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心機一転
しおりを挟む最寄り駅から
直通電車で通勤時間は約*0分。
満員の車内からやっと解放され駅を出ると、
近くに林立するビルの中でも際立って真新しい
高層ビルが嫌でも視界に入ってくる。
各務一族が経営する会社 ”コスモグループ本社”
この辺りで一番大きいオフィスビルだ。
(因みに、各務のおっさんが代表取締役社長を
務める子会社”コスモ企画”も
このビルに入居している)
面接の時に発行して貰った通行証で
エントランスのセキュリティゲートを通過し、
*階にあるコスモ企画のフロアに向かう為
エレベーターを待っていると誰かが私の肩を叩いた。
「悠里。おっはよう」
声を掛けてきたのはコスモ企画・総務部に勤務する
国枝利沙だった。
彼女は高校時代に出来た唯一の親友。
でも、今日から仕事の面では先輩だ。
当面、私が仕事に慣れるまでの間、
彼女が私の指導係になる。
2人でコスモ企画のある*階フロアに移動。
まもなく全体朝礼が始まった。
さすが、リーディングカンパニーの筆頭子会社。
想像以上の人数に圧倒される。
経営理念の唱和が始まった ――
身の引き締まる思い、とはこういう感じなのだろう。
「―― では続いて、本日から事務補助として
アルバイトに入ってもらう方を紹介します」
いよいよ私の挨拶だ、緊張マックスに達する。
「今日からお世話になる和泉悠里です。
宜しくお願いします」
肌が真っ赤になって、体までポッポと火照るのを感じながら
何とか挨拶を済ませ新年度から働き始める従業員達の
紹介&全体朝礼は終わった。
「和泉さんこっちへ……」
見たところ、この会社のお局様的存在と思われる
女性社員が声をかけて来た。
「国枝さんと一緒に今日からあなたの指導係を務める
笠井です。何かあったら遠慮なく聞いてね。
ここが和泉さんのデスクだから、私の向かい側ね」
テキパキと必要事項を伝えていく笠井さん ――
入社10年目のベテランさんらしい。
嫌でも感じる、埋めようのない社会経験値の差と年齢差。
「はいっ。宜しくお願い致します」
第一印象くらいは良くして貰おうと、
深々と頭を下げた。
私が配属された ”総務部”は読んで字の通り
総合的な業務を取り扱う部署。
そして、経営陣も含めた社内のすべての部署と関係を持つ、
社内で唯一の存在だそう。
と言っても、この会社自体、創立されたのが5年程前の事で
”コスモ企画”の専有フロアも本社ビルの*階~*階までの
わずか*フロアしかない。
”営業部・総務部・経理部・秘書課、など一応部署分けは
されているが、コレといった明確な仕事区分がある
ワケではない”
因みに、仕事の采配は全て社長(つまり各務)が
振るそう。
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