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22 親友からの頼みを断りきれず……
しおりを挟む大阪出張から戻り、数週間後のお話し ――。
もし、運命の女神様がいるんだとしたら……彼女はきっと、かなりの悪戯好きなんだと思う。
「あやねぇー、お昼ご飯行こ~」
企画部の自分の席で先輩に頼まれた書類をデスクトップでまとめていた私の腕を部内へ入って来た利沙が引っ張る。
「あぁ―― あともう少し……!」
ボチッっとエンターキーを押し、よしっ! 送信完了!
社内はデジタル化が推奨されていてほとんどの書類提出が課長の専用アドレスへ送信する事になっているのだ。
お弁当が入ったバッグを持って利沙と場所を移動する。
「あー! ようやく休み時間」
いつもより機嫌のいい利沙。
「何か良いことあった?」
「んふふっ。実は今日合コンあってさ」
「あ、だから今日は一段と綺麗なんだね」
「お世辞は結構! はぁー楽しみぃ!」
ウキウキしている利沙って、本当にキラキラ輝いて”可愛い”と思った。
でも、定時終業のあと 長い仕事が終わり、着替えのため控室に戻ると
さっきまでウキウキしていた利沙が世界の不幸を一身に背負ったような悲壮感を漂わせ長椅子でうなだれていた。
「……大丈夫? 利沙」
利沙は力なく首を横に振った。
「何があったの?」
「……聞いてくれる?」
私は利沙の隣に座った。
「それがさ、予定してた女の子が1人来られなくなっちゃってぇ……」
「ふ~ん……それって、そんなに大変なこと?」
合コン経験の少ない私はなにがそんなに大変なのかわからなかった。
「当たり前じゃない! だから一生のお願い」
「なに?」
「合コンの助っ人に来て!」
顔の前で両手を合わせる利沙。
「えぇ!? 私合コンなんて無理だよぉ」
「大丈夫! 私がフォローするし」
「着替えないし。お酒弱いし」
「あやは元が美形だから着飾んなくても大丈夫! アルコールは私がシャットアウトしてあげる」
利沙の勢いに思わず黙り込んだ私をじゃ、よろしく! と、半ば強引に会社から連れ出した。
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