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第2章 Reboot
第29話 雪
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「世間はクリスマスイブ。恋人たちはメリークリスマスとか言って騒いでるのに、本当に、私たちは何をしてるんだか」
輝羅の部屋の中、ディスプレイを睨みつけながら、彼女はおどろおどろしい声を出す。
コントローラーを握ったまま、ミイナが軽快に答える。
「お・い・こ・み」
「言葉の定義とか意味の話じゃないの。私たちは華の高校生よ。クリスマスイブは重要なイベントじゃない。これじゃ、ただのブラック企業のオフィスよ」
「ブラック企業に勤めたことがないから分かんないけど、しょうがないじゃない。明日までに高島先生にデータを渡さないと間に合わないんだから」
「なんだか、プロフェッサーに渡すクリスマスプレゼントを作ってる気分になってきたわ。胸糞悪いわね」
ミイナがコントローラーを置き、手をポンと合わせる。
「そうだ。明日、先生のところにデータ渡しに行ったら、帰りに美味しいもの食べて帰ろう。あのパン屋さんでも良いかも」
「ああー、あそこのコーヒー、美味しいものねぇ。そうしましょ」
ミイナが、ゲーム画面を見つめ、目を輝かせる。
「ようやく5周目の通しプレイが終わった。最後のイラスト、かっこいいなぁ。萌絵奈さんはすごいよ」
輝羅が大きく息を吐いて、椅子を回転させながら言う。
「最後のチェックが終わるまで、まだ3時間くらいかかるわね。ミイナの方はどう? 今更大きなバグが出たら詰むのだけど」
「ちょっと動きが引っ掛かるところとか、当たり判定がおかしなところはあるけど、許容範囲じゃないかなあ。一応、進めることはできたし」
「売り物じゃないからね。少しくらいは見逃してあげましょ。じゃ、日は跨いじゃうけど、午前2時には完成しそうね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エクセルファイルの最後の行の背景色を変えて、輝羅は座ったままで大きく伸びをした。
「終わった。全部チェックが終わったわ……」
ミイナが小さく拍手する。
「お疲れ様でした。ゲーム作るのって、こんなに大変なんだねぇ」
「お疲れ。……ふわぁ。後は明日、っていうか今日の朝にやるとして、もう寝ようか。限界だわ」
フラフラと、足元の覚束無い状態で、輝羅は部屋を出て、布団を担いで戻って来た。
……この布団ってもしかして、お姉さんのかな。
どさっと床に布団を広げて、輝羅はそのまま横になる。
「ミイナも、もう寝よ。目覚ましはセットしたから」
ミイナは輝羅の横に座る。どうしても、聞きたいことがあった。
「輝羅。ゲームが出来上がったら、聞こうと思ってたんだけど」
「何? 明日じゃ駄目?」
「うん。今がいいの。お姉さんのこと」
輝羅が、瞑りかけていた目を開いた。
「……高島さんに聞いたの?」
「ゴメンね。史緒里ちゃんが入部した頃に、酔っ払ってる先生から聞いた」
「どんなシチュエーションなのよ。……ちょっと待っててね」
輝羅は体を起こして、広いクローゼットの中をガサゴソとかき回す。
「あった、あった。もう一生見ないつもりだったけど、捨てるわけにもいかないから、一番奥にしまっておいたのよね」
1冊の分厚いアルバムを枕の傍に置いて、布団の上にうつ伏せになると、彼女はアルバムの表紙を捲った。
「私とお姉ちゃんが一緒に写ってるのばっかり。生きてたら、もっと増えてたんでしょうね」
ミイナも、輝羅の隣で布団の上にうつ伏せになり、大きな枕に肘をついてアルバムを眺める。
「これ、お母さんのお腹の中にいる時から撮ってるの?」
「そうよ。お姉ちゃん、私が生まれるの、すごく楽しみにしてたんだって。だから、この頃から一緒に写真に写ってるのよ」
輝羅は、ミイナが見やすいように、ゆっくりと、ゆっくりとアルバムのページを捲っていく。
輝羅のお母さんのお腹に耳を当てて、笑顔のお姉さん。生まれたばかりの輝羅を抱くお姉さん。一緒におもちゃで遊ぶ姿。喧嘩したのか。ふたりで泣いている写真。お姉さんの小学校の入学式に、お母さんの腕の中で眠る輝羅。まだまだページはたくさんある。きっと、亡くなる前まで、たくさんの思い出が詰まっているのだろう。
「たくさん撮ったね。その分だけ、お姉ちゃんがいなくなった時の辛さもたくさんだったけどね」
「輝羅……」
ミイナは輝羅を抱きしめる。
「輝羅。あたしと写真、撮ろう。これから、たくさん撮ろう。あたし、絶対に離れないから。ずっと傍にいるから」
「ミイナ……ありがと。うん。たくさん思い出、残そう。色んなところに行って、ふたりで……」
ぎゅっと抱きしめ合ったまま、ふたりは眠りに落ちた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
目覚ましのアラームを止めて、輝羅は部屋の中を見回す。ミイナの姿が無い。
半開きのカーテンから外を見ると、庭でミイナがせっせと大きな雪だるまを作っていた。
輝羅は窓を開けて声をかける。
「ミイナ、なんで起こしてくれないの」
「起こしたよ。ムニャムニャ言って起きなかったじゃない。それよりもさ、この子の目と口、何か良いものないかな」
「ちょっと待ってて、海苔持ってくから」
ダウンコートを着て、輝羅は外に出る。足が新雪に埋もれて歩きにくい。
鈍色の雲からは、どんどん新しい雪が落ちてきていた。
「めちゃくちゃ積もったのね。電車はきっと動かないわ」
「先生の家、歩いて行ったら1時間くらいかなぁ」
「そうね。仕方ないわね。パン屋に取りに来てもらおうかしら」
「あっ、それいいね。ついでに奢ってもらおうか」
輝羅が海苔を適当に破って雪だるまの顔を作る。
「適当だなぁ。もっと可愛い感じになると思ったのに」
「いいのいいの。どうせすぐに崩れちゃうんだから」
したり顔の輝羅に、飛んで来た雪が当たる。
「何するのよ!」
輝羅が足元の雪を集めて、仕返しでミイナに大きな雪の塊を投げつける。
ミイナが、楽しそうに雪を集めて、輝羅に浴びせる。
「輝羅、大好き!」
「言ってることとやってることが違いすぎ!」
ふたりは、笑顔で雪を投げ合う。
ヘトヘトになるまで動き続けて、疲れたふたりは雪だるまの傍、雪のベッドの上で仰向けになる。
「ねぇ。あたしね、来年は理系のクラスに進級するつもり」
「あれ? 数学苦手じゃなかったっけ」
「苦手だよ。でも、大学でソフトウェア専攻しようと思ってさ」
輝羅は体を起こす。
「ってことは……」
「あたしも、輝羅と同じ夢を見ようと思う。同じ道を進んでいきたいの」
輝羅がミイナに抱きつく。
仰向けのままのミイナの目に映る空から、ひとすじの光が射す。
その光は、ふたりの前途を祝福するかのように、どんどん広がって、朝の街とふたりの姿をキラキラと輝かせた。
輝羅の部屋の中、ディスプレイを睨みつけながら、彼女はおどろおどろしい声を出す。
コントローラーを握ったまま、ミイナが軽快に答える。
「お・い・こ・み」
「言葉の定義とか意味の話じゃないの。私たちは華の高校生よ。クリスマスイブは重要なイベントじゃない。これじゃ、ただのブラック企業のオフィスよ」
「ブラック企業に勤めたことがないから分かんないけど、しょうがないじゃない。明日までに高島先生にデータを渡さないと間に合わないんだから」
「なんだか、プロフェッサーに渡すクリスマスプレゼントを作ってる気分になってきたわ。胸糞悪いわね」
ミイナがコントローラーを置き、手をポンと合わせる。
「そうだ。明日、先生のところにデータ渡しに行ったら、帰りに美味しいもの食べて帰ろう。あのパン屋さんでも良いかも」
「ああー、あそこのコーヒー、美味しいものねぇ。そうしましょ」
ミイナが、ゲーム画面を見つめ、目を輝かせる。
「ようやく5周目の通しプレイが終わった。最後のイラスト、かっこいいなぁ。萌絵奈さんはすごいよ」
輝羅が大きく息を吐いて、椅子を回転させながら言う。
「最後のチェックが終わるまで、まだ3時間くらいかかるわね。ミイナの方はどう? 今更大きなバグが出たら詰むのだけど」
「ちょっと動きが引っ掛かるところとか、当たり判定がおかしなところはあるけど、許容範囲じゃないかなあ。一応、進めることはできたし」
「売り物じゃないからね。少しくらいは見逃してあげましょ。じゃ、日は跨いじゃうけど、午前2時には完成しそうね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エクセルファイルの最後の行の背景色を変えて、輝羅は座ったままで大きく伸びをした。
「終わった。全部チェックが終わったわ……」
ミイナが小さく拍手する。
「お疲れ様でした。ゲーム作るのって、こんなに大変なんだねぇ」
「お疲れ。……ふわぁ。後は明日、っていうか今日の朝にやるとして、もう寝ようか。限界だわ」
フラフラと、足元の覚束無い状態で、輝羅は部屋を出て、布団を担いで戻って来た。
……この布団ってもしかして、お姉さんのかな。
どさっと床に布団を広げて、輝羅はそのまま横になる。
「ミイナも、もう寝よ。目覚ましはセットしたから」
ミイナは輝羅の横に座る。どうしても、聞きたいことがあった。
「輝羅。ゲームが出来上がったら、聞こうと思ってたんだけど」
「何? 明日じゃ駄目?」
「うん。今がいいの。お姉さんのこと」
輝羅が、瞑りかけていた目を開いた。
「……高島さんに聞いたの?」
「ゴメンね。史緒里ちゃんが入部した頃に、酔っ払ってる先生から聞いた」
「どんなシチュエーションなのよ。……ちょっと待っててね」
輝羅は体を起こして、広いクローゼットの中をガサゴソとかき回す。
「あった、あった。もう一生見ないつもりだったけど、捨てるわけにもいかないから、一番奥にしまっておいたのよね」
1冊の分厚いアルバムを枕の傍に置いて、布団の上にうつ伏せになると、彼女はアルバムの表紙を捲った。
「私とお姉ちゃんが一緒に写ってるのばっかり。生きてたら、もっと増えてたんでしょうね」
ミイナも、輝羅の隣で布団の上にうつ伏せになり、大きな枕に肘をついてアルバムを眺める。
「これ、お母さんのお腹の中にいる時から撮ってるの?」
「そうよ。お姉ちゃん、私が生まれるの、すごく楽しみにしてたんだって。だから、この頃から一緒に写真に写ってるのよ」
輝羅は、ミイナが見やすいように、ゆっくりと、ゆっくりとアルバムのページを捲っていく。
輝羅のお母さんのお腹に耳を当てて、笑顔のお姉さん。生まれたばかりの輝羅を抱くお姉さん。一緒におもちゃで遊ぶ姿。喧嘩したのか。ふたりで泣いている写真。お姉さんの小学校の入学式に、お母さんの腕の中で眠る輝羅。まだまだページはたくさんある。きっと、亡くなる前まで、たくさんの思い出が詰まっているのだろう。
「たくさん撮ったね。その分だけ、お姉ちゃんがいなくなった時の辛さもたくさんだったけどね」
「輝羅……」
ミイナは輝羅を抱きしめる。
「輝羅。あたしと写真、撮ろう。これから、たくさん撮ろう。あたし、絶対に離れないから。ずっと傍にいるから」
「ミイナ……ありがと。うん。たくさん思い出、残そう。色んなところに行って、ふたりで……」
ぎゅっと抱きしめ合ったまま、ふたりは眠りに落ちた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
目覚ましのアラームを止めて、輝羅は部屋の中を見回す。ミイナの姿が無い。
半開きのカーテンから外を見ると、庭でミイナがせっせと大きな雪だるまを作っていた。
輝羅は窓を開けて声をかける。
「ミイナ、なんで起こしてくれないの」
「起こしたよ。ムニャムニャ言って起きなかったじゃない。それよりもさ、この子の目と口、何か良いものないかな」
「ちょっと待ってて、海苔持ってくから」
ダウンコートを着て、輝羅は外に出る。足が新雪に埋もれて歩きにくい。
鈍色の雲からは、どんどん新しい雪が落ちてきていた。
「めちゃくちゃ積もったのね。電車はきっと動かないわ」
「先生の家、歩いて行ったら1時間くらいかなぁ」
「そうね。仕方ないわね。パン屋に取りに来てもらおうかしら」
「あっ、それいいね。ついでに奢ってもらおうか」
輝羅が海苔を適当に破って雪だるまの顔を作る。
「適当だなぁ。もっと可愛い感じになると思ったのに」
「いいのいいの。どうせすぐに崩れちゃうんだから」
したり顔の輝羅に、飛んで来た雪が当たる。
「何するのよ!」
輝羅が足元の雪を集めて、仕返しでミイナに大きな雪の塊を投げつける。
ミイナが、楽しそうに雪を集めて、輝羅に浴びせる。
「輝羅、大好き!」
「言ってることとやってることが違いすぎ!」
ふたりは、笑顔で雪を投げ合う。
ヘトヘトになるまで動き続けて、疲れたふたりは雪だるまの傍、雪のベッドの上で仰向けになる。
「ねぇ。あたしね、来年は理系のクラスに進級するつもり」
「あれ? 数学苦手じゃなかったっけ」
「苦手だよ。でも、大学でソフトウェア専攻しようと思ってさ」
輝羅は体を起こす。
「ってことは……」
「あたしも、輝羅と同じ夢を見ようと思う。同じ道を進んでいきたいの」
輝羅がミイナに抱きつく。
仰向けのままのミイナの目に映る空から、ひとすじの光が射す。
その光は、ふたりの前途を祝福するかのように、どんどん広がって、朝の街とふたりの姿をキラキラと輝かせた。
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