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第1章 Interact
第10話 キレちゃった
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海のステージに見立てた青い背景の中、黒く塗りつぶされた丸いグラフィックが上へ、下へと縦に動き続ける。
画面の左側に描かれたキャラクターが足を揺らす。マウスをクリックしたタイミングで足から靴が放たれる。ぎりぎりで黒い丸に当たらず通り抜け、画面の右へ向かっていく。
マウスの動きに合わせて白い丸のグラフィックが動く。徐々に小さくなる靴に白い丸を合わせ、これまたタイミング良くマウスをクリックすると、銀のメダルが表示された。
ミイナはスマホのストップウォッチ画面をタップしてカウントを止めた。
「今ので15秒です。5分遊んでもらうなら、20ステージ用意しないといけないですね」
「20かぁ。全部全く違うステージにすると、1ヶ月ちょっとじゃ足りないわね」
「金、銀、銅のメダルのグラフィックと、各ステージの背景、邪魔者、球、飛ばす方と受ける方のグラフィックは最低でも必要ですよ。もうすぐ夏休みに入るけど、あたしはそんなに描ける気がしません」
文芸部の部室の中、輝羅が椅子にもたれて天井を仰ぐ。
「萌絵奈は絵、上手いけどCGは出来ないし、私も霧子も絵は専門外。意外な敵がいたものね」
いやいや、ゲーム作るならグラフィックは避けて通れないでしょ。だから最初に遊んだRPGはグラフィックがクソダサだったのか。
「フリーの素材サイトを探してみましょうか。色んなところからかき集めれば、何とかなるかも知れませんよ」
「そうね、でも下村ミイナにはデバッグの方に集中してもらいたいのよね」
輝羅が立ち上がり、萌絵奈と霧子を見る。
その視線の意味に気付き、萌絵奈が険しい表情を作る。
「まさか、あの人を召喚するつもり?」
輝羅はひとつ溜息を吐いて、また天井を見上げ、言う。
「もう時間がないのよ……。奴の協力無しには文化祭に間に合わないわ」
その言葉に、霧子が深刻そうな顔で呟く。
「私、耐えられるかな……」
最近分かってきたこと。ここで具体的な単語が出てこない時は大抵、くだらないことが始まるフラグだ。
「とりあえず、誰に頼むか教えてもらえますか?」
「相変わらず下村ミイナは情緒が無いわね。物事には助走ってものが必要な時があるのよ」
「時間が無いって話をしてるのに、助長な部分とか要りませんから。話を進めましょうよ(お願いですから)」
「仕方ないわね。じゃあ、ついて来なさい。頼みに行くわよ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
職員室に入った輝羅は、迷いなく高島先生の席に向かった。
「プロフェッサー。頼みがある」
高島先生は、黒縁眼鏡をクイッと上げて輝羅とミイナを見る。
「ここでその呼び方は止してくれ。頼みは何だ」
「グラフィックを作って。文化祭に間に合わなさそうなの」
ミイナは驚いた。先生にグラフィックを頼んでいることもそうだが、輝羅がタメ口なのはなぜなんだ。あとプロフェッサーってなんだ。
「グラフィックか……。働きに見合った報酬はあるのか?」
「残念だけど、無いわ。あの頃とは事情が違うのよ」
「そうか、でもこの世界の平和のために、やらなくちゃいけないんだろうな」
ここも未知のウイルスに侵食されてしまったのか。これは大変な事態だよ。
「下村ミイナ。高島先生は以前、そこそこ有名なドッターだったのよ」
「そうなんですか。ドッターってなんですか?」
高島先生がわざとらしい動きで、ガッカリした風の表現をする。
「下村さん。ドッターは2Dの画像を作る時に、ドット単位で色を打ち込む人の事。昔のゲームのキャラは低い解像度でも巧みにドットを組み合わせて、それっぽく見せてたんだ」
「へぇ、そうなんですね。先生はドットで絵を描くのが上手いんですか?」
「前職は携帯用ゲームの会社で画像を作ってたからね。本職みたいなもんだよ」
おお、人に歴史ありだ。なんでそこから先生になったんだろう。でも、それを聞くとまた話が長くなりそうな気がする。
「そ、そうなんですね。す、すごいなぁー。手伝って欲しいなぁー」
「素敵なほどのわざとらしさだ。まあ、顧問だから手伝うけどな」
なんだ、最初から手伝う気だったんじゃないか。だったら最初の無駄なやり取りは何だったんだ。あれ? もしかして……。
「輝羅さんて、ずっとあたしをからかってるんですか」
「そんなわけないじゃない。私はいつだって真剣そのものよ」
じゃあやっぱり、やばいウイルスの感染者なんだろう。
「先生に作って欲しいグラフィックは、どうやってお伝えすれば良いんですか」
「だいたいの雰囲気がわかる様な色付きのイラストと、サイズとアニメーションの枚数を指定してくれれば、すぐにでも取り掛かるよ」
「分かりました。明日にでも書いて持って来ますね」
職員室を後にして、ふたりで蒸し暑い廊下を歩く。
ミイナは足を止める。
輝羅が少し歩いたところで振り返る。
「どうしたの? 下村ミイナ」
ミイナは俯いたまま、少し考えてから輝羅を睨む。
「ねえ、ホントはちょっと馬鹿にしてる? あたしのこと」
「何言ってるのよ。だからそんなわけ……」
輝羅はミイナの目から溢れる涙を見て驚く。
「だって、いっつも変なことばっかり言って……ついてけないよ。輝羅が何考えてるか、全然分かんないんだもの……」
輝羅がオロオロと困った顔をする。
「もっとちゃんと先に説明してよ……。あたしだけ置いてけぼりにして、勝手に色んなこと始めないでよ……。勝手に進めないでよ!」
涙が止まらない。こんなこと言うつもりじゃなかったのに、なんでこんな……。
「ごめんねミイナ。これからはちゃんと言うから。ちゃんと説明するから。馬鹿になんてしてないから。絶対、そんなことないから」
輝羅がミイナを引き寄せた。ミイナは自分がどうして泣いているのかもよく分からず、恥ずかしくて余計に涙が止まらなくなった。
ミイナの頭を撫でながら、輝羅はミイナが泣き止むまでずっと、ミイナを抱きしめていた。
暑い夏の午後、ふたりはようやく友達になった。
画面の左側に描かれたキャラクターが足を揺らす。マウスをクリックしたタイミングで足から靴が放たれる。ぎりぎりで黒い丸に当たらず通り抜け、画面の右へ向かっていく。
マウスの動きに合わせて白い丸のグラフィックが動く。徐々に小さくなる靴に白い丸を合わせ、これまたタイミング良くマウスをクリックすると、銀のメダルが表示された。
ミイナはスマホのストップウォッチ画面をタップしてカウントを止めた。
「今ので15秒です。5分遊んでもらうなら、20ステージ用意しないといけないですね」
「20かぁ。全部全く違うステージにすると、1ヶ月ちょっとじゃ足りないわね」
「金、銀、銅のメダルのグラフィックと、各ステージの背景、邪魔者、球、飛ばす方と受ける方のグラフィックは最低でも必要ですよ。もうすぐ夏休みに入るけど、あたしはそんなに描ける気がしません」
文芸部の部室の中、輝羅が椅子にもたれて天井を仰ぐ。
「萌絵奈は絵、上手いけどCGは出来ないし、私も霧子も絵は専門外。意外な敵がいたものね」
いやいや、ゲーム作るならグラフィックは避けて通れないでしょ。だから最初に遊んだRPGはグラフィックがクソダサだったのか。
「フリーの素材サイトを探してみましょうか。色んなところからかき集めれば、何とかなるかも知れませんよ」
「そうね、でも下村ミイナにはデバッグの方に集中してもらいたいのよね」
輝羅が立ち上がり、萌絵奈と霧子を見る。
その視線の意味に気付き、萌絵奈が険しい表情を作る。
「まさか、あの人を召喚するつもり?」
輝羅はひとつ溜息を吐いて、また天井を見上げ、言う。
「もう時間がないのよ……。奴の協力無しには文化祭に間に合わないわ」
その言葉に、霧子が深刻そうな顔で呟く。
「私、耐えられるかな……」
最近分かってきたこと。ここで具体的な単語が出てこない時は大抵、くだらないことが始まるフラグだ。
