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福井・滋賀 編(2023年11月)
第51話 福井 越前松島水族館
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越前松島水族館は、……すいませんさっき知りました。
まあとにかく入ってみましょうかね。
入館料を支払い、館内マップとイベントの時刻表を貰い受け、広場に出た。
あれ? やっぱりあの遠くに見える真っ黒な雲、近づいて来てるぞ。
海に滝のような雨を落としている分厚く暗い雲が、さっきよりも随分と近くに見える。ありゃ絶対ここを通るなぁ。
ということで、館内のレストランでコーヒーフロートを飲みながら時間を潰すことにした。そしてバニラアイスがコーヒーに溶けきった頃アイツはやって来た。
スコールだ。
激しく地面を打ちつける雨。強風も伴っており、広場はあっという間に水溜りと化す。イルカショーを早めに待っていた人たちも、堪らず館内へ逃げ込む。さっきまで晴れてたのに、これが日本海の洗礼ってことなのか。
暗い雲のさらにその向こう側では、雲がハッキリと途切れていた。おそらく、もう少し待っていればまた晴れてくるはず。それまでは館内の展示を観て過ごそうかな。
魚に餌を撒くことの出来るコーナーがあったけど、既に餌は売り切れ。まあ、別にいいし。泣いてないし。
サザエとかウナギを手で触れる体験コーナーもあった。こういうのはちょっと苦手なので、ウナギ美味そう。サザエ美味そうと思いつつ観て回った。「海の幸体験コーナー」と題されていたので、この感想は間違いじゃないはず。
ジュラチックアクアリウムという、古生代・中生代から姿を変えずに存在している生き物のコーナー。シーラカンスの多分等身大の模型があって、やはりカッコイイ。浪漫を感じる古代フォルムだ。ダイオウグソクムシは結構グロいスタイルだった。確かにムシって感じで、大きな楕円形の硬そうな黒い体の下にたくさんの足。ウチにあるぬいぐるみは相当可愛らしく作ってあるんだと知った。
わぁわぁ言って走っているどっかの子供たちに紛れて観賞を楽しむうちに、雨が上がって晴天になっていた。あの暗ーい雲はどこへ行って、今度は誰を濡らして困らせているのだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
イルカショー、小さなプールにスタッフ2名、イルカ2頭の体制だが、イルカたちは凄く元気で頭も良い。飛び上がって尾ヒレで高い所にあるビーチボールを叩く演目なんて、カッコ良すぎてシビれましたな。前列の方の人たちは結構水飛沫がかかってたけど、なぜか逃げずに最後まで同じ所に座っていた。忍耐強いのか、濡れてもいい服装で来ているのか。
お次はペンギンのお散歩だ。
白い道の上を、10羽ほどのフンボルトペンギンがトコトコ歩いて行く。可愛い……。なんでペンギンはこんな可愛いフォルムをしているんだろうか。それでいて、水に潜ると凄いスピードで泳ぐんだからギャップ萌えだ。
ペンギンたちは広場中央まで歩いて行ってウロウロ。スタッフがおやつのアジをあげようとすると「今はいらんよ」みたいな感じでクチバシを使ってはね除ける。その動きも可愛らしかった。
海洋館なる建物で、ガラス張りの床の下を泳ぐ熱帯魚が観れるそうな。1組あたり持ち時間は2分ということで、じっと待つこと10分、順番が来た。
透明なガラス張りの床に足をおろすのは、かなり怖い。表面意識ではガラスが存在すると分かっていても、脳のどこかで潜在的に恐怖を感じてしまうのだろう。恐る恐る着地して、足元を泳ぐ色とりどりの魚を覗く。天井含めて3面が鏡になっているので、摩訶不思議な世界に迷いこんだような感覚だ。
2分なんてあっという間に過ぎてしまった。
それ以外にも色々と観て巡ったが、全部は書き切れないので割愛する。ペンギン好きなら大満足の水族館だ。だから僕は大満足だ。
あと、こんぺいとうハウスに展示されている珍魚の「コンペイトウ」は、ちっこいまん丸スタイルとそのちょこまかした動きで悶絶するほど可愛いため注意が必要です。
行くつもりのなかった場所でこんなに楽しんでしまうとは不覚なり。
水族館を出た瞬間にえちぜん鉄道の駅行きのバスが来たので、思わず乗り込んだ。歩くと1時間くらいかかるから、まあバスでいいやという感じだ。
このバスの運転手さんが面白かった。
名所でバスを減速したり、一時停止して、解説してくれる。
「左をご覧ください。芝政ワールドです。次回は夏に、水着を持ってお越しください」
「ここで左を、そして右をご覧ください。白い花がありますね。これは蕎麦の花です。福井は蕎麦をたくさん作ってるんです。越前そばと言って、とっても美味しいんですよ」
「ここで左をご覧ください。鴨ヶ池と呼ばれる池です。冬が近付くとシベリアからたくさんの鴨がやって来て、子どもを産むんです。それで、春になるとまたシベリアへ戻って行くのです。多い時には三千羽ほどが、池を埋めつくしてしまいます」
こんな感じ。鴨って渡り鳥だったんですねぇ。
ローカルバスもなかなか……良いじゃん。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
えちぜん鉄道で福井駅に戻った。ホテルへ行く前にさっきのバスの運転手さんオススメ、越前そばを食べることにした。十割そばの店で、代表的な大根おろし、それとわさびおろし、とろろの3種を楽しめるセット。そば茶もそば湯も濃くて旨し。
十割そばって、コシがしっかりしていて噛みごたえがある。大根おろしもわさびおろしもこのそばに良く合う。僕にはとろろがピッタシはまった。とろろの中にそばを投入して、とろろ交えて掬い上げ口に入れる。味も食感も最高だ。
まだ夕方の5時だから、もう少しお腹に何か入れたくなり、焼き鯖寿司2貫も追加で頼んだ。これが、とっても、とーっても美味かった。回転寿司でも好んでよく食べるけど、これが本物の鯖の味であるか。
こうして福井をしっかりと堪能する一日は終わり、ホテルで晩酌しながら雑文を書いて、早めに就寝。
明日は恐竜を見に行くんだぜ。
まあとにかく入ってみましょうかね。
入館料を支払い、館内マップとイベントの時刻表を貰い受け、広場に出た。
あれ? やっぱりあの遠くに見える真っ黒な雲、近づいて来てるぞ。
海に滝のような雨を落としている分厚く暗い雲が、さっきよりも随分と近くに見える。ありゃ絶対ここを通るなぁ。
ということで、館内のレストランでコーヒーフロートを飲みながら時間を潰すことにした。そしてバニラアイスがコーヒーに溶けきった頃アイツはやって来た。
スコールだ。
激しく地面を打ちつける雨。強風も伴っており、広場はあっという間に水溜りと化す。イルカショーを早めに待っていた人たちも、堪らず館内へ逃げ込む。さっきまで晴れてたのに、これが日本海の洗礼ってことなのか。
暗い雲のさらにその向こう側では、雲がハッキリと途切れていた。おそらく、もう少し待っていればまた晴れてくるはず。それまでは館内の展示を観て過ごそうかな。
魚に餌を撒くことの出来るコーナーがあったけど、既に餌は売り切れ。まあ、別にいいし。泣いてないし。
サザエとかウナギを手で触れる体験コーナーもあった。こういうのはちょっと苦手なので、ウナギ美味そう。サザエ美味そうと思いつつ観て回った。「海の幸体験コーナー」と題されていたので、この感想は間違いじゃないはず。
ジュラチックアクアリウムという、古生代・中生代から姿を変えずに存在している生き物のコーナー。シーラカンスの多分等身大の模型があって、やはりカッコイイ。浪漫を感じる古代フォルムだ。ダイオウグソクムシは結構グロいスタイルだった。確かにムシって感じで、大きな楕円形の硬そうな黒い体の下にたくさんの足。ウチにあるぬいぐるみは相当可愛らしく作ってあるんだと知った。
わぁわぁ言って走っているどっかの子供たちに紛れて観賞を楽しむうちに、雨が上がって晴天になっていた。あの暗ーい雲はどこへ行って、今度は誰を濡らして困らせているのだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
イルカショー、小さなプールにスタッフ2名、イルカ2頭の体制だが、イルカたちは凄く元気で頭も良い。飛び上がって尾ヒレで高い所にあるビーチボールを叩く演目なんて、カッコ良すぎてシビれましたな。前列の方の人たちは結構水飛沫がかかってたけど、なぜか逃げずに最後まで同じ所に座っていた。忍耐強いのか、濡れてもいい服装で来ているのか。
お次はペンギンのお散歩だ。
白い道の上を、10羽ほどのフンボルトペンギンがトコトコ歩いて行く。可愛い……。なんでペンギンはこんな可愛いフォルムをしているんだろうか。それでいて、水に潜ると凄いスピードで泳ぐんだからギャップ萌えだ。
ペンギンたちは広場中央まで歩いて行ってウロウロ。スタッフがおやつのアジをあげようとすると「今はいらんよ」みたいな感じでクチバシを使ってはね除ける。その動きも可愛らしかった。
海洋館なる建物で、ガラス張りの床の下を泳ぐ熱帯魚が観れるそうな。1組あたり持ち時間は2分ということで、じっと待つこと10分、順番が来た。
透明なガラス張りの床に足をおろすのは、かなり怖い。表面意識ではガラスが存在すると分かっていても、脳のどこかで潜在的に恐怖を感じてしまうのだろう。恐る恐る着地して、足元を泳ぐ色とりどりの魚を覗く。天井含めて3面が鏡になっているので、摩訶不思議な世界に迷いこんだような感覚だ。
2分なんてあっという間に過ぎてしまった。
それ以外にも色々と観て巡ったが、全部は書き切れないので割愛する。ペンギン好きなら大満足の水族館だ。だから僕は大満足だ。
あと、こんぺいとうハウスに展示されている珍魚の「コンペイトウ」は、ちっこいまん丸スタイルとそのちょこまかした動きで悶絶するほど可愛いため注意が必要です。
行くつもりのなかった場所でこんなに楽しんでしまうとは不覚なり。
水族館を出た瞬間にえちぜん鉄道の駅行きのバスが来たので、思わず乗り込んだ。歩くと1時間くらいかかるから、まあバスでいいやという感じだ。
このバスの運転手さんが面白かった。
名所でバスを減速したり、一時停止して、解説してくれる。
「左をご覧ください。芝政ワールドです。次回は夏に、水着を持ってお越しください」
「ここで左を、そして右をご覧ください。白い花がありますね。これは蕎麦の花です。福井は蕎麦をたくさん作ってるんです。越前そばと言って、とっても美味しいんですよ」
「ここで左をご覧ください。鴨ヶ池と呼ばれる池です。冬が近付くとシベリアからたくさんの鴨がやって来て、子どもを産むんです。それで、春になるとまたシベリアへ戻って行くのです。多い時には三千羽ほどが、池を埋めつくしてしまいます」
こんな感じ。鴨って渡り鳥だったんですねぇ。
ローカルバスもなかなか……良いじゃん。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
えちぜん鉄道で福井駅に戻った。ホテルへ行く前にさっきのバスの運転手さんオススメ、越前そばを食べることにした。十割そばの店で、代表的な大根おろし、それとわさびおろし、とろろの3種を楽しめるセット。そば茶もそば湯も濃くて旨し。
十割そばって、コシがしっかりしていて噛みごたえがある。大根おろしもわさびおろしもこのそばに良く合う。僕にはとろろがピッタシはまった。とろろの中にそばを投入して、とろろ交えて掬い上げ口に入れる。味も食感も最高だ。
まだ夕方の5時だから、もう少しお腹に何か入れたくなり、焼き鯖寿司2貫も追加で頼んだ。これが、とっても、とーっても美味かった。回転寿司でも好んでよく食べるけど、これが本物の鯖の味であるか。
こうして福井をしっかりと堪能する一日は終わり、ホテルで晩酌しながら雑文を書いて、早めに就寝。
明日は恐竜を見に行くんだぜ。
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