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第2章 東京編
打倒、ボンボン社長
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大荒れになった”ジゼル”の初顔合わせから
3日経って。
慌ただしく日常業務を片付ける私の元へ
笙野部長(出向後、昇格して部長になった)が
1人の純朴そうな男の子を連れて来た。
「薫はもう放っておいても自分の事くらい自分で
こなせるし。逆にキミは経験を積んでいく時期
だからな。今日から彼のマネージャーに就いて
欲しい」
その男の子は”ジゼル”へも【村の青年1】で
出演する新人さん。
「宮藤 翔太です、宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しく。小鳥遊和巴です。あ、でも
宮藤ってもしかして ――」
「はい、姉がお世話になってます」
あ、やっぱりね。目元がそっくり。
彼は部長や私と一緒に出向してきた麻衣ちゃんの
弟さんだった。
麻衣ちゃんの忘れ物を届けに来た時、
たまたま宗方さんの目に止まり”ジゼル”の
出演者オーディションを勧められ
今回の役柄を獲得したってラッキーボーイ。
因みに年令は17才。
午後からはスポンサー探しに出かける。
舞台興行に関心の深い実業家さんや
企業の社長さん等を中心に営業。
今日こそ定時で上がれるかなぁ……なんて
淡い期待を抱いていたが、関係ない。
もし、この企画が頓挫するような事があれば、
営業部のような花形部署から閑職に左遷される
可能性だってあるんだ。
羽柴専務と笙野部長が ”この人は!”と
思う実業家さんと有名企業の社長さんを
数人ピックアップしてくれたおかげで、
飛び込み営業なんて不慣れな事はしなくても
済んでいるが。
これから向かう、
㈱和凰堂の社長さんはこの年度始めに
先代の社長から跡を受け継いだ3代目さんで。
アパレル業界でも有名な好色漢、らしい……。
羽柴専務からは
”最初はなるべくデカい所から落とせ”
と、言われた。
その理由は、言わずもがなだ。
**の目抜き通りに堂々たる社屋を構える和凰堂は
アパレル業界のリーディングカンパニー。
ここを落とせば ”右に倣え”する者が何人かは
出てくる。
3代目のボンボン社長だろうが、好色漢だろうが、
必ず落としてやる。
私は見上げていた社屋の威風堂々たる全貌から
正面玄関に目線を移し、軽く深呼吸して、
始めの一歩を踏み出した。
3日経って。
慌ただしく日常業務を片付ける私の元へ
笙野部長(出向後、昇格して部長になった)が
1人の純朴そうな男の子を連れて来た。
「薫はもう放っておいても自分の事くらい自分で
こなせるし。逆にキミは経験を積んでいく時期
だからな。今日から彼のマネージャーに就いて
欲しい」
その男の子は”ジゼル”へも【村の青年1】で
出演する新人さん。
「宮藤 翔太です、宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しく。小鳥遊和巴です。あ、でも
宮藤ってもしかして ――」
「はい、姉がお世話になってます」
あ、やっぱりね。目元がそっくり。
彼は部長や私と一緒に出向してきた麻衣ちゃんの
弟さんだった。
麻衣ちゃんの忘れ物を届けに来た時、
たまたま宗方さんの目に止まり”ジゼル”の
出演者オーディションを勧められ
今回の役柄を獲得したってラッキーボーイ。
因みに年令は17才。
午後からはスポンサー探しに出かける。
舞台興行に関心の深い実業家さんや
企業の社長さん等を中心に営業。
今日こそ定時で上がれるかなぁ……なんて
淡い期待を抱いていたが、関係ない。
もし、この企画が頓挫するような事があれば、
営業部のような花形部署から閑職に左遷される
可能性だってあるんだ。
羽柴専務と笙野部長が ”この人は!”と
思う実業家さんと有名企業の社長さんを
数人ピックアップしてくれたおかげで、
飛び込み営業なんて不慣れな事はしなくても
済んでいるが。
これから向かう、
㈱和凰堂の社長さんはこの年度始めに
先代の社長から跡を受け継いだ3代目さんで。
アパレル業界でも有名な好色漢、らしい……。
羽柴専務からは
”最初はなるべくデカい所から落とせ”
と、言われた。
その理由は、言わずもがなだ。
**の目抜き通りに堂々たる社屋を構える和凰堂は
アパレル業界のリーディングカンパニー。
ここを落とせば ”右に倣え”する者が何人かは
出てくる。
3代目のボンボン社長だろうが、好色漢だろうが、
必ず落としてやる。
私は見上げていた社屋の威風堂々たる全貌から
正面玄関に目線を移し、軽く深呼吸して、
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