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第1章 星宮沙織 編
第11話 vs.Vritra(ヴリトラ戦)
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モニタの映像が時々静止する。コマ送りで流れる映像には、巨大な蛇に立ち向かうアウルとアナンタの姿があった。
しばらくすると、完全に静止画になってしまい、海底で何が起きているのか分からなくなった。楠木さんが、情報用の小さなモニタを睨んで言う。
「2,800メートルか。無線伝送装置がこれ以上の深度に行けないようですね。あるいは、水圧か何かの要因で動作が不安定になっているか。そうなると、あとはアウル任せになってしまう」
皆の視線が私に集まる。
……アウル、どうしようか。あなたと私で何ができるのかな。
冷や汗をかきながら、必死に今できることを考えていると、アイラが私の肩を軽く叩く。彼女は微笑んで、手で床を示す。
「サオリ、ここに座って」
言われた通り座ると、アイラによって、足の組み方を変えられた。胡座の格好になる。
「手はこうで、せなかをピンてして。アタマもまっすぐ」
両膝の上に、手の平を上に向けて乗せる。背筋を伸ばし、頭を上げる。いつもは少し猫背気味だから、この姿勢はけっこうきつい。
「目をとじて、へその下にイシキをあつめて」
目を瞑る前に、アイラが額を、私の額にくっつけてきた。私は目をきゅっと閉じて、へその下の辺りに意識を集中する。
心臓から全身に、熱が伝わっていく。不思議な温もりに包まれて、私の意識がどこかへ飛ばされる。
海の中。辺りはライトで照らされている。
これは、アウルの視界?
アナンタと、その中にはダーシャの姿があった。翼の生えた蛇がアウルとアナンタの周りをぐるりと廻りながら、こちらの動きを窺っている。アイラが私と額をくっつけたままで話す。
「サオリ、あれはヴリトラってんだ。前にアナンタに負けたのに、まったく、しつこいヤツだよ」
どうやら、アイラの力で、私たちはアウルの視界を共有しているようだ。どんな原理かは分からないけれど。
そしてアナンタが先に動き出す。ヴリトラに近付き、横から長い爪で引っ掻こうと腕を伸ばす。体をくねらせて爪を躱すと、ヴリトラはアナンタの右腕に素早く巻きついて、腕をちぎって分離させた。そのまま体を伸ばしてアナンタの体に取りつき、ダーシャを包む半透明の膜を締め上げようとする。
……アウル、ダーシャを助けて!
アウルが勢いをつけてヴリトラに近付き、体を回転させながら、しっぽを鞭のようにしならせて強く当てると、敵の体はアナンタから少し離れた。アナンタが左腕でヴリトラを引き剥がす。
泳いで逃げ、少し身を引いたアナンタは、右の肩から泡のようなものを放出し、腕を再生させた。
「こうやって殴り合ってるだけじゃ戦いが終わらないよ。アイラ、ヴリトラを倒すにはどうしたらいいの?」
「アウルには、すごい力があると思うんだ。きっと、サオリがイメージしたカッコウになれるはず。もっとソウゾウするんだよ」
イメージトレーニングなら、よくソフトボールの試合前にやってた。ピッチャーの球を弾き返すイメージ、捕球してからすぐに返球するイメージ。チームが勝つっていうイメージ。頭の中で、都合の良い未来を考えていた。
そうか!
