7年目の本気

川上風花

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第2章 東京編

目標

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 企画部『ジゼル』プロジェクトのメンバーで
 振り分けられた仕事と並行し私は*月から
 新しく担当になった宮藤翔太くんのマネージャーも
 務める。
 
 翔太くんはちゃんと学校へ通う傍ら、
 『ジゼル』公演へ向けての自主練習もこなし、
 自身のスキルアップの為、学校が休みの土日には
 WDCのワークショップにも通っている。  
 
 私が高校生だった頃は自分の進路はおろか、
 自分の夢さえあやふや・曖昧で、
 ただ決められた勉強をこなし・仲のいい友達と
 買い物したり遊んだり・時々勉強したりを繰り返し
 ただ、ただ惰性で毎日を過ごすだけだった。

 社会人になった今でさえ、果たして今やってる事が
 自分の本当にやりたかった事なのか?
 全く自信がない。
 結局今も、惰性で日々を過ごしているにすぎない
 のだ。
 
 それに比べ翔太くんは若干17才でちゃんと
 自分の将来を見据えている。
 
 ほんとに凄い! と思った。
 
 そんな翔太くんのおかげで、
 2つの事を同時にこなせるほど器用じゃない私でも
 彼のマネージメント作業はかなり順調にやって
 こられた。
 
 例えば、人気が絶頂期だった頃の晴彦を見ても
 わかるが。

 若くして(幼くして)人気の頂点を極めてしまった
 ようなタレントさんは、えてしてとんでもない
 我儘が多く。
 決して大成はしないし、長続きもしない。
 
 たとえ長続き出来たとしても、それは、
 ひとえに所属事務所のおかげだ。
 
 その時の人気タレントさんのおまけだったとしても、
 仕事は貰えるし。
 人並みの生活も出来る。
 
 自分が人気者だった頃の栄光にしがみつき、
 プライドを捨てきれない落ち目のタレントは
 もう、落ちる所まで落ちて自然消滅していく。
 
 私は出向という形でこの覇王エンタと縁が出来た
 けど。
 始めたからには任された仕事くらいは完璧に
 仕上げたい。
 
 今の私の目標は『ジゼル』の成功と
 翔太くんを1人前のダンサーにする事だ。 
 
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