23 / 27
第3章 Revision
第23話 勝負
しおりを挟む
希璃がファイルのページを次々と捲っていく。
「そんなんで読めてるの?」
「今、話しかけないで。速読は集中力が全てなの」
邪魔をしてしまった。希璃は大きくひと呼吸して、またページを捲り始める。
オフィスでは、長縄くんを筆頭に、テストチームの面々が不思議な動きを繰り返している。タコ踊りやロボットダンスをしている人もいる。
部長が見たら、泡を吹いて倒れるか、全員、謹慎処分を受けるんだろうな。
希璃は最後のページを捲り、もう何も書かれていないことを確かめる。
「ふう。遠藤教授の設計思想は分かったわ。でも、危険なことは書かれてない。アルゴリズムを組み合わせて、様々な要求に最適な答えを出すための仕組みばっかり。要するにディープラーニングによらないAIを作るための考え方ね」
希璃で分からないなら、望み薄だなと思っていると、オフィスの電話が鳴った。
「はい。クラウンモリワキ、開発部です」
部名を名乗ると、受話器からついさっき聞いた声がした。
「シルグラン・メビウスの伊盛と申しますが……あれ? セリトさんの彼女さんですか?」
「違うけど、伊盛さんが想像している者ではあります。どうされましたか」
「さっきお渡ししたファイルですけど、ゲーム好き、それか、ファンタジー物が好きな人に見せた方がいいっスよ」
「どうしてですか」
「ここまでが、ボクにできる最大限の親切ってヤツです。セリトさんによろしくお伝えください。じゃ」
そう言って勝手に電話を切られてしまった。なんだコイツ。
私はオフィスを見回し、踊り狂う長縄くんに声を掛けた。
「長縄くんさぁ、確かゲーム好きだったよね」
「ゼェ……はい。それなりですけど」
「ちょっとこのファイル読んでみて」
「さやかさん! 私が見て分からないのに、長縄に見せてどうするのよ」
やるせない表情でオフィスチェアに座り、長縄くんは息を整えてファイルを読み始める。ゆっくりとページを読み進めていく。
「ねぇ、さやかさ……」
「シッ」
人差し指を唇に当てて、希璃を制する。彼女は、所在無げにふらふらとどこかへ行ってしまった。
長縄くんが何かに気付いたように、肩をピクリと動かす。振り返り、私を手招きする。
「古尾谷さん。これを見てください」
彼の指差す箇所を見る。文章の中に、平仮名を書き損じたような文字があった。
「字が下手ね」
「そういうことじゃなくて。ええと、これは多分、ルーン文字です。ファンタジーでたまに出てくるんです。宝石や石に刻まれた文字とか」
「へぇ。教授もそういうの好きなのかな。……ん?」
長縄くんが両手をパチンと叩き、勢いよく立ち上がり、叫ぶ。
「そういうことです! 皆を集めてください!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「希璃、智を見なかった?」
「さやかさんと帰って来てから、すぐに開発部長の所に行ったみたい」
「ふーん……」
「そういえば、帰って来た時に楽しそうに話してたけど、何かあった?」
「別に。まあ、何も変わってはいないかな」
希璃が訝しそうに私の顔を覗く。
長縄くんが、集まった皆へ大きな声で告げる。
「今から、実験をします。ルーン文字には、いくつか悪い意味の言葉があります。それを、手袋で描きます」
長縄くんが、指を伸ばして、アルファベットなのか平仮名なのか分からない文字を宙に描く。いくつかの組み合わせを試した時、希璃が声を上げる。
「長縄! 火!」
長縄くんの右手にはめている手袋に、火がついた。
すぐに希璃が駆け寄り、手袋を破るように外し、床に捨ててパンプスで何度も踏みつけ消火した。
「ちょっと! 火傷してるじゃない!」
長縄くんを引っ張って、希璃は給湯室の方へ走っていく。
私は床の上の焦げついた手袋を拾い上げる。
自動ドアが横に開き、部長と智が入って来る。
「さやか。なんだそれ」
