を通る時に、穏便に通してやってくれって言うつもりだよ」
親の怪狼は天に向かって吠える。
『ハハハ! そんなつまらん用事で私たちの子を使役するつもりか。馬鹿者が、さっさと消えろ』
メリアは息を吐いて、ダマクスを見た。彼はメリアの表情で状況を察知して、踵を返す。彼女も挨拶をして森を後にしようとする。
「分かったよ。そうだよな、つまらない事で呼び出して悪かったな」
子供の怪狼が、メリアと両親を見廻して言う。
『僕は行きたいよ。他の場所がどんなだか観てみたいんだ』
『坊や。あの人の子は悪さを考えているかも知れないぞ。私たちはこの森を守らなきゃいけないんだ。他の場所なんて知らなくても良い』
『そうかな、悪い子には見えないけど。それに、この大陸はきっとすごく広いのに、この森の事しか知らないままじゃ、古い理に縛られたままつまらない生を送ることになると思うんだ』
親の怪狼が低く唸る。メリアは突然始まった親子喧嘩に、はらはらしながら様子を眺めている。
『……つまらない生、だと。その人の子に何か吹き込まれたのか』
『違うよ。ずっと考えてたんだ。僕は広い世界を見たい。それで、たくさんの事を学んで、またここに戻って来たいんだ。長老に他の場所の話を聴くたびに、外の世界に憧れてたんだ』
『坊や……。本気か?』
子供の怪狼は、メリアの傍に立ち両親に告げる。
『僕はこの子と一緒に行きたい。だけど、絶対にここに戻ってくると誓うよ』
両親はしばらく目を合わせて、言葉にならない意思のやり取りをした。
そして、諦めるように何度か首を振ると、ゆっくりと言葉を発した。
『人の子よ。私たちの子に何かあったら、お前の命を差し出せ。分かったな』
そう言い捨てるとメリアの返事を待たず、二体は静かに歩き森の奥へと去って行った。
『僕のお父さん、頭が固いんだよ。古い理に拘り過ぎなのさ』
「結構あいつら怒ってたけど、本当に良かったのかな」
『僕はここだけで終わりたくないんだ。もっとたくさんの場所を観たい。色んな所に連れて行ってよ』
メリアは笑みを浮かべ、彼の顔を見上げながら告げる。
「アタイはメリアってんだ。よろしくな」
『僕はナビ=デイル。さあ、行こうか!』
ナビは軽快に歩き出す。木々を横切り草原に出ると、ダマクスが風馬に乗っていつでも出られるように準備していた。
「まさか、逃げるつもりだった、とかじゃないよな」
「あ、当たり前だろう。私はメリアを信じてたよ」
メリアは横目で彼を見ながら悪戯に笑う。
「どうだかなー」
ダマクスは咳払いを一つして、メリアに向き直る。
「とにかく、食糧を持ってこのまま火山へ向かおう。風馬と怪狼なら幾夜かで着くだろう」
「そういえば、ナビ。今更だけど、あんたの背中に乗っても良いのか?」
『僕の毛をしっかり掴んでおけば落ちないんじゃないかな、多分。乗り心地はすこぶる悪いだろうけど』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ホントに最悪の乗り心地だな!」
獣道を突っ走る怪狼の背中にしがみついて、メリアが叫ぶ。
ナビが前脚で地を蹴るたびに、突き上げるような衝撃が彼女を襲う。
『僕らは人の子を乗せるために生まれたわけじゃないからね! それは諦めて!』
空を飛ぶ鳥たちを置き去りにするような速さで、道なき道を疾走する。後ろの風馬は、なんとか離されないように全力で駆けて来る。
「も、もう駄目だ。ちょっと休憩しよ!」
メリアの悲鳴で、ナビは速度を落とす。
彼女はナビの背中を降り、剣を置いて木にもたれ、座り込んだ。
『よく我慢したね。……あの大きな山が、君の言ってた火山だろ』
言われて顔を上げると、揺れる木々の葉の間に、煙を噴き出す山の頂がちらちらと見えた。
「おー。もう着いたのか。完全に腕の力がなくなっちまったけどな」
遅れてダマクスがやって来た。
「やはり風馬は山が苦手なようだ。ここから先は歩いて行こうか」
「それじゃナビを連れて来た意味がない。アタイたちだけでも一気に山を登って、巨竜と話をつけるさ。むしろアタイたちだけの方が良い気がするよ」
「そうか、まあ私は役に立たんだろうな。なら、合図にはこれを使ってくれ」
ダマクスは二つの巻物を入れた小さな鞄を、メリアの肩にかけた。
「青い方が成功のしるし、赤い方が失敗のしるしだ。どちらも広げて空に向かって放り投げれば、色付きの強い光を放つ。私が間に合わなかったら、それで状況を知らせてくれ」
「分かった。じゃあナビ、そろそろ行こうか」
『もう大丈夫なの? 腕の力は戻った?』
「ここから先は、力を使うさ。剣は使わないつもりだけど、いきなり攻撃されたらひとたまりもないからな」
メリアの両眼が紅く輝き出す。
ナビの背中に飛び移ると、しっかりと毛を掴み、気持ちに勢いをつける。
「さあ、巨竜と話し合いに行こうじゃないか!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる