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選抜チームへ②
しおりを挟む金髪に染めたヘアースタイルが印象的な男子スタッフ。
「(う)るっせぇな、小言はアタマに響くんだよっ」
「夜遊びも結構だが翌日の仕事に支障が出るような
無茶は慎め」
その冬木と呼ばれたメンバーは不快さを隠そうともせず、
私を怪訝に見た。
「何? お前――」
「今日から入った新メンバーの和泉だ」
その冬木さんが自分の席へ向かう為、
私とすれ違った時言った言葉が私の心に棘となって
突き刺さった。
「あぁ、ボスのおきに、ね……」
「!―― おきに?」
ピン、ポン、パン、ポ~ン ――――
各務社長、1階受付にお客様がお見えです――。
と、ボスを呼び出す社内アナの声。
「じゃ、安倍くん、和泉にひと通りの日常業務教えといて
くれるかな」
と、安倍さんに私を託してボスは去って行った。
「女はいいよなぁ~、イザって時は奥の手でいくらでも
美味しい仕事もゲットし放題だし」
遅刻を皆の前で咎められた冬木さんはまだ、
ハラのムシが収まらないといった様子で
聞こえよがしの嫌味。
今日このチームに入ったばかりで波風を立てるわけにも
いかない私に代わり、
同性メンバーのまなみさんが険しい表情で
冬木さんに言った。
「それ、どーゆう意味かしら? 冬木くん。いい年して、
言っていい事と悪い事の自己判断も出来ないの?」
「あぁ、気に触ったならすいませんね。オレが言ったのは
あくまでも一般論っすから。それに、今回の社内公募では
50人近い応募が会ったのに、そんな中で一番評価の
低かったこいつを何故わざわざ選んだのか?
オレは納得したわけじゃない」
一番評価の低かった――?
「たっちゃん……」
「あの、和泉さん?
もちろん、ちゃんとみんなで話し合って
決めたんだからね」
って、安倍さんはとりなしてくれたけど……。
冬木さんの不機嫌さの原因の一端は、
私の新加入にあるのだと分かって、
一気に気分が凹んでいった。
勢いづいた冬木さんの言葉がさらに私を追い詰める。
「はっ! あれが話し合いって言えるのかぁ?!
オレらが何を言おうが結局あの人の”こいつがイイ”の
ひと言で決まりだったじゃん。即戦力になりそうな
人材だっていたってのに、特に何処って取り柄もねぇ
あいつの何処が良かったんだか」
「いい加減にしろっ、冬木」
冬木さんは竹内チーフにまで厳しい口調で嗜められ、
憮然とした表情で渋々引き下がる素振りで、
だけど部屋から立ち去る間際とどめのキツいひと言を
言い捨てて行った。
「ま、連れて歩くペットが欲しいならちょうどいいかもなっ」
!!ペット――。私が……??
「冬木っ!――ったく、あいつはいくら2日酔いで
気分悪いからってしょうがないな。
あ、和泉さん? あいつには後できつく注意しておくから、
あいつの言ったことあまり気にしちゃダメだよ」
って、寺沢さんも優しく言ってくれたけど。
気にするなって、そりゃ無理でしょ。
あ、でも、確か社長はメンバー全員で8名だって
言ってたよね?
じゃあ、残る1人はどんな人なんだろう……。
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