「長縄くんが、自分の身をもって証明しました。この手袋で特定のルーン文字を描くと、イフリート・システムが悪さをします」
部長が驚いた表情で智を見る。智は頷いて、皆を見回す。
「事故報告書のアクセスポイントから、手袋の所有者を割り出した。全員、遠藤教授のゼミ生だ」
そう言って、智は私が持っている手袋を取り、時計を見る。
すぐにスマホでどこかに電話をかける。
「遠藤教授ですか、クラウンモリワキの泊と申します。ええ、その節はお世話になりました。また少しお伺いしたいことがありまして、1週間後はどうでしょうか」
そんな悠長な、と言おうとしたら、智は手をこちらに伸ばし制止した。
「ありがとうございます。その日で結構です。それでは、失礼します」
スマホの終話ボタンをタップすると、すぐに私の方を向く。
「行くぞ」
私の腕をとり、引っ張る。
私は引き摺られるようにオフィスから出て、廊下を歩いていく。
「なんで? 1週間後じゃないの?」
「教授のオフィスに振り子時計があっただろ。さっき通話中、17時きっかりにメロディーが聴こえた。教授は今、オフィスにいる」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
智が、近代的なオフィスに似合わない古い木の扉を叩く。しばらくして、ゆっくりと扉が開く。教授は少し息が荒く、ほんのり汗をかいているように見えた。
「今日来るとは、伺っていなかったはずだが」
「教授の返答次第ではすぐに帰ります。たくさんの人の生活がかかってるんだ。話をさせてください」
智が深く頭を下げる。私もつられて少し頭を下げる。
「……入りたまえ」
手で指示されて、黒い革張りのソファーに座る。智は座りながら、オフィスの中を見渡している。
「さて、質問なら手短にお願いしますよ」
「どこかに旅行に行くつもりだったんですか? リュックサックがパンパンですよ。まさか、毎日あんな荷物があるわけじゃないですよね」
智の言葉に教授の表情がこわばる。
「君は……まさか、17時きっかりに電話してきたのも、わざとなのか。なかなかの策士だ。気に入ったよ」
教授はねちっこい笑いを浮かべる。こんなキャラだったっけ。
「あなたは自分では試さず、ゼミ生にルーン文字を描かせ事故を起こさせた。何のためですか」
智の問いかけに、教授は目を瞑り、顎からだらんと伸びた髭を触る。しばらくして目を開け、私を見て、声を出す。
「モリワキくんは選別という言葉を使っていたね。それは、非常に受け身だ。勝負は、結果的に勝てばいいというものではない。最初から、勝つつもりで始めるものなんだ」
「始めから……こうするつもりだったんですか?」
私の震える声に、教授の顔が少し優しくなった気がした。
「前にも言ったが、私はモリワキくんの技術発表を見て、がっかりしたんだ。それほど画期的でもない、単にAIでこんなことしてみました、のようなつまらない内容だったからね。ディープラーニングでやれることが増えたところで、私の設計したイフリート・システムの方が優れてるんだよ」
教授は立ち上がり、窓の外を眺める。
「すでにフラクタル・グラウンドは、私のシステムに侵食されつつある。正式リリースされれば、世界中にばら撒かれたシルグラン・メビウス社の他のAIも巻き込んで、面白いことになるぞ」
そう言って、教授は大声で笑う。
私は立ち上がり、教授を睨んで問う。
「どうしたら、やめてくれますか。せっかくの技術を、なんでそんなことに使うんですか。どうして皆を不幸にしようとするんですか!」
目から涙が流れる。それでも、私は教授を睨み続ける。
「勝負は、ずっと前から始まっていたんだよ。今更、何を言ったところで、止められはしない。勝ち負けがはっきりするまで、傍観しているしかないんだ」
「なら、何で教授は逃げる準備をしていたんですか。何もできないなら、どっしりとここで結果を待てばいいはずだ。ゼミ生を使って成果を試す必要もなかった。本当は、解除の方法があるんですよね」
智の言葉で教授の唇が震える。