私はボールをヴリトラに向けて投げて、当たるところを想像する。そのイメージに呼応して、アウルのしっぽの先端が筒状に開き、光り始め、その開いた先端の穴から、次々と白い光弾が発射されていく。
ヴリトラは翼を閉じて、まるで空を滑翔するように海の中を泳ぎ、放たれた光弾をくねくねと避け続ける。まだ攻撃の数と速さが足りないようだ。
もっと速く、もっとたくさん。頭の中で、どんどんボールを投げつけて、ヴリトラがボロボロになるところをイメージする。そのたびアウルのしっぽから、幾つもの丸い光が放出され、敵に向かって海の中を進んでいく。
ヴリトラはついに避けきれなくなる。その翼の一部に光弾が当たる。
崩壊した部分の周囲から泡が生まれて、すぐに再生してしまう。
「サオリのアタックは早いね。でもこれじゃ、アナンタも近づけないなぁ」
「感覚がつかめてきた。ねえ、アイラはダーシャと話せる?」
「おっ、なんかアイデアがあんだね」
アイラに作戦を伝え、言葉をダーシャへ送ってもらう。
もう一度、アウルは攻撃を開始する。今度は、ヴリトラの進路を塞ぐように光弾を放ち、アナンタの待つ方へと敵を追い込んでいく。
真正面から泳いできたヴリトラを、アナンタが腕を伸ばして掴む。
ヴリトラが、じたばたと暴れ出す。強く太い腕でアナンタは揺さぶりに耐え、翼の付け根をガッチリと抑えて動きを封じ込めてくれた。
私は、バットを持ち、バッターボックスに入る姿を想像する。アウルのしっぽが、真っ直ぐ長い一本の剣のように変化する。そして、アナンタから離れようとじたばたするヴリトラに、猛烈な勢いで近付いていく。
ピッチャーが投げた球を打つためにバットを振り抜くイメージ。さらに、インパクトの瞬間に押し込むイメージ。
アウルが鋭く伸びたしっぽを振り、ヴリトラの体を斜めに斬り裂く。敵の頭が離れ、回復のために泡を放出し始める。
「いまだサオリ! アイツをふきとばせ!」
アウルのしっぽが筒状に変化する。先端から光が膨らんでいく。大きくなった光を、回復のために静止したヴリトラの頭に向けて放出する。
放たれた光がヴリトラの頭にぶつかる。大きな咆哮を上げながら、ヴリトラの頭と、離れていた体が泥に変わり崩壊していく。
そして、海の藻屑と化して消えていった。
アナンタの中のダーシャを見ると、指を下に向けて首を縦に振る。
一緒にこのまま、海底のさらに先へ行こうってことかな。何があるのか、彼女も興味を持っているみたいだ。
……アウル、故郷に連れてって。私にその景色を見せて。
あまり乗り気でないのか、アウルの返事は聴こえない。こちらの言葉には反応してくれたようで、闇の向こうの、もっと深い場所へ潜って行く。
小さな深海魚やエビがウロウロしている。発光している魚もいる。堆積したゴミが見えた。こんなところにもビニール袋が落ちているようだ。
さらに深い場所へ進み、アウルとアナンタは、少し狭くなった場所を通る。アウルの装備したライトの光が、大きな亀裂のようなものを照らす。ここが出口になっているのだろうか。
亀裂を通り抜けると、そこには蒼く、淡く輝く世界があった。
「これが、海底の、さらに下の世界……?」
広大な空間に、幾つもの大きな球体が浮かんでいる。それはまるで惑星のように、ゆっくりと蒼の世界を動いている。球体は様々な色だが、遠い場所にあるので、その中身や、表面に何があるのかまでは見えない。
アウルの傍を、大きな影が通過した。鯨のような姿だけれど、アウルとは比べようもないくらい巨大だ。数百メートルくらいはあるかも知れない。
その鯨のような大きなものの周りに、たくさんの機体がくっついているように見える。その姿形は様々で、蟹のようなもの、蛸のようなもの、アウルのように、半魚人みたいなのもあった。
アウルの声が聴こえる。
『僕はここが嫌いなんだ。ここには嫌な奴がいっぱいいる。だから上の世界に行ったんだよ』
一方、アイラがダーシャの言葉を私に伝える。
「もう、戻ろうだってさ。アナンタが嫌がってる」
綺麗な世界に見えるけど、ここにも社会の厳しさみたいなものがあるのだろうか。
アナンタの中のダーシャの方を向くと、今度は指を上に向けて、首を縦に振っていた。
「分かった、戻ろう。ちゃんとカメラは撮れたかなぁ」
アウルとアナンタは上昇して、亀裂を抜ける。きっとこうやって、この世界から自分の意思で出て来たんだろうな。でも、亀裂はどうして作られたのだろうか。
海の底に沿って進んで行くと、巨大な建造物のような影が現れる。近付いてライトを向けると、英字が大きくペイントされていた。
「甲斐さんが乗ってた船かも」
カメラで撮れるように向きを変えながら船を通り過ぎて、もう少し浮上していると、コウさんが私の肩に手を置いた。
「カメラの映像が戻ったわ。でも、そのままアウルたちが上がってくると、屍人の粉も持って来てしまうの。しばらくは海の中にいてもらうことになると思う」
……アウル、ごめんね。何日か海の中にいてくれる?
『分かった。しばらくはこの子と一緒に遊ぶよ』
アイラの額が離れる。目を開けると、私の視界はコントロールルームに戻っていた。
どうやら、私は大量の汗をかいていたみたいだ。そして、エネルギーを使い果たしたからか、そのまま気を失って倒れた。
しばらくすると、完全に静止画になってしまい、海底で何が起きているのか分からなくなった。楠木さんが、情報用の小さなモニタを睨んで言う。
「2,800メートルか。無線伝送装置がこれ以上の深度に行けないようですね。あるいは、水圧か何かの要因で動作が不安定になっているか。そうなると、あとはアウル任せになってしまう」
皆の視線が私に集まる。
……アウル、どうしようか。あなたと私で何ができるのかな。
冷や汗をかきながら、必死に今できることを考えていると、アイラが私の肩を軽く叩く。彼女は微笑んで、手で床を示す。
「サオリ、ここに座って」
言われた通り座ると、アイラによって、足の組み方を変えられた。胡座の格好になる。
「手はこうで、せなかをピンてして。アタマもまっすぐ」
両膝の上に、手の平を上に向けて乗せる。背筋を伸ばし、頭を上げる。いつもは少し猫背気味だから、この姿勢はけっこうきつい。
「目をとじて、へその下にイシキをあつめて」
目を瞑る前に、アイラが額を、私の額にくっつけてきた。私は目をきゅっと閉じて、へその下の辺りに意識を集中する。
心臓から全身に、熱が伝わっていく。不思議な温もりに包まれて、私の意識がどこかへ飛ばされる。
海の中。辺りはライトで照らされている。
これは、アウルの視界?
アナンタと、その中にはダーシャの姿があった。翼の生えた蛇がアウルとアナンタの周りをぐるりと廻りながら、こちらの動きを窺っている。アイラが私と額をくっつけたままで話す。
「サオリ、あれはヴリトラってんだ。前にアナンタに負けたのに、まったく、しつこいヤツだよ」
どうやら、アイラの力で、私たちはアウルの視界を共有しているようだ。どんな原理かは分からないけれど。
そしてアナンタが先に動き出す。ヴリトラに近付き、横から長い爪で引っ掻こうと腕を伸ばす。体をくねらせて爪を躱すと、ヴリトラはアナンタの右腕に素早く巻きついて、腕をちぎって分離させた。そのまま体を伸ばしてアナンタの体に取りつき、ダーシャを包む半透明の膜を締め上げようとする。
……アウル、ダーシャを助けて!
アウルが勢いをつけてヴリトラに近付き、体を回転させながら、しっぽを鞭のようにしならせて強く当てると、敵の体はアナンタから少し離れた。アナンタが左腕でヴリトラを引き剥がす。
泳いで逃げ、少し身を引いたアナンタは、右の肩から泡のようなものを放出し、腕を再生させた。
「こうやって殴り合ってるだけじゃ戦いが終わらないよ。アイラ、ヴリトラを倒すにはどうしたらいいの?」
「アウルには、すごい力があると思うんだ。きっと、サオリがイメージしたカッコウになれるはず。もっとソウゾウするんだよ」
イメージトレーニングなら、よくソフトボールの試合前にやってた。ピッチャーの球を弾き返すイメージ、捕球してからすぐに返球するイメージ。チームが勝つっていうイメージ。頭の中で、都合の良い未来を考えていた。
そうか!
私はボールをヴリトラに向けて投げて、当たるところを想像する。そのイメージに呼応して、アウルのしっぽの先端が筒状に開き、光り始め、その開いた先端の穴から、次々と白い光弾が発射されていく。
ヴリトラは翼を閉じて、まるで空を滑翔するように海の中を泳ぎ、放たれた光弾をくねくねと避け続ける。まだ攻撃の数と速さが足りないようだ。
もっと速く、もっとたくさん。頭の中で、どんどんボールを投げつけて、ヴリトラがボロボロになるところをイメージする。そのたびアウルのしっぽから、幾つもの丸い光が放出され、敵に向かって海の中を進んでいく。
ヴリトラはついに避けきれなくなる。その翼の一部に光弾が当たる。
崩壊した部分の周囲から泡が生まれて、すぐに再生してしまう。
「サオリのアタックは早いね。でもこれじゃ、アナンタも近づけないなぁ」
「感覚がつかめてきた。ねえ、アイラはダーシャと話せる?」
「おっ、なんかアイデアがあんだね」
アイラに作戦を伝え、言葉をダーシャへ送ってもらう。
もう一度、アウルは攻撃を開始する。今度は、ヴリトラの進路を塞ぐように光弾を放ち、アナンタの待つ方へと敵を追い込んでいく。
真正面から泳いできたヴリトラを、アナンタが腕を伸ばして掴む。
ヴリトラが、じたばたと暴れ出す。強く太い腕でアナンタは揺さぶりに耐え、翼の付け根をガッチリと抑えて動きを封じ込めてくれた。
私は、バットを持ち、バッターボックスに入る姿を想像する。アウルのしっぽが、真っ直ぐ長い一本の剣のように変化する。そして、アナンタから離れようとじたばたするヴリトラに、猛烈な勢いで近付いていく。
ピッチャーが投げた球を打つためにバットを振り抜くイメージ。さらに、インパクトの瞬間に押し込むイメージ。
アウルが鋭く伸びたしっぽを振り、ヴリトラの体を斜めに斬り裂く。敵の頭が離れ、回復のために泡を放出し始める。
「いまだサオリ! アイツをふきとばせ!」
アウルのしっぽが筒状に変化する。先端から光が膨らんでいく。大きくなった光を、回復のために静止したヴリトラの頭に向けて放出する。
放たれた光がヴリトラの頭にぶつかる。大きな咆哮を上げながら、ヴリトラの頭と、離れていた体が泥に変わり崩壊していく。
そして、海の藻屑と化して消えていった。
アナンタの中のダーシャを見ると、指を下に向けて首を縦に振る。
一緒にこのまま、海底のさらに先へ行こうってことかな。何があるのか、彼女も興味を持っているみたいだ。
……アウル、故郷に連れてって。私にその景色を見せて。
あまり乗り気でないのか、アウルの返事は聴こえない。こちらの言葉には反応してくれたようで、闇の向こうの、もっと深い場所へ潜って行く。
小さな深海魚やエビがウロウロしている。発光している魚もいる。堆積したゴミが見えた。こんなところにもビニール袋が落ちているようだ。
さらに深い場所へ進み、アウルとアナンタは、少し狭くなった場所を通る。アウルの装備したライトの光が、大きな亀裂のようなものを照らす。ここが出口になっているのだろうか。
亀裂を通り抜けると、そこには蒼く、淡く輝く世界があった。
「これが、海底の、さらに下の世界……?」
広大な空間に、幾つもの大きな球体が浮かんでいる。それはまるで惑星のように、ゆっくりと蒼の世界を動いている。球体は様々な色だが、遠い場所にあるので、その中身や、表面に何があるのかまでは見えない。
アウルの傍を、大きな影が通過した。鯨のような姿だけれど、アウルとは比べようもないくらい巨大だ。数百メートルくらいはあるかも知れない。
その鯨のような大きなものの周りに、たくさんの機体がくっついているように見える。その姿形は様々で、蟹のようなもの、蛸のようなもの、アウルのように、半魚人みたいなのもあった。
アウルの声が聴こえる。
『僕はここが嫌いなんだ。ここには嫌な奴がいっぱいいる。だから上の世界に行ったんだよ』
一方、アイラがダーシャの言葉を私に伝える。
「もう、戻ろうだってさ。アナンタが嫌がってる」
綺麗な世界に見えるけど、ここにも社会の厳しさみたいなものがあるのだろうか。
アナンタの中のダーシャの方を向くと、今度は指を上に向けて、首を縦に振っていた。
「分かった、戻ろう。ちゃんとカメラは撮れたかなぁ」
アウルとアナンタは上昇して、亀裂を抜ける。きっとこうやって、この世界から自分の意思で出て来たんだろうな。でも、亀裂はどうして作られたのだろうか。
海の底に沿って進んで行くと、巨大な建造物のような影が現れる。近付いてライトを向けると、英字が大きくペイントされていた。
「甲斐さんが乗ってた船かも」
カメラで撮れるように向きを変えながら船を通り過ぎて、もう少し浮上していると、コウさんが私の肩に手を置いた。
「カメラの映像が戻ったわ。でも、そのままアウルたちが上がってくると、屍人の粉も持って来てしまうの。しばらくは海の中にいてもらうことになると思う」
……アウル、ごめんね。何日か海の中にいてくれる?
『分かった。しばらくはこの子と一緒に遊ぶよ』
アイラの額が離れる。目を開けると、私の視界はコントロールルームに戻っていた。
どうやら、私は大量の汗をかいていたみたいだ。そして、エネルギーを使い果たしたからか、そのまま気を失って倒れた。
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