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第1章 邂逅編
可愛くない弟
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「―― なーぁ、はーやーと~、いい加減起きろよぉ」
「るっせぇなっ。今日は日曜日!
晩メシまで絶対声かけるんじゃねぇぞ」
「引っ越し荷物のお片づけ手伝ってよ」
無視。
「ねぇってば、ねぇってば、ねぇってばっ!!」
「だーーーーっ! もう、うるせぇーな。あっち
行ってろ」
俺は軽く手を払ったつもりだったが、
あずさの野朗は大げさに尻もちをついた挙句
大声張り上げ泣き出した。
「あ~ん、勇人兄ちゃんが頭どついたぁぁっ!
痛いよぉ ――」
”どどどどどどどど ――”
その泣き声が聞こえるや否や、
地響きをたてて我が家の女ターミネーター、
長女・涼子(26)登場
「こらっ! 勇人! ったくもう、あんたって子は
いい年をしていたいけな弟いびるんじゃないわよ」
「お、俺はいびってなんか……」
「さっさと起きて、あずちゃんの片付け手伝って
あげなさい」
「え~~~~っ!!」
その次の瞬間姉ちゃんが繰り出した渾身の
ヘッドロックが俺の頭に見事にキマった。
「うぎゃ~ ―― ギブ・ギブ……こんなの卑怯だよ」
チラリと見れば、姉ちゃんの後ろに隠れたあずさは
俺に向かって”あっかんべー”をしてた。
もちろん、姉ちゃんにはバレないように。
こ、この糞弟……いつかぜってーシメてやる
覚えとけよぉ……。
俺ん家は周囲の家よか年季が入った建物だが、
昭和初期に当時の最新技術を駆使して建てられ、
あの**大震災や大空襲の猛火をもかいくぐって来た
という超レアなプレミア物件 ――。
母さんと新しい継父夫婦は今まで通り母屋に ――
母屋の1階は下宿屋になっていて、
現在大学2回生が2人とインドからの留学生が
共同生活を送っている。
で、問題のあずさの部屋だが……
「ところでさ、何でこいつも離れなワケ?」
姉ちゃんが使ってた隣の部屋があずさの部屋に
なった。
「こいつじゃなくて ”あずちゃん”よっ。
このバカ弟」
「ふんだ。新婚夫婦の邪魔するほど野暮じゃねぇん
だよ」
「野暮って……ガキの癖にいちいちムカつく奴だな」
俺はブツクサ言いながら、
重い物から先に運ぼうと1人掛けのカウチソファー
を持ち上げた。
「自分は17にもなって親の脛かじってる癖に、
僕をガキ呼ばわりすんじゃねぇよ」
よりによってそのソファーの上に飛び乗り
やがって ――
「重っ ―― 下りろバカ」
「体使うしか脳がないんだから、
今のうち使っておけ」
ったくもう……重ね重ね不躾で可愛くないガキだ。
俺がソファーをわざと傾けると、
あずさは驚いて俺にしがみついた。
「あっぶねえだろ。脳たりんの筋肉ばか」
「うわぁ……いかにもガキっぽい幼稚な表現だ。
あはははは ――」
高らかに笑いとばした俺を、
あずさは赤い顔で睨み付ける。
「う、うるさい ―― 僕は可愛いからいいんだ」
へっ。自分で自分の事 ”可愛い”なんて
よく言えるなぁ。
そうゆう図々しいとこは感心するわ。
「るっせぇなっ。今日は日曜日!
晩メシまで絶対声かけるんじゃねぇぞ」
「引っ越し荷物のお片づけ手伝ってよ」
無視。
「ねぇってば、ねぇってば、ねぇってばっ!!」
「だーーーーっ! もう、うるせぇーな。あっち
行ってろ」
俺は軽く手を払ったつもりだったが、
あずさの野朗は大げさに尻もちをついた挙句
大声張り上げ泣き出した。
「あ~ん、勇人兄ちゃんが頭どついたぁぁっ!
痛いよぉ ――」
”どどどどどどどど ――”
その泣き声が聞こえるや否や、
地響きをたてて我が家の女ターミネーター、
長女・涼子(26)登場
「こらっ! 勇人! ったくもう、あんたって子は
いい年をしていたいけな弟いびるんじゃないわよ」
「お、俺はいびってなんか……」
「さっさと起きて、あずちゃんの片付け手伝って
あげなさい」
「え~~~~っ!!」
その次の瞬間姉ちゃんが繰り出した渾身の
ヘッドロックが俺の頭に見事にキマった。
「うぎゃ~ ―― ギブ・ギブ……こんなの卑怯だよ」
チラリと見れば、姉ちゃんの後ろに隠れたあずさは
俺に向かって”あっかんべー”をしてた。
もちろん、姉ちゃんにはバレないように。
こ、この糞弟……いつかぜってーシメてやる
覚えとけよぉ……。
俺ん家は周囲の家よか年季が入った建物だが、
昭和初期に当時の最新技術を駆使して建てられ、
あの**大震災や大空襲の猛火をもかいくぐって来た
という超レアなプレミア物件 ――。
母さんと新しい継父夫婦は今まで通り母屋に ――
母屋の1階は下宿屋になっていて、
現在大学2回生が2人とインドからの留学生が
共同生活を送っている。
で、問題のあずさの部屋だが……
「ところでさ、何でこいつも離れなワケ?」
姉ちゃんが使ってた隣の部屋があずさの部屋に
なった。
「こいつじゃなくて ”あずちゃん”よっ。
このバカ弟」
「ふんだ。新婚夫婦の邪魔するほど野暮じゃねぇん
だよ」
「野暮って……ガキの癖にいちいちムカつく奴だな」
俺はブツクサ言いながら、
重い物から先に運ぼうと1人掛けのカウチソファー
を持ち上げた。
「自分は17にもなって親の脛かじってる癖に、
僕をガキ呼ばわりすんじゃねぇよ」
よりによってそのソファーの上に飛び乗り
やがって ――
「重っ ―― 下りろバカ」
「体使うしか脳がないんだから、
今のうち使っておけ」
ったくもう……重ね重ね不躾で可愛くないガキだ。
俺がソファーをわざと傾けると、
あずさは驚いて俺にしがみついた。
「あっぶねえだろ。脳たりんの筋肉ばか」
「うわぁ……いかにもガキっぽい幼稚な表現だ。
あはははは ――」
高らかに笑いとばした俺を、
あずさは赤い顔で睨み付ける。
「う、うるさい ―― 僕は可愛いからいいんだ」
へっ。自分で自分の事 ”可愛い”なんて
よく言えるなぁ。
そうゆう図々しいとこは感心するわ。
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