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東北 編(2023年11月)
第57話 茨城 水戸をブラブラ
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朝早く、東京駅に着いた。今日はここから茨城県の水戸へ向かう。
金沢の兼六園を訪れた際に、水戸の偕楽園も日本三名園であることを知った。それで、是非とも観てみたいと思った。
今回の東北旅は、基本的に海沿いを周ろうと思っている。そのため、福島県いわきに近い水戸からの出発としたのだ。
特急電車の窓に映る木々は、まだそれほど紅く色付いていない。11月初旬ってのは、紅葉を楽しむにはちょっと早かったのかな。暑いし。
電車に乗って1時間そこそこで水戸駅まで。
朝4時にあんパンを食べたっきりだから、お腹と背中がくっつきそうだ。つまるところ腹ペコだ。
しかし、水戸駅から偕楽園まで裏道を歩いて行ってしまい、食事処どころかコンビニすら無かった。
偕楽園の入り口付近に茶屋があり、梅大福とあんこ乗せの団子を食べた。梅大福は、丸ごと種ありの梅干しが入っている。これが意外に美味くって、なんならもう一つ食べようと思ったほどだ。そうしなかったのは、昼飯をどこかでしっかり食べようと思っていたから。
さて偕楽園。……これはネェ、梅の花が咲く2、3月に来るべきでしたネェ。
梅の木、桜の木が敷地を埋め尽くしていて、これは見頃の時期に来たら失神するほどの絶景なのだと思われる。だって様々な梅の品種合わせて3000本も植えられているらしいから。11月初旬に来る場所ではなかったのだ。
この庭園については、後で行った徳川ミュージアムにてその歴史を知ることになる。
表門近くの孟宗竹林は凄かった。整備されて手が加えられた竹林というのは、かようにも綺麗なものなんだな、と。僕が知っている竹林は、勝手に生えるがまま鬱蒼としたものであり、芸術的な竹林を見たのは生涯初めてでした。ビックリだ。
園の中に好文亭というお屋敷がある。ここは空襲で焼けて、その後、昭和30年頃に復元された。「好文」とは徳川斉昭公が「梅」のことを故事にちなんで名付けたらしい。
これが僕的にヒットした場所で、明治時代の小説のイメージを膨らますのにすごく役に立った。とはいっても、その小説を書くのは来年の予定だけれども。
古いお屋敷の間取り、木の板を踏む感覚。復元の際に2名の画家により各部屋に襖絵が描かれ、それはもの凄く綺麗で。梅や竹や松、つつじなど、10部屋にそれぞれ違う植物の絵があり、うわぁ、うわぁと感動しながら観て回った。
川向こうからずっと何かのフェスの妙なラップが大音量で聴こえ続けたのを差し引いても、なかなか見どころのある気持ちの良い庭園だった。ただし、ここに来るのはやっぱり春がいいだろうなぁ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ちょいと大きな道路に出て、回転寿司に入った。ここは背中からお腹を離すため、腹ごしらえのために寄っただけなので詳細は割愛するゥ!
そして徳川ミュージアムへ。
ここで水戸の歴史と、徳川光圀公、徳川斉昭公について知ることになる。
光圀公は言わずと知れた「水戸黄門」様だ。黄門というのは中納言の唐名であって、そういう意味では7名いるらしいが、とにかく「水戸黄門」といえば光圀公のことなのである。
徳川ミュージアムには、特に家康公、光圀公、斉昭公にまつわる品々や、直筆の絵や書が展示されていた。光圀公の印籠を間近で観れたし、斉昭公の直筆の「海月図」という絵が素晴らしかった。どうやら斉昭公は美術の才にも秀でていたようだ。
家康公の使用していた甲冑もあった。色んな城や博物館で甲冑を観てきたけど、その中でも最高の甲冑だった。金色に光る鎧、布地の部分や小道具含めて細部まで丁寧に作られており、戦場で着用するには勿体無いと思ってしまうのは庶民感情すぎるだろうか。綺麗すぎるから実際には使ってなかったのかも知れないけど。
展示の中に、斉昭公が1841年に開設した藩校である弘道館や、領民の休養の場として1842年に開園された偕楽園にまつわるものもあった。好文亭も斉昭公が自ら設計をしたそうな。後で弘道館にも行かなくちゃ。
ミュージアムの庭のベンチに座っている光圀公の像があったので、スマホの自撮りで一緒に撮った。この旅で一緒にフレームに入ったのは、熱海のトリックアートを除くと、坂本龍馬ともののけ姫のモロと光圀公だけである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
楽しみすぎて、あっという間に15時20分だ。ここから駅方面へ数キロ歩いて戻り、水戸城跡近くの弘道館に行かなければ。弘道館は16時30分までなのだぞ。
テクテク早歩きで大きな道の歩道を進み、弘道館の入り口を通ったのは16時。受付の方にも「あと30分ですよ」と念を押され、ちゃちゃっと館内を回る。
でも、来て良かった。広々としたかつての学びの場。なんとなく、生徒たちがズラッと並び、本を広げて勉強している様を思い描いていた。言葉で「弘道館」って読んだだけじゃ想像しようもなかった。その場所を訪れることでようやく、どんな場所なのかを知ることが出来た。
古い木の床は歩いているだけで楽しくて、廊下から見える庭も整然として美しかった。梅の花や桜の花が咲いたらもっと綺麗なんだろうなぁ。
幾つかの神社にも寄った。それぞれ大きくて綺麗で素晴らしかったけれど、まあ、割愛します。詣っただけなのでネ。
そんなこんなで、本当は偕楽園に行くだけだったのに結果、水戸街ブラすることになった一日はおわ……腹減った。
駅に隣接したデパート内の蕎麦屋で、納豆上天蕎麦というものを食す。水戸といえば納豆でしょう。蕎麦に納豆って、生まれて初めてな気がする。一緒に食べるとなんだか新食感。海老天もプリプリ、大葉と綿糸卵と海苔がトッピングされていて風味アリ、すんごく美味かった。ちょっとグルメ旅っぽくなったかも。そば茶を飲んでフィニッシュ。
ホテルでは、大浴場を独り占め出来た。30分ほど入っていたのにその間、誰も入って来なかったのだ。ゆったりと大風呂の長風呂を楽しみ、ふにゃふにゃの身体にビールを流し込み、小説の続きとこの雑記を書いて、早めに就寝。
明日は水族館!
金沢の兼六園を訪れた際に、水戸の偕楽園も日本三名園であることを知った。それで、是非とも観てみたいと思った。
今回の東北旅は、基本的に海沿いを周ろうと思っている。そのため、福島県いわきに近い水戸からの出発としたのだ。
特急電車の窓に映る木々は、まだそれほど紅く色付いていない。11月初旬ってのは、紅葉を楽しむにはちょっと早かったのかな。暑いし。
電車に乗って1時間そこそこで水戸駅まで。
朝4時にあんパンを食べたっきりだから、お腹と背中がくっつきそうだ。つまるところ腹ペコだ。
しかし、水戸駅から偕楽園まで裏道を歩いて行ってしまい、食事処どころかコンビニすら無かった。
偕楽園の入り口付近に茶屋があり、梅大福とあんこ乗せの団子を食べた。梅大福は、丸ごと種ありの梅干しが入っている。これが意外に美味くって、なんならもう一つ食べようと思ったほどだ。そうしなかったのは、昼飯をどこかでしっかり食べようと思っていたから。
さて偕楽園。……これはネェ、梅の花が咲く2、3月に来るべきでしたネェ。
梅の木、桜の木が敷地を埋め尽くしていて、これは見頃の時期に来たら失神するほどの絶景なのだと思われる。だって様々な梅の品種合わせて3000本も植えられているらしいから。11月初旬に来る場所ではなかったのだ。
この庭園については、後で行った徳川ミュージアムにてその歴史を知ることになる。
表門近くの孟宗竹林は凄かった。整備されて手が加えられた竹林というのは、かようにも綺麗なものなんだな、と。僕が知っている竹林は、勝手に生えるがまま鬱蒼としたものであり、芸術的な竹林を見たのは生涯初めてでした。ビックリだ。
園の中に好文亭というお屋敷がある。ここは空襲で焼けて、その後、昭和30年頃に復元された。「好文」とは徳川斉昭公が「梅」のことを故事にちなんで名付けたらしい。
これが僕的にヒットした場所で、明治時代の小説のイメージを膨らますのにすごく役に立った。とはいっても、その小説を書くのは来年の予定だけれども。
古いお屋敷の間取り、木の板を踏む感覚。復元の際に2名の画家により各部屋に襖絵が描かれ、それはもの凄く綺麗で。梅や竹や松、つつじなど、10部屋にそれぞれ違う植物の絵があり、うわぁ、うわぁと感動しながら観て回った。
川向こうからずっと何かのフェスの妙なラップが大音量で聴こえ続けたのを差し引いても、なかなか見どころのある気持ちの良い庭園だった。ただし、ここに来るのはやっぱり春がいいだろうなぁ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ちょいと大きな道路に出て、回転寿司に入った。ここは背中からお腹を離すため、腹ごしらえのために寄っただけなので詳細は割愛するゥ!
そして徳川ミュージアムへ。
ここで水戸の歴史と、徳川光圀公、徳川斉昭公について知ることになる。
光圀公は言わずと知れた「水戸黄門」様だ。黄門というのは中納言の唐名であって、そういう意味では7名いるらしいが、とにかく「水戸黄門」といえば光圀公のことなのである。
徳川ミュージアムには、特に家康公、光圀公、斉昭公にまつわる品々や、直筆の絵や書が展示されていた。光圀公の印籠を間近で観れたし、斉昭公の直筆の「海月図」という絵が素晴らしかった。どうやら斉昭公は美術の才にも秀でていたようだ。
家康公の使用していた甲冑もあった。色んな城や博物館で甲冑を観てきたけど、その中でも最高の甲冑だった。金色に光る鎧、布地の部分や小道具含めて細部まで丁寧に作られており、戦場で着用するには勿体無いと思ってしまうのは庶民感情すぎるだろうか。綺麗すぎるから実際には使ってなかったのかも知れないけど。
展示の中に、斉昭公が1841年に開設した藩校である弘道館や、領民の休養の場として1842年に開園された偕楽園にまつわるものもあった。好文亭も斉昭公が自ら設計をしたそうな。後で弘道館にも行かなくちゃ。
ミュージアムの庭のベンチに座っている光圀公の像があったので、スマホの自撮りで一緒に撮った。この旅で一緒にフレームに入ったのは、熱海のトリックアートを除くと、坂本龍馬ともののけ姫のモロと光圀公だけである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
楽しみすぎて、あっという間に15時20分だ。ここから駅方面へ数キロ歩いて戻り、水戸城跡近くの弘道館に行かなければ。弘道館は16時30分までなのだぞ。
テクテク早歩きで大きな道の歩道を進み、弘道館の入り口を通ったのは16時。受付の方にも「あと30分ですよ」と念を押され、ちゃちゃっと館内を回る。
でも、来て良かった。広々としたかつての学びの場。なんとなく、生徒たちがズラッと並び、本を広げて勉強している様を思い描いていた。言葉で「弘道館」って読んだだけじゃ想像しようもなかった。その場所を訪れることでようやく、どんな場所なのかを知ることが出来た。
古い木の床は歩いているだけで楽しくて、廊下から見える庭も整然として美しかった。梅の花や桜の花が咲いたらもっと綺麗なんだろうなぁ。
幾つかの神社にも寄った。それぞれ大きくて綺麗で素晴らしかったけれど、まあ、割愛します。詣っただけなのでネ。
そんなこんなで、本当は偕楽園に行くだけだったのに結果、水戸街ブラすることになった一日はおわ……腹減った。
駅に隣接したデパート内の蕎麦屋で、納豆上天蕎麦というものを食す。水戸といえば納豆でしょう。蕎麦に納豆って、生まれて初めてな気がする。一緒に食べるとなんだか新食感。海老天もプリプリ、大葉と綿糸卵と海苔がトッピングされていて風味アリ、すんごく美味かった。ちょっとグルメ旅っぽくなったかも。そば茶を飲んでフィニッシュ。
ホテルでは、大浴場を独り占め出来た。30分ほど入っていたのにその間、誰も入って来なかったのだ。ゆったりと大風呂の長風呂を楽しみ、ふにゃふにゃの身体にビールを流し込み、小説の続きとこの雑記を書いて、早めに就寝。
明日は水族館!
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