遠藤教授は、天井を見上げ、何かを呟く。そして、ゆっくりとソファーに座り直して、顔を上げる。
「そうだな、このまま楽勝というのもつまらない。一度だけチャンスをやろう。明日の朝10時に、私はフラクタル・グラウンドのアトラクション、竜王城の最上階にいる。正午までに私を倒したら、設計書をお渡ししますよ」
智を見ると、彼は俯いて何か考えている様子だ。
私は教授をしっかりと見据え、宣言する。
「望むところです! 絶対に勝ってやるんだから!」
「そんなんで読めてるの?」
「今、話しかけないで。速読は集中力が全てなの」
邪魔をしてしまった。希璃は大きくひと呼吸して、またページを捲り始める。
オフィスでは、長縄くんを筆頭に、テストチームの面々が不思議な動きを繰り返している。タコ踊りやロボットダンスをしている人もいる。
部長が見たら、泡を吹いて倒れるか、全員、謹慎処分を受けるんだろうな。
希璃は最後のページを捲り、もう何も書かれていないことを確かめる。
「ふう。遠藤教授の設計思想は分かったわ。でも、危険なことは書かれてない。アルゴリズムを組み合わせて、様々な要求に最適な答えを出すための仕組みばっかり。要するにディープラーニングによらないAIを作るための考え方ね」
希璃で分からないなら、望み薄だなと思っていると、オフィスの電話が鳴った。
「はい。クラウンモリワキ、開発部です」
部名を名乗ると、受話器からついさっき聞いた声がした。
「シルグラン・メビウスの伊盛と申しますが……あれ? セリトさんの彼女さんですか?」
「違うけど、伊盛さんが想像している者ではあります。どうされましたか」
「さっきお渡ししたファイルですけど、ゲーム好き、それか、ファンタジー物が好きな人に見せた方がいいっスよ」
「どうしてですか」
「ここまでが、ボクにできる最大限の親切ってヤツです。セリトさんによろしくお伝えください。じゃ」
そう言って勝手に電話を切られてしまった。なんだコイツ。
私はオフィスを見回し、踊り狂う長縄くんに声を掛けた。
「長縄くんさぁ、確かゲーム好きだったよね」
「ゼェ……はい。それなりですけど」
「ちょっとこのファイル読んでみて」
「さやかさん! 私が見て分からないのに、長縄に見せてどうするのよ」
やるせない表情でオフィスチェアに座り、長縄くんは息を整えてファイルを読み始める。ゆっくりとページを読み進めていく。
「ねぇ、さやかさ……」
「シッ」
人差し指を唇に当てて、希璃を制する。彼女は、所在無げにふらふらとどこかへ行ってしまった。
長縄くんが何かに気付いたように、肩をピクリと動かす。振り返り、私を手招きする。
「古尾谷さん。これを見てください」
彼の指差す箇所を見る。文章の中に、平仮名を書き損じたような文字があった。
「字が下手ね」
「そういうことじゃなくて。ええと、これは多分、ルーン文字です。ファンタジーでたまに出てくるんです。宝石や石に刻まれた文字とか」
「へぇ。教授もそういうの好きなのかな。……ん?」
長縄くんが両手をパチンと叩き、勢いよく立ち上がり、叫ぶ。
「そういうことです! 皆を集めてください!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「希璃、智を見なかった?」
「さやかさんと帰って来てから、すぐに開発部長の所に行ったみたい」
「ふーん……」
「そういえば、帰って来た時に楽しそうに話してたけど、何かあった?」
「別に。まあ、何も変わってはいないかな」
希璃が訝しそうに私の顔を覗く。
長縄くんが、集まった皆へ大きな声で告げる。
「今から、実験をします。ルーン文字には、いくつか悪い意味の言葉があります。それを、手袋で描きます」
長縄くんが、指を伸ばして、アルファベットなのか平仮名なのか分からない文字を宙に描く。いくつかの組み合わせを試した時、希璃が声を上げる。
「長縄! 火!」
長縄くんの右手にはめている手袋に、火がついた。
