7年目の本気

川上風花

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第2章 東京編

イケない事だと知りつつも

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 匡煌さんと私が降り立ったのは26階フロアー。


「和巴、こっちだ」


 歩き出した匡煌さんの後を追いかける。


 私達が泊まってるフロアーとは明らかに何かが違う。
 なんだろう? 雰囲気? 
 そこはかとなくセレブのにおいがする。

 そうだった。
 一応匡煌さんは『ヤングエグゼクティブ』

 下を向いて考えながら歩いている私を、
 ドアを開けた匡煌さんが笑いながら見ていた。


「襲わないから安心しろ」

「あ ―― 当たり前です!」

「すぐ赤くなる。可愛すぎてたまらない。
 さ、さ、どうぞ」


 匡煌さんに促されて部屋に入る。



「うわっ。ナニ? この部屋……」


 入ってすぐは広々リビングルーム。


 ザ・ペニンシュラスイート。
  
 ザ・ペニンシュラタワーの最上階に位置し。
 
 高い天井とプライベートテラスが特徴の
 リビングルーム・最大10名までのディナーが可能な
 プライベートキッチン付きのダイニングルーム、
 プライベートジム、書斎などで構成される室内は、
 クラシックな調度品が配され、上品で洗練された
 空間だ。

  
 大体何百畳分くらいある? かも分からない。
 それくらい広い。


「1人のくせに、こんな広い部屋泊まってるの?
 贅沢」


 ぶつぶつ言いながらテーブルに酒の入った袋を置く。


「じゃ、お前も一緒に泊まればいい。
 それなら文句ないだろ?」


 真後ろから聞こえた匡煌さんの声に少しびっくり。
 振り向いた。

 彼は私のすぐ後ろに立って、私を見ていた。


「和巴」

「――ぁ……っ」


 私は匡煌さんに強く、強く ――
 息も出来ないくらい抱きしめられた。


「ちょ、苦し……っ、まさ……きつい……」

「やっと捕まえた。コレくらい我慢しろ」


 足が浮く位にきつく抱きしめられる。
 匡煌さんの身体が震えているのが分かる。


「会いたかった……触れたかった……お前を、
 抱きしめたかった」


 声も震えていた。

 私は身動きが取れないまま……
 匡煌さんに強く抱きしめられている。 

 思いっきり抵抗して、もがけば。
 彼だって無理矢理はしなかっただろうに……
 私も彼の匂いと温もりが嬉しくて抱き締められた
 腕を解く事は出来なかった。
 

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