「とりあえず、誰に頼むか教えてもらえますか?」
「相変わらず下村ミイナは情緒が無いわね。物事には助走ってものが必要な時があるのよ」
「時間が無いって話をしてるのに、助長な部分とか要りませんから。話を進めましょうよ(お願いですから)」
「仕方ないわね。じゃあ、ついて来なさい。頼みに行くわよ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
職員室に入った輝羅は、迷いなく高島先生の席に向かった。
「プロフェッサー。頼みがある」
高島先生は、黒縁眼鏡をクイッと上げて輝羅とミイナを見る。
「ここでその呼び方は止してくれ。頼みは何だ」
「グラフィックを作って。文化祭に間に合わなさそうなの」
ミイナは驚いた。先生にグラフィックを頼んでいることもそうだが、輝羅がタメ口なのはなぜなんだ。あとプロフェッサーってなんだ。
「グラフィックか……。働きに見合った報酬はあるのか?」
「残念だけど、無いわ。あの頃とは事情が違うのよ」
「そうか、でもこの世界の平和のために、やらなくちゃいけないんだろうな」
ここも未知のウイルスに侵食されてしまったのか。これは大変な事態だよ。
「下村ミイナ。高島先生は以前、そこそこ有名なドッターだったのよ」
「そうなんですか。ドッターってなんですか?」
高島先生がわざとらしい動きで、ガッカリした風の表現をする。
「下村さん。ドッターは2Dの画像を作る時に、ドット単位で色を打ち込む人の事。昔のゲームのキャラは低い解像度でも巧みにドットを組み合わせて、それっぽく見せてたんだ」
「へぇ、そうなんですね。先生はドットで絵を描くのが上手いんですか?」
「前職は携帯用ゲームの会社で画像を作ってたからね。本職みたいなもんだよ」
おお、人に歴史ありだ。なんでそこから先生になったんだろう。でも、それを聞くとまた話が長くなりそうな気がする。
「そ、そうなんですね。す、すごいなぁー。手伝って欲しいなぁー」
「素敵なほどのわざとらしさだ。まあ、顧問だから手伝うけどな」
なんだ、最初から手伝う気だったんじゃないか。だったら最初の無駄なやり取りは何だったんだ。あれ? もしかして……。
「輝羅さんて、ずっとあたしをからかってるんですか」
「そんなわけないじゃない。私はいつだって真剣そのものよ」
じゃあやっぱり、やばいウイルスの感染者なんだろう。
「先生に作って欲しいグラフィックは、どうやってお伝えすれば良いんですか」
「だいたいの雰囲気がわかる様な色付きのイラストと、サイズとアニメーションの枚数を指定してくれれば、すぐにでも取り掛かるよ」
「分かりました。明日にでも書いて持って来ますね」
職員室を後にして、ふたりで蒸し暑い廊下を歩く。
ミイナは足を止める。
輝羅が少し歩いたところで振り返る。
「どうしたの? 下村ミイナ」
ミイナは俯いたまま、少し考えてから輝羅を睨む。
「ねえ、ホントはちょっと馬鹿にしてる? あたしのこと」
「何言ってるのよ。だからそんなわけ……」
輝羅はミイナの目から溢れる涙を見て驚く。
「だって、いっつも変なことばっかり言って……ついてけないよ。輝羅が何考えてるか、全然分かんないんだもの……」
輝羅がオロオロと困った顔をする。
「もっとちゃんと先に説明してよ……。あたしだけ置いてけぼりにして、勝手に色んなこと始めないでよ……。勝手に進めないでよ!」
涙が止まらない。こんなこと言うつもりじゃなかったのに、なんでこんな……。
「ごめんねミイナ。これからはちゃんと言うから。ちゃんと説明するから。馬鹿になんてしてないから。絶対、そんなことないから」
輝羅がミイナを引き寄せた。ミイナは自分がどうして泣いているのかもよく分からず、恥ずかしくて余計に涙が止まらなくなった。
ミイナの頭を撫でながら、輝羅はミイナが泣き止むまでずっと、ミイナを抱きしめていた。
暑い夏の午後、ふたりはようやく友達になった。
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