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第3話 トワイライト
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「ホラーゲーム? で、ゾンビもの。また、すっごく飛躍したねぇ」
文芸部の部室の中。麗が渡したA4用紙に手書きされたメモを、ミイナは興味深そうに読み進める。
麗は不安げな顔で、ミイナの目線をじっと見る。自分の書いたアイデアを目の前でじっくり読まれるのが、こんなに緊張するものとは思わなかった。
「お姉ちゃんに勧められて、今まで怖くて観なかったホラー映画とか、パニックものとかを観てみたんです。そしたらもう、ドキドキが凄くて。特に、主人公が目覚めたら街中にゾンビが蔓延ってるっていう映画なんて、最初から最後まで心臓がバクバク鳴りっぱなしでした」
ミイナは読み終わったメモを史緒里に渡す。
「映画だと、独りでいることの恐怖心とか、いつゾンビに襲われるか分からない緊張感を表現しやすいよね。ゲームはどうかな。あたしはゾンビの出てくるようなゲーム、ほとんどやらないけど。史緒里ちゃんはどう?」
メモに目を通しながら、史緒里が答える。
「ボクはゲーム自体、あんまり遊ばないから……。ゲームは反復性があるから緊張感の持続は難しいと思う。最初は恐る恐る攻撃してても、それがずっと続いたら、いつかは単調な作業になるよ。ドキドキする映画だって繰り返し観たら、そのうち慣れてドキドキしなくなるように、ね。だから市販のゲームは、ムービーシーンとか、謎解きとかで飽きさせないように工夫してるんだろう」
麗はふたりの言葉を真剣に聴く。渡したメモはあくまでも、こんなゲームどうでしょうという妄想を書いたものだ。ここから議論を発展させていきたい。
もう一度メモを読んで、ミイナが天井を仰いで独り言のように呟く。
「ホラー、ゾンビ、生き残る……か。主人公、っていうかプレイヤーの目標は分かりやすいよね」
「それについてはボクも同意見だよ。ゾンビが襲ってくるから倒す。最初は森、で次は廃墟っていう風にステージが変わっていくのも良いね。だけど……」
麗は肩を落として史緒里の言葉を継ぐ。
「そうなんです。結局、オリジナリティが無いんです。これじゃただのパクリゲーになっちゃうんですよね。ここにもうひとつ、このゲームにしかなくて、遊ぶ人を驚かせるような仕組みとかシステムを入れたいなって思います」
部室に妙な沈黙が訪れる。天井を見たままのミイナ、腕を組んで目を瞑り考える史緒里、ふたりを交互に見てソワソワする麗。
5分ほど経って、ミイナが思い出したように声を出す。
「あれ? 今日はイッチー来ないね。昨日は麗ちゃんがいなかったのに来て、ずっとひとりで喋ってたよ。喋り疲れたのかな」
「お姉ちゃんは友達と映画を観に行くって言ってました。あの人が来るとまともに話が出来なくてメチャクチャになるから、来なくていいんです」
「メチャクチャって……。あ、そうか!」
ミイナが両手をポンと合わせて、明るい表情を麗に向ける。
「メチャクチャにしてみたらどうかな?! 1分に1回みたいな感じで、ランダムなイベントが発生するんだよ。ゾンビが大量に湧いてくるとか、宇宙船が現れるとか、あとはね……、画面が暗くなって見辛くなるとか?」
麗は急いでミイナのアイデアをメモに書き足す。そして右手でペンを回しながら、左手でガッツポーズをする。
「いいですね! それなら次は何が起きるんだろうってワクワク、ドキドキ出来ますし、単調なプレイにもならない。史緒里先輩、どうですか?」
「うん。いいんじゃないかな。イベントの種類を多くして、同じパターンを避けられるなら、飽きずに遊んでもらえそうだね」
確かな手応えを感じて、麗の心は震えていた。こんな気持ちは初めてかも知れない。
ミイナは早速ディスプレイに向かい、プログラムを組み始めた。
「あたしはとりあえず、1分に1回イベントを発生させるっていうのを実装してみるよ。麗ちゃんはたくさんイベントを考えてくれると嬉しいな。あと、史緒里ちゃんはゾンビとか、UFOとか、色んなキャラクターを用意して欲しい」
「練習用に作ったモデルがあるから、ローポリゴンに変換するだけで用意できるよ。ドラゴンから宇宙人まで、たくさん作り置きしてるんだ」
麗は尊敬の眼差しを史緒里に向ける。
「史緒里先輩はずっと前からプロを目指してるんですよね。わたしはまだ何にも進路なんて考えてなくて……」
「去年のもっさんもそんな感じだったけど、今じゃプログラマー目指して勉強中なんだ。麗くんもそのうち何か見つかるだろうさ」
「が、頑張りましゅ!」
決意の発言で思いっきり噛み、ガックリと項垂れる麗であった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「じゃあ、あたしたちは寄る所あるから、気を付けて帰ってね」
校門を出て、ミイナと史緒里は自転車に跨り、麗に手を振った。
「今から、おふたりでどこかへ行くんですか?」
「3年生の先輩がジャズ喫茶のライブでベースを弾くんだ。麗くんも興味があればだけど、今度一緒に行こうか」
「はい、次はわたしも行きたいです! ……お母さんが許せば、ですけど」
顔を見合わせ少し笑って、ふたりは自転車を走らせて夕闇に溶けるように去って行った。
ぽつんと独り残され、ふと、昨日観たホラー映画の一場面を思い出してしまった。間隔を空けて街路灯が道を照らしている。光の届かない、夕闇に支配された暗がりから何かが出て来やしないだろうか。
麗は少し足早に歩道を進んで行く。
……大丈夫、大丈夫。あれは映画だ。闇の中から急に手が伸びてくるなんてこと、ないはず!
気付くと、競歩かと思うほどの速さで歩いていた。もう少しで、明るい県道に出る。
だが、後ろから明らかに人のものと思われる息遣いが聞こえてくる。それは、徐々に近付きつつあった。
姉の一子は電車で隣街の映画館へ行っている。だから後ろにいるのは一子ではない。麗は恐ろしさのあまり振り返れずに、瞳を潤ませながら、後ろの気配から逃げるようさらに歩くスピードを上げる。いっそのこと走って逃げようか。
だが遂に追いつかれ、肩を叩かれる。
叫ぶつもりで勇気を振り絞り、泣き顔のまま相手を睨みつける。
「た、高島……先生?」
「ハァ、ハァ……さっきから呼んでたんだが、なぜ逃げた?」
「すいません、悪霊か殺人鬼か何かだと思いました」
高島は俯いて、ガクガクと震える膝を手で抑え、呼吸を整える。
「……まあ、その可能性を完全に否定することは出来ないかもな。でも答えは、生徒が部室に忘れたペンケースを渡そうとする優しい先生でしたー」
そう言って、高島は麗にペンケースを手渡した。
「パソコンの電源の消し忘れとか、戸締りとか確認してたら、机の上にそれがあってな。窓から校門で話してる君の姿が見えたから届けに来たんだよ。こんなに逃げられるとは思わなかったけど」
「ありがとうございます。高島先生って、良い人なんですね。聞いてたのと違……なんでもありません」
ようやく呼吸が落ち着いた高島は、苦々しい笑顔を作った。
「ま、どんな風に言われてるかは知ってるよ。一応だけど、担任してるクラスの生徒からは嫌われてないぞ。文芸部とは前にいざこざがあっただけだ」
「そうなんですね。わたしも別に高島先生は嫌いじゃないですよ。あ、でも、姉に入校許可証をあげたのは減点ですね」
「紫乃木 一子さんか。毎日のように我がもの顔で校舎をウロウロしてて、一部の生徒が困惑してたからな。文芸部の手伝いをするならって渡したんだよ」
……あれが、手伝い……だと?
「姉には、ちゃんと部活の手伝いをするように言っておきます。では、ペンケース、ありがとうございました」
しっかりとお辞儀をして、麗は高島と別れた。
カバンの中のスマホが振動する。画面を確認すると、一子からの写真付きメッセージだった。
『今UFOキャッチャーやってるけど、このキャラ好きだったよね。取ってあげようか?』
麗はフリック入力で素早く返信する。
『今日、帰ったらお話があります。あと、そのキャラは必ず取ってください』
カバンに入れたスマホが、メッセージの着信によって何度も振動する。それを無視して、歩いて行く。
……今日こそ、お姉ちゃんをとっちめてやる。絶対に文芸部の手伝いをさせてやるんだから!
文芸部の部室の中。麗が渡したA4用紙に手書きされたメモを、ミイナは興味深そうに読み進める。
麗は不安げな顔で、ミイナの目線をじっと見る。自分の書いたアイデアを目の前でじっくり読まれるのが、こんなに緊張するものとは思わなかった。
「お姉ちゃんに勧められて、今まで怖くて観なかったホラー映画とか、パニックものとかを観てみたんです。そしたらもう、ドキドキが凄くて。特に、主人公が目覚めたら街中にゾンビが蔓延ってるっていう映画なんて、最初から最後まで心臓がバクバク鳴りっぱなしでした」
ミイナは読み終わったメモを史緒里に渡す。
「映画だと、独りでいることの恐怖心とか、いつゾンビに襲われるか分からない緊張感を表現しやすいよね。ゲームはどうかな。あたしはゾンビの出てくるようなゲーム、ほとんどやらないけど。史緒里ちゃんはどう?」
メモに目を通しながら、史緒里が答える。
「ボクはゲーム自体、あんまり遊ばないから……。ゲームは反復性があるから緊張感の持続は難しいと思う。最初は恐る恐る攻撃してても、それがずっと続いたら、いつかは単調な作業になるよ。ドキドキする映画だって繰り返し観たら、そのうち慣れてドキドキしなくなるように、ね。だから市販のゲームは、ムービーシーンとか、謎解きとかで飽きさせないように工夫してるんだろう」
麗はふたりの言葉を真剣に聴く。渡したメモはあくまでも、こんなゲームどうでしょうという妄想を書いたものだ。ここから議論を発展させていきたい。
もう一度メモを読んで、ミイナが天井を仰いで独り言のように呟く。
「ホラー、ゾンビ、生き残る……か。主人公、っていうかプレイヤーの目標は分かりやすいよね」
「それについてはボクも同意見だよ。ゾンビが襲ってくるから倒す。最初は森、で次は廃墟っていう風にステージが変わっていくのも良いね。だけど……」
麗は肩を落として史緒里の言葉を継ぐ。
「そうなんです。結局、オリジナリティが無いんです。これじゃただのパクリゲーになっちゃうんですよね。ここにもうひとつ、このゲームにしかなくて、遊ぶ人を驚かせるような仕組みとかシステムを入れたいなって思います」
部室に妙な沈黙が訪れる。天井を見たままのミイナ、腕を組んで目を瞑り考える史緒里、ふたりを交互に見てソワソワする麗。
5分ほど経って、ミイナが思い出したように声を出す。
「あれ? 今日はイッチー来ないね。昨日は麗ちゃんがいなかったのに来て、ずっとひとりで喋ってたよ。喋り疲れたのかな」
「お姉ちゃんは友達と映画を観に行くって言ってました。あの人が来るとまともに話が出来なくてメチャクチャになるから、来なくていいんです」
「メチャクチャって……。あ、そうか!」
ミイナが両手をポンと合わせて、明るい表情を麗に向ける。
「メチャクチャにしてみたらどうかな?! 1分に1回みたいな感じで、ランダムなイベントが発生するんだよ。ゾンビが大量に湧いてくるとか、宇宙船が現れるとか、あとはね……、画面が暗くなって見辛くなるとか?」
麗は急いでミイナのアイデアをメモに書き足す。そして右手でペンを回しながら、左手でガッツポーズをする。
「いいですね! それなら次は何が起きるんだろうってワクワク、ドキドキ出来ますし、単調なプレイにもならない。史緒里先輩、どうですか?」
「うん。いいんじゃないかな。イベントの種類を多くして、同じパターンを避けられるなら、飽きずに遊んでもらえそうだね」
確かな手応えを感じて、麗の心は震えていた。こんな気持ちは初めてかも知れない。
ミイナは早速ディスプレイに向かい、プログラムを組み始めた。
「あたしはとりあえず、1分に1回イベントを発生させるっていうのを実装してみるよ。麗ちゃんはたくさんイベントを考えてくれると嬉しいな。あと、史緒里ちゃんはゾンビとか、UFOとか、色んなキャラクターを用意して欲しい」
「練習用に作ったモデルがあるから、ローポリゴンに変換するだけで用意できるよ。ドラゴンから宇宙人まで、たくさん作り置きしてるんだ」
麗は尊敬の眼差しを史緒里に向ける。
「史緒里先輩はずっと前からプロを目指してるんですよね。わたしはまだ何にも進路なんて考えてなくて……」
「去年のもっさんもそんな感じだったけど、今じゃプログラマー目指して勉強中なんだ。麗くんもそのうち何か見つかるだろうさ」
「が、頑張りましゅ!」
決意の発言で思いっきり噛み、ガックリと項垂れる麗であった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「じゃあ、あたしたちは寄る所あるから、気を付けて帰ってね」
校門を出て、ミイナと史緒里は自転車に跨り、麗に手を振った。
「今から、おふたりでどこかへ行くんですか?」
「3年生の先輩がジャズ喫茶のライブでベースを弾くんだ。麗くんも興味があればだけど、今度一緒に行こうか」
「はい、次はわたしも行きたいです! ……お母さんが許せば、ですけど」
顔を見合わせ少し笑って、ふたりは自転車を走らせて夕闇に溶けるように去って行った。
ぽつんと独り残され、ふと、昨日観たホラー映画の一場面を思い出してしまった。間隔を空けて街路灯が道を照らしている。光の届かない、夕闇に支配された暗がりから何かが出て来やしないだろうか。
麗は少し足早に歩道を進んで行く。
……大丈夫、大丈夫。あれは映画だ。闇の中から急に手が伸びてくるなんてこと、ないはず!
気付くと、競歩かと思うほどの速さで歩いていた。もう少しで、明るい県道に出る。
だが、後ろから明らかに人のものと思われる息遣いが聞こえてくる。それは、徐々に近付きつつあった。
姉の一子は電車で隣街の映画館へ行っている。だから後ろにいるのは一子ではない。麗は恐ろしさのあまり振り返れずに、瞳を潤ませながら、後ろの気配から逃げるようさらに歩くスピードを上げる。いっそのこと走って逃げようか。
だが遂に追いつかれ、肩を叩かれる。
叫ぶつもりで勇気を振り絞り、泣き顔のまま相手を睨みつける。
「た、高島……先生?」
「ハァ、ハァ……さっきから呼んでたんだが、なぜ逃げた?」
「すいません、悪霊か殺人鬼か何かだと思いました」
高島は俯いて、ガクガクと震える膝を手で抑え、呼吸を整える。
「……まあ、その可能性を完全に否定することは出来ないかもな。でも答えは、生徒が部室に忘れたペンケースを渡そうとする優しい先生でしたー」
そう言って、高島は麗にペンケースを手渡した。
「パソコンの電源の消し忘れとか、戸締りとか確認してたら、机の上にそれがあってな。窓から校門で話してる君の姿が見えたから届けに来たんだよ。こんなに逃げられるとは思わなかったけど」
「ありがとうございます。高島先生って、良い人なんですね。聞いてたのと違……なんでもありません」
ようやく呼吸が落ち着いた高島は、苦々しい笑顔を作った。
「ま、どんな風に言われてるかは知ってるよ。一応だけど、担任してるクラスの生徒からは嫌われてないぞ。文芸部とは前にいざこざがあっただけだ」
「そうなんですね。わたしも別に高島先生は嫌いじゃないですよ。あ、でも、姉に入校許可証をあげたのは減点ですね」
「紫乃木 一子さんか。毎日のように我がもの顔で校舎をウロウロしてて、一部の生徒が困惑してたからな。文芸部の手伝いをするならって渡したんだよ」
……あれが、手伝い……だと?
「姉には、ちゃんと部活の手伝いをするように言っておきます。では、ペンケース、ありがとうございました」
しっかりとお辞儀をして、麗は高島と別れた。
カバンの中のスマホが振動する。画面を確認すると、一子からの写真付きメッセージだった。
『今UFOキャッチャーやってるけど、このキャラ好きだったよね。取ってあげようか?』
麗はフリック入力で素早く返信する。
『今日、帰ったらお話があります。あと、そのキャラは必ず取ってください』
カバンに入れたスマホが、メッセージの着信によって何度も振動する。それを無視して、歩いて行く。
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