すぐに希璃が駆け寄り、手袋を破るように外し、床に捨ててパンプスで何度も踏みつけ消火した。
「ちょっと! 火傷してるじゃない!」
長縄くんを引っ張って、希璃は給湯室の方へ走っていく。
私は床の上の焦げついた手袋を拾い上げる。
自動ドアが横に開き、部長と智が入って来る。
「さやか。なんだそれ」
「長縄くんが、自分の身をもって証明しました。この手袋で特定のルーン文字を描くと、イフリート・システムが悪さをします」
部長が驚いた表情で智を見る。智は頷いて、皆を見回す。
「事故報告書のアクセスポイントから、手袋の所有者を割り出した。全員、遠藤教授のゼミ生だ」
そう言って、智は私が持っている手袋を取り、時計を見る。
すぐにスマホでどこかに電話をかける。
「遠藤教授ですか、クラウンモリワキの泊と申します。ええ、その節はお世話になりました。また少しお伺いしたいことがありまして、1週間後はどうでしょうか」
そんな悠長な、と言おうとしたら、智は手をこちらに伸ばし制止した。
「ありがとうございます。その日で結構です。それでは、失礼します」
スマホの終話ボタンをタップすると、すぐに私の方を向く。
「行くぞ」
私の腕をとり、引っ張る。
私は引き摺られるようにオフィスから出て、廊下を歩いていく。
「なんで? 1週間後じゃないの?」
「教授のオフィスに振り子時計があっただろ。さっき通話中、17時きっかりにメロディーが聴こえた。教授は今、オフィスにいる」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
智が、近代的なオフィスに似合わない古い木の扉を叩く。しばらくして、ゆっくりと扉が開く。教授は少し息が荒く、ほんのり汗をかいているように見えた。
「今日来るとは、伺っていなかったはずだが」
「教授の返答次第ではすぐに帰ります。たくさんの人の生活がかかってるんだ。話をさせてください」
智が深く頭を下げる。私もつられて少し頭を下げる。
「……入りたまえ」
手で指示されて、黒い革張りのソファーに座る。智は座りながら、オフィスの中を見渡している。
「さて、質問なら手短にお願いしますよ」
「どこかに旅行に行くつもりだったんですか? リュックサックがパンパンですよ。まさか、毎日あんな荷物があるわけじゃないですよね」
智の言葉に教授の表情がこわばる。
「君は……まさか、17時きっかりに電話してきたのも、わざとなのか。なかなかの策士だ。気に入ったよ」
教授はねちっこい笑いを浮かべる。こんなキャラだったっけ。
「あなたは自分では試さず、ゼミ生にルーン文字を描かせ事故を起こさせた。何のためですか」
智の問いかけに、教授は目を瞑り、顎からだらんと伸びた髭を触る。しばらくして目を開け、私を見て、声を出す。
「モリワキくんは選別という言葉を使っていたね。それは、非常に受け身だ。勝負は、結果的に勝てばいいというものではない。最初から、勝つつもりで始めるものなんだ」
「始めから……こうするつもりだったんですか?」
私の震える声に、教授の顔が少し優しくなった気がした。
「前にも言ったが、私はモリワキくんの技術発表を見て、がっかりしたんだ。それほど画期的でもない、単にAIでこんなことしてみました、のようなつまらない内容だったからね。ディープラーニングでやれることが増えたところで、私の設計したイフリート・システムの方が優れてるんだよ」
教授は立ち上がり、窓の外を眺める。
「すでにフラクタル・グラウンドは、私のシステムに侵食されつつある。正式リリースされれば、世界中にばら撒かれたシルグラン・メビウス社の他のAIも巻き込んで、面白いことになるぞ」
そう言って、教授は大声で笑う。
私は立ち上がり、教授を睨んで問う。
「どうしたら、やめてくれますか。せっかくの技術を、なんでそんなことに使うんですか。どうして皆を不幸にしようとするんですか!」
目から涙が流れる。それでも、私は教授を睨み続ける。
「勝負は、ずっと前から始まっていたんだよ。今更、何を言ったところで、止められはしない。勝ち負けがはっきりするまで、傍観しているしかないんだ」
「なら、何で教授は逃げる準備をしていたんですか。何もできないなら、どっしりとここで結果を待てばいいはずだ。ゼミ生を使って成果を試す必要もなかった。本当は、解除の方法があるんですよね」
智の言葉で教授の唇が震える。
遠藤教授は、天井を見上げ、何かを呟く。そして、ゆっくりとソファーに座り直して、顔を上げる。
「そうだな、このまま楽勝というのもつまらない。一度だけチャンスをやろう。明日の朝10時に、私はフラクタル・グラウンドのアトラクション、竜王城の最上階にいる。正午までに私を倒したら、設計書をお渡ししますよ」
智を見ると、彼は俯いて何か考えている様子だ。
私は教授をしっかりと見据え、宣言する。
「望むところです! 絶対に勝ってやるんだから!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
終末の運命に抗う者達
ブレイブ
SF
人類のほとんどは突然現れた地球外生命体アースによって、消滅し、地球の人口は数百人になってしまった、だが、希望はあり、地球外生命体に抗う為に、最終兵器。ドゥームズギアを扱う少年少女が居た
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
未来に住む一般人が、リアルな異世界に転移したらどうなるか。
kaizi
SF
主人公の設定は、30年後の日本に住む一般人です。
異世界描写はひたすらリアル(現実の中世ヨーロッパ)に寄せたので、リアル描写がメインになります。
魔法、魔物、テンプレ異世界描写に飽きている方、SFが好きな方はお読みいただければ幸いです。
なお、完結している作品を毎日投稿していきますので、未完結で終わることはありません。
我らおっさん・サークル「異世界召喚予備軍」
虚仮橋陣屋(こけばしじんや)
青春
おっさんの、おっさんによる、おっさんのためのほろ苦い青春ストーリー
サラリーマン・寺崎正・四〇歳。彼は何処にでもいるごく普通のおっさんだ。家族のために黙々と働き、家に帰って夕食を食べ、風呂に入って寝る。そんな真面目一辺倒の毎日を過ごす、無趣味な『つまらない人間』がある時見かけた奇妙なポスターにはこう書かれていた――サークル「異世界召喚予備軍」、メンバー募集!と。そこから始まるちょっと笑えて、ちょっと勇気を貰えて、ちょっと泣ける、おっさんたちのほろ苦い青春ストーリー。
俺だけ使えるバグで異世界無双
I.G
ファンタジー
クラスで陰キャの成瀬敬は常に学校が退屈だった。何かおかしなことが起きて学校どころじゃなくならないかと窓の外を眺める日々。
そんなある日、教室ごと転移してしまった成瀬達を待っていたのはセリナと名乗る魔道士だった。彼女は、カナリア王国が魔王の力によって壊滅の危機にあり、転移者達の力が必要だと協力を依頼してきた。なんでも、転移者は転移石という魔石によってステータスを爆上げできるのだと言う。クラスメイト全員が転移石を受け取り、最後にいよいよ成瀬の番が来たが、もう転移石はないと成瀬だけが断られてしまう。
成瀬が絶望する中、セリナはクラス全員を王都にテレポートする。しかし、成瀬が目を覚ますと一人だけ野原に捨てられていた。
これはそこから成り上がる主人公の異世界物語。
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
Owl's Anima
おくむらなをし
SF
◇戦闘シーン等に残酷な描写が含まれます。閲覧にはご注意ください。
高校生の沙織は、4月の始業式の日に、謎の機体の墜落に遭遇する。
そして、すべての大切な人を失う。
沙織は、地球の存亡をかけた戦いに巻き込まれていく。
◇この物語はフィクションです。全29話、完結済